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「とある種族のクリスマス」ショートショート(1000字)


「間もなく巨大トカゲたちは滅びる」

今から65,00万年前。神さまは小さき者たちを集めました。

わが物顔で巨大トカゲたちがこの世界を好き勝手にしてきました。

神様は今まで何度も警告をしました。

「そんな大きな体は必要ない」
「そんな強力な牙や爪は必要ない」
「食べ物を食べ尽くしてはならない」

トカゲたちは口々に言い訳をします。

「敵より俺達は大きくならなければならない」
「最高の鎧には強力な牙と爪で闘わなければならない」
「小さな生き物は俺達の残した物で充分だ、俺達は腹ペコなんだ」

自分勝手な大きなトカゲたちに天罰が下る日が来ます。

小さき者たちは、森で身をひそめてトカゲたちが残した残飯や酷いときはフンなどを食べて細々生きてきました。

自分たちが生きるため、家族を守りながら必死に何万年も暮らしてきました。

神様はいいます。

「好き勝手な巨大トカゲは滅んだ、代わりに何かお前たちに能力を授けよう。話し合うといい」

「ボクは二本足で歩いて道具を使いたい」

「オレ様は草原を走り回りたい」

「私達は森で今まで通りの生活で充分です細々と自由に暮らします」

巨大トカゲの失敗を見て森で暮らす種族は変わらない事を選びました。

草原で暮らす種族は次第にヒトと呼ばれる種族と共に協力関係になりイヌと呼ばれるようになりました。

今まで通り森に残り、木の上で暮らしていた種族は毎日のんびりと自由に暮らします。

たまにヒトにこき使われて、イライラしたイヌに追いかけられたりしますがイヌは木に登れません。

私たちは先祖代々、自由にゴロゴロするのがならわしです。
頑張ってはいけない。
長老に叱られます。

ならわしを重んじた種族はひたすら自由にゴロゴロニャンニャンしているうちに、神と扱われたりして、ヒトより偉くなりました。

森がない砂漠には、三角の高い山を建てたりしてくれました。
壁画にもご先祖が描かれてます。

時代は変わりましたが、今でも木があると落ち着きます。

高いところが大好きで、コロコロ転がる物が大好きです。

最近の仕事は日当りのいい部屋でゴロゴロすることです。

種族のならわしは忘れていません。

少し前、ヒトが木を私の為に飾ってくれました。

大好きな物が色々ぶら下がってて、中でもキラキラした玉で遊びま…仕事をします。

すぐ疲れるけど種族のならわしは絶対です。

今日も自由にゴロゴロして昼寝しますニャ。

🎄メリークリスマス🎄

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