キモノノキホン・丸帯
着物の帯というと、様々な種類の帯を思い浮かべるかと思います。
その中でも『丸帯』という帯をご存知ですか?
呉服店でも見かける機会は少なく、このブログでお知りになった方もいるのではないでしょうか。
今回は、ぜひ知っていただきたい丸帯についてご紹介いたします。
丸帯とはどんな帯??
丸帯はパッと見た雰囲気が袋帯とほぼ一緒の見た目をしていますが、実は袋帯よりも丸帯の方が格が高く、帯の中では一番格の高い帯とされています!
江戸時代中期に誕生した丸帯ですが、戦後に袋帯が考案されると次第に廃れてしまい、
現在では白無垢や打掛といった婚礼衣装や舞妓さんの衣装として丸帯が用いられることがあります。
当時は礼装用の帯=丸帯と言われるほどで、留袖や振袖にも合わされていたそうです。
所説ありますが、大きくなった髪型に合わせて正装での帯結びも大きくなったことで丸帯が考案されたともいわれています!
このような着姿…舞妓さんの写真などで見たことがあるのではないでしょうか?
こちらも丸帯を用いています!
丸帯の特徴と言えば・・・?
丸帯は袋帯と見た目が似ている…
というと、それぞれの違いはどのようなところにあるのでしょうか?
ここで簡単に違いをご紹介いたします!
柄の入り方◆袋帯:裏面が無地 ⇔ 丸帯:両面に柄が織られている
仕立て方◆袋帯:表地と裏地を合わせて仕立てる ⇔ 丸帯:幅広に織った帯地を二つに折って仕立てる
帯の長さ◆袋帯:約4m20cm~4m50cm ⇔ 丸帯:約4m
結びやすさ◆ 丸帯の方が厚みと重さがあるため、袋帯よりも扱いが難しい
といった違いがあります。
また、丸帯の帯結びはこの特徴から『一重太鼓』で結ぶことがあるそうです。
先ほどの舞妓さんの着姿で、後ろに大きく垂れ下がる結び方も両面華やかな柄のある丸帯ならではの結び方ですね!!
最近での着用シーンや仕立て直しは・・・?
冒頭に触れたとおり、最近では袋帯が広まったことで丸帯の出番というのはかなり少なくなってしまいました。
ですが、ご成人式などで着る振袖に合わせるなどで活躍の場を作ることができます!!
また柄も非常に華やかなものが多いので、シンプルな結び方でも十分に着姿が映えるのでオススメです。
とはいっても、特徴でご紹介したように袋帯2本分のような構造になっているため、重さがあることや固いことがあります。
変わり結びや二重太鼓には不向きな一面もあるため、中には“リメイク(仕立て直し)”をされることもあります。
裏地をつけ足したり、片面の生地を継ぎ足したり…
さまざまな形に生まれ変わらせて、新しい楽しみ方もできます◎
今回は、丸帯についてご紹介いたしました!
普段なかなか見る機会もないものですが、袋帯の2倍の手間がかかっているような貴重な帯です。
時代の移り変わりとともに、袋帯のように結びやすい構造のものなども出てきましたが、その背景には丸帯の誕生があったからこそ。
着物や帯の歴史的な背景などもこちらを通じて少しでも感じて頂けたらと思います。
ぜひお持ちの方は何かの機会に締めてみてはいかがでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございました✿
きもの百花 ~HYAKKA~
きもの、人、時ー和のスタイルアップを目指す、着物マガジン