今後について
2021年の百森アドベントカレンダー、最終日となりました。
百森という組織がどういう人たちで構成されているのか、少しでもお伝えできたでしょうか。今年は諸事情により昨年よりもだいぶ組織として切羽詰まった状態にあり、苦しみながら駆け抜けた形になりました。
さて、年末ということで、今後についてお話します。おそらく昨年の記事と大きく変わるところはありません。
目指すところ
株式会社百森は、山と人がともにある社会を目指しています。それはどのような社会なのでしょうか。
まず端的に、人が山に入りやすい状態が達成されていると考えます。西粟倉はその面積の9割以上が山林となっていますが、その人口のほとんどは山に入ることなく暮らしています。物理的な距離は近くても、精神的な距離は遠い。それが西粟倉における山林の実情でしょう。鳥取や姫路、大阪なんかの方がきっと親しまれている。仕事であれ遊びであれ教育であれ、目の前に広がる山林がもっと身近であれば、もっと豊かな日々を送れるはず。
そして次に、山のものが人の世に溢れているという状態も達成せねばなりません。今の西粟倉、山林から生産される主なものは丸太です。丸太からは内装材を中心に様々な製品が製造販売されており、都市圏を中心に多く流通しているのは確かです。しかし、村での暮らしを振り返ると、まだまだ山のものが活躍できる場所が多く残されているはず。昔からある山菜に加え、最近はジビエや養蜂など、少しずつ広がりの兆しは見られます。
私達のすること
株式会社百森は、そんな中で山への入り口となるような、水先案内人ならぬ「森先案内人」としての役割を全うします。
百年の森林事業
いまのところ西粟倉における山と人との関わり合いの中心にあるのは、「百年の森林事業」です。株式会社百森はその事業において、所有者さんとの交渉から、整備内容の調査設計を行っています。
山主さんからは自分の山林がどこか分からない、体が悪くなって山に行くことが叶わなくなった、というような話も多く聞かれるようになりました。山主さんの代理として山に入り、しっかりと丁寧に管理することで、百森がそういった方にとっての擬似的な山への入り口となることを目指しています。
また、林業事業体さん達も重要なパートナーです。その道何十年という素材生産業者の皆さんを前に私達が「山を案内する」という言い方は違和感がありますが、彼らがプロの仕事を気持ちよく全うするため、心配ごとが無いように伴走する。そういった存在になれればと思っています。
村内製材所や木工所、バイオマス関係にとっては安定して素材の提供を行うことができる供給源にならなければなりませんし、全体として事業を取りまとめている役場さんにとっても、信頼できる「山担当」にこの会社がなる必要があるのは言うまでもありません。
森林活用事業
そして、「百年の森林事業」以外でも山林に入れるひとを増やしていく。それが新しい挑戦です。これまで様々なイベントや企業研修など、人を山へと誘う役目を果たしてきました。
お陰様で、山林で○○をしたいんだけど…という相談を、少しずつ頂けるようになってきました。一緒に考えながら、いちばんいい形を提案する。そして、実現に向けて必要な作業を肩代わりできる存在になるのが目標です。
今年はその中で、特に山主さんや役場さんとの調整、法的・環境的な部分の確認などでどういった規約や契約が必要か?安全管理はどうあるべきか?その中で考えられるお金の流はどのようなものか?を調べてきました。来年度に向けて、準備ができたと思っています。
山への入り口はたくさんつくっていきます。今年オープンしたひとつはこのクラウドファンディングプラットフォームです。来年度には、あと2つほど新しい山との関わり方ができる予定です。
宜しくお願いします
やりたいこと、やらねばならないことはそれこそ山ほどあります。
どんどんとやることが変貌していく中で、貴様何奴ぞ!と言われるかもしれません。しかし、芯の部分は我々が管理する山を見て頂ければ分かるはずだとも思っています。五十年後、百年後には良い未来を残せると信じて進んで参ります。
どうぞこれからも、宜しくお願い致します。
(田畑直)
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