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フェルナンド・ペソアと海
わたしの意識と人生が大きく転換するきっかけとなった2014年の旅の記憶が不意に蘇り、ポルトガル再訪を考え始めてからというもの、ポルトガルに纏わるものや話が寄せくるように現れる。
先日、階下のカフェのショーケースに目新しい菓子を見つけた。スタッフは名前が思い出せないようだったが、「パステル・デ・ナタ?ポルトガルのお菓子?」と尋ねたところ「そう、それ!」と返ってきた。こんなときにチェコのカフェでポルトガル菓子に出逢うとはなんとも奇遇だった。
今日は、美容院に置いてあるそう多くはない日本語雑誌の中に『madame FIGARO japon』のポルトガルを紹介した号を見つけた。さらに、美容師さんもちょうど来月ポルトガルへ旅をする予定だと聞いた。偶然の一致に驚き、話が弾んだ。
2014年の旅でお世話になったポルトガル在住の友人と話をしながら、あの旅の前にフェルナンド・ペソアが夢に現れたことを思い出した。彼は、眠りに落ちるか落ちないかのあわいに現れ、わたしに何かを託していった。「これを書かねば」という強い衝動が沸き起こったが、結局わたしはそのまま眠りに落ちた。その後に見たのは海に浮かぶ船の夢だった。
あの時わたしはペソアから何を受け取ったのだろう。ペソアの足跡と彼が見ただろう風景を追って、ふたたびリスボンの街を歩いてみたい。そしてまたあの海を眺めたい。