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フランス趣味全開の旅#1-ル・コルビュジェのロンシャンの教会
私がフランスに身も心も引き込まれた最大の要素はル・コルビュジェの建築でした。
学生時代にあった「建築家を5人リサーチしろ」という課題をきっかけにコルビュジェの建築と出会い、
「なんだこれは?この世のものか?!」
と、それはそれは大きな衝撃を受けたものです。
(おかげで熱が入り、課題の人数を超えて50人近くのリサーチをしてしまった私です。本のように分厚い資料が出来て先生を驚かせたのを今でも覚えています。)
それからというもの、建築のかっこよさに陶酔し、コルビュジェの建築を見るためにヨーロッパ鉄道ひとり旅をし、さらにフランスに魅了され、最終的にフランス移住するまでに至りました。
フランス趣味全開の旅シリーズ第1弾は、コルビュジェの建築めぐりの中で最も苦戦した「ロンシャンの教会」への旅をレポートします。
余談)実は三度目の挑戦...ロンシャンへの道は厳しかった
ロンシャンの駅へは、まずパリから高速列車でBelfort(ベルフォール)という駅に行き、そこからローカル線で10分ほどで行くことができる。
この旅を試みたのは、実は過去に2度あった。
1度目は15年以上前。ヨーロッパ4か国を鉄道で一人旅した際の1行程だった。がしかし、時刻表が間違っていたのか私がアホだったのか(確かにいつも夢想状態だった)、正しい列車に乗れずBelfortにすら行き着くことができなかった。
今でこそロンシャンの教会の公式サイトで日本語表示もされるようになったり、色んな人がブログに書いていたりするけれど、当時は情報が限られていて詳しいアクセス方法を探すのは難しかった。
2度目は7年前くらい。当時はフランス語が全く分からなかったがBelfortまでは行けた。駅の案内所で英語で尋ねるとバスを勧められたが、バスの運転手に聞いても正しいバスが分からず、膨大なバスの路線図に翻弄されて乗るバスを間違え、変な所へ行ってしまう。
そうこうしてる内に帰りの列車の時間が近づいて慌てて引き返す羽目に。
2度も失敗したのは完全に自分のリサーチ不足だったと反省。
ようやく成功した3度目は2年前。
既にフランスに住んでいたし、フランス語はバッチリだ!
それで気づいたこと。Belfortの駅が2つある上に、列車を乗り継ぐほど駅間が離れている...。
高速列車が止まる「Belfort - Montbeliard Tgv」駅からローカル線に乗るには「Meroux」駅まで歩く。Meroux駅でローカル線に乗って「Belfort-Ville」駅に辿り着く。実はこのBelfort-Ville駅がロンシャンに行くための真のBelfort駅だったのだ!
当時どうしてもたどり着けなかったのはこのせいだったのかと判明。
…何はともあれ、無事にロンシャンまでたどり着けた。
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現地の言葉が出来るのと出来ないのとでは、こんなにも差があるのかと痛感した。フランスで生活する中で、ひとつの駅に駅名がいくつかあることに慣れていたおかげもあるかもしれない。乗り換え検索も当時と比べてだいぶ発展しているし。
以前は持っていなかったスキルを身につけたり情報を得たりして、行けなかったエリアが解放された。まるでRPGを身をもってプレイしてる気分だ。
コルビュジェゆかりのホテルに宿泊
今回は絶対にたどり着くと心に決めていたので、余裕をもって前泊することに。事前にロンシャンのホテルを探していたら、コルビュジェも滞在していたというゆかりのホテルを発見した!
せっかくなので最上級のお部屋を予約してみた。
そのホテルは昔ながらの小さなお屋敷ホテルで、伝統的な内装や数々の調度品に囲まれて夢の世界に迷い込んだようだった。
エレガントなご主人に案内され部屋に入った途端、「はぁぁ!」と声がもれる。
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このホテルに泊まるのはやはりロンシャンの教会目当て(かつコルビュジェのファン)の人が多いようで、日本人建築家・学生なども多いそう。「あなたも建築家か?」と問われ、違うと答えるとズッコケるお茶目なご主人。
私が好みそうなロンシャンの教会にまつわる本を貸してくれたり、「教会は高い丘の上にあるから、夜になると明かりがここからも見えるんだ」と窓から指さして見せてくれた。
お屋敷内にある年代物のピアノの音色がポロンポロンと響く夜...。
若い時に勢いだけで実行した貧乏旅行だったら、このホテルには泊まれなかっただろうなぁ、としみじみする。
いざ、ロンシャンの教会へ!
翌朝はホテル1階にあるサロンでビュッフェ式朝食。
他の宿泊者と交流しながらフレッシュなクロワッサンや美味しいコーヒーを頂く。
その後ご主人に別れを告げ、ホテルを後にした。
たしか徒歩で25分くらい?の坂道を上ってロンシャンの教会へ。
雨が降ってて超寒い!
ドキドキしながら丘を登りきると、教会への入り口となる建物がある。
事前購入していたチケットを見せ、入場!
そこからもさらに少し坂道をのぼると現れる、まるで宇宙からやってきたかのようなあの物体。
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想像していたよりも大分こじんまりしたサイズ感で親しみが湧く。
中に入る前にぐるっと周囲を一周。
写真で何度も見た光景が、今現実に目の前にあるのだ。
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いざ、内部へ。
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じわじわと感動がこみ上げる。もし前2回の失敗がなかったら、ここまでの感動はなかったかもしれない。
今ずっと来たかった場所にいるんだなぁ。色々な障害を乗り越えてフランスへ来て良かった。色々としんどいこともあったけど、フランスでの生活やフランス語を頑張って良かった。色んな思いがごちゃまぜになってこみ上げてくる。
他に人がいないのを良いことに、静かな教会の真ん中でグスグスと泣いた。
包み込んでくれるような空間にとても安心させられた。
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別棟の建築物や庭をじっくり散策しながら、離れがたい気持ちを少しずつほぐす。
この表情豊かな建築は、視界から外してまた視界に入れるたびに驚きがある。
「やっぱりある」「まだある」その存在を感じることが嬉しい。
もし天気が良かったならば、草っぱらに座って何時間も眺めていたかったな。
ロンシャンへ行く方へのプチ情報
とても個人的な旅行記になってしまったので最後にせめてお役立ち情報を。
ロンシャンの教会には無料ロッカーがあるので、荷物を預けることができる。ただし屋外にあるのと、あまり大きなものは入らない。(受付で尋ねると場所を教えてくれる)
無料の休憩所があり、飲み物の販売機などもある。暖かい暖炉も!私も帰りの列車まで何時間も待たせてもらえて助かった。
平日は列車の本数が少ないので要注意!
Belfort経由以外からの行き方も便利そう。(前はなかったような気が…?!)乗り換え検索&チケット購入:https://www.sncf-connect.com/
ロンシャンの教会の公式サイトはこちら。
素敵な旅を!