読書記録③
本日の読書記録です。
1 森裕之他編『現代社会資本論』有斐閣PP.1-15
序章「社会資本論の現代的課題」宮本憲一氏の論考。
宮本憲一氏は、滋賀大学学長まで務めた財政学者の大家であるが、その存在はあまり知られていません。昭和の高度経済成長期から経済一辺倒の政策に疑問を持ち、公害問題やアスベスト問題に積極的に発言をして、地域開発のあり方に警鐘を鳴らし続けてきた。
宮本氏は1967年に『社会資本論』を発刊しており、本書はその書籍を継承するものとして、現代的な課題を捉え直し、研究会のメンバーによる論考をまとめたかたちとなっていいます。その初めに、宮本憲一氏が改めて「社会資本論」を寄せているのが序論となっています。
読むと、一番初めに「社会資本(Social Overhead Capital)は、国土・地理を形成し、人間共同社会の生活・生産を持続させるための基礎条件である。」と出てきます。この一文でもうこの序論は終わっても良いぐらい脳天に突き刺さります。
市場原理的な発想からには、この考え方がでてきません。水・エネルギー・医療・教育などあくまでサービスとして市場で売り買いされるべき対象として位置付けられることでしょう。
それゆえ、まず議論の地平として、「社会資本とは?」と定義していることは非常に重要なところです。
いろいろここに書きたいところですが、理解が及んでなさすぎてまた備忘のためにも整理したいと思います。
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