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富山の妖怪「ズドボン」とは!?

はじめに

妖怪キャラクター計画!
突然ですが、富山にゆかりのある妖怪をキャラクター化しちゃうぞ!というわけで、富山県史民俗編をあけてみる。
しかし、そこには有名所と並んで、全く知らない、検討もつかない妖怪の名前が…!謎を解明するために我々調査隊はアマゾンの奥地…いや、地獄の奥地へと向かった―――。(立山の地獄となにか関係ないかなぁ??)

富山県史に現る「ズドボン」

富山県史に「ズドボン」という妖怪が出現する。
一つ目小僧や小豆洗いといった、全国的にも知名度の高い妖怪と同列に名があげられている「ズドボン」とは何なのだろうか。
「ズドボン」の語感の良さから、なんだか気になる妖怪だ。ずどぼん、ずどぼん、口に出すとついつい繰り返してしまう。

妖怪は庶民信仰の上で重要な役割を持っている。天狗・かっぱ・鬼・氷玉・火柱・一つ目小僧・ズドボン・小豆トギ・ムジナ・モウモ・山の婆、など列挙すれば極めて多い。
(中略)
1つ目小僧・ズドボンの話も多く、五箇山相倉では、(中略)同じく細島でも、明治の頃養蚕をしているとき、大きいズドボンが入ってきた。村人の中にもその朝、六尺以上の大男をみたとの噂があった。

『富山県史 民俗編』(1973)第五章:信仰 9、妖怪変化とつきもの 妖怪

妖怪として天狗・幽霊・ズドボン・河童などがあるが、小豆トギの妖怪が注目される。

 『富山県史 民俗編』(1973)第五章:信仰 9、妖怪変化とつきもの 小豆トギ

天狗・ズドボン・カワウソとともに子どもたちで印象的な妖怪はミノモシであった。

『富山県史 民俗編』(1973)第五章:信仰 9、妖怪変化とつきもの ミノモシ

県史には、ズドボンの目撃情報は載っているものの、それが何をするのかが書かれていない。また、外見の特徴も、”大きいズドボン”が”六尺以上の大男”かもしれないという程度しか読み取れない。
他の妖怪について書かれている項にズドボンの名があげられており、子どもたちに印象的であるということがわかる。

ここまで書かれるのならば、ズドボンは富山ではメジャーな妖怪なのだろうか。
しかし、富山に住む知人にきいてもその正体を知るものは現れず、謎に包まれたままだった。


ズドボン案1 雪男寄り

「ズドボン」の響きからなんとなく雪男のようなイメージが湧く。ズドボンである主張は文字で補ってみる。毛並みを押し込めるかたちのTシャツ来てたら可愛さがでるかなと(決してこのあと3Dにしようとしてるからポリゴン数減らそうって魂胆じゃないんだからねっ!)


ズドボン案1



ズドボン案2 大入道寄り

富山県における妖怪の目撃情報で、黒部峡谷にて大入道が現れたことがある。

富山県下新川郡黒部峡谷の鐘釣温泉には美しい七彩の後光(光背)とともに、背丈が5〜6丈(15〜18メートル)の大入道が16体も現れ、湯治客を驚かせたという。七彩の後光を伴った複数の大入道の出現という話は、ブロッケンの妖怪と呼ばれる現象(雲や霧に映った人影と光輪)に類似し、おそらく湯治湯の湯気に映った湯治客の影が正体と思われる。

『妖怪画本狂歌百物語』妖怪総覧 大入道より

この大入道のように、霧に人影が映ったものが、ズドボンだと認識するのはありえないことではないと考える。しかし、ズドボンを見た同日に村で6尺(180cmほど)の大男を見たとするならば、通常のズドボンの体格は人間とさして変わらないと考えられる。そうすると大入道ではなさそうだ。ひとまず、影でできた人影と想定して、パースを崩したキャラデザにしてみた。かわいいかも。

ズドボン案2



ズドボン案3 方言「ずどぼん」

ここでようやく、ずどぼんが方言ではないかと調べてみたところ、富山県の方言だったようだ。

ずどぼん
坊主頭。富山県高岡市395
《ずどぼん》 富山県砺波398

『日本方言大辞典』

坊主頭…なるほど、案2のときに大入道を調べたのは方向としては合っていたのかもしれない。大入道も坊主頭だ。

この方言を私なりに解釈してみた。
ず→頭
ど→強調のど
ぼん→坊主頭
つまり、「頭がすっげー禿げてるやつ」なのかもしれない。
ズドボン、もしかしたら坊主頭がとっても印象的な妖怪なのかもしれないですね。

坊主頭を強調するために他に毛を生やして…案1と案2を混ぜた感じに仕上げてみました。

ズドボン案3


以上、勝手に妄想した現段階で私の考えた「ズドボン」でした。
結局ズドボンってどんな妖怪なんだ…君はどんな見た目で何をする妖怪なんだい……??

「ズドボン」情報、求ム。


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