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不登校中学生が最難関高校を目指す話③

ナツはまず、僕が準備した「受験ルーティン」から取り組み始めました。

①数学の基本問題ルーティン
福岡県の数学は、最初に10問程度の基本問題からスタートします。

トップ校を目指すとき「絶対落としてはいけない」10問なので、ケアレスミスを無くして満点にすることを当たり前にするための練習ですね。

1問でも間違えたら、もう10問チャレンジ。

毎日満点になるまで反復します。

②英語のリスニングルーティン
塾内にリスニングブースをつくり、いつでも誰でもリスニング特訓が可能なブースをつくっていました。

ブースに準備したのは、CD音源・問題用紙・メモ用紙・放送原稿・原稿の和訳など。英語のリスニングが苦手な子は、放送原稿を見ながら「追い読み」からスタートし、毎日少しずつレベルアップしていきます。

毎日反復して耳を慣らしていくことで、本番も安心感を持って取り組むことが出来るようになります。

③作文ルーティン
国語の作文問題・英作文の基本問題を毎日書いて、毎日添削していきます。

基本的に公立入試の作文は減点方式で採点されます。

つまり、難関校とは言えども、あえて難しい内容や書き方にこだわる必要はなく、シンプルにミスの無い作文を書く力が求められるんですね。

これは東大英作文など大学入試でも応用可能な考え方です。


これらルーティンは全て「素振り」と位置付けています。

素振りにも2パターンあります。

何も考えずにひたすら反復する素振りではなく「毎回考えながら行う素振り」です。

飛んでくるボールをイメージして、バットに当たる瞬間をイメージして、その時の頭の先からつま先までの自分の体の動きにまで神経を配って、どこでミスが起きるのかを考えながら、徹底的に自分と向き合います。

これらの反復は、もちろん受験生全員に課題として与えているのですが、全員が毎日細部までこだわって取り組めるかというと、そうではありません。

受験生とはいえ中学生なのです。この時点で「自分や自分のミスの傾向と徹底的に向き合う」という精神的な準備が出来ている子は多くありません。

幸運にも、ナツやナツの周りにいる子たちは、この精神性に恵まれ、苦しくも楽しい毎日のルーティンをこなしていきました。

「ミスを減らす」という反復で上がる点数は、それほど多くないと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、各地域のトップ校を受験する子たちの合否を分けるのは、ほぼ全てがミスによる失点です。

特に福岡県入試は対策が簡単で、最難関の高校を受験する子たちは入試本番で「知らない問題」とか「解けない問題」はほとんど出てきません。

最後はミスの量で合否が決まるので、毎日のルーティンでミスと向き合う作業は、絶対に欠かせないのですね。

ナツの偏差値も、秋~冬にかけて飛躍的に上がっていきました。

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