何が怖いのか、怖いとはどういうことか
昨夜、Vもさくらも眠った後、照明を落とした部屋で黒曜石の鏡の中に現れる煙や渦や幾何学模様を眺めていた。その後、ドロレス・キャノンの書籍を探しながら(自分が彼女の著書を読みたくなるとは思いもいなかった)、彼女のインタビュー動画を観ていた。そうするうちに、右斜め後あたり、しんとしたほの暗い部屋の窓際に何かがいるような気がして、途端に怖くなった。
そこでふと、何が怖いのかを考えた。何かが現れたら怖いというのは、現れる「何か」が怖いというよりも、予想できないもの・見たことのないものに遭遇すると自分の中にある既存の価値観や思いこみが壊れるかもしれないから怖いのだ。現在ある状態を守ろうとすればするほど、それを壊すような何かに対して恐怖を感じる。
しかし、わたしが取り組んでいるのは、肉の目すなわち日常生活で使っている視覚では見えないものを見るための訓練なのだから、見たことのないものに遭遇するのを怖がっていてどうするんだ、と笑ってしまった。
恐怖というのは、今の状態を守ろうとして、危機がくるときに感じるもので、ということは視界が違う世界を見ようとする時に、その前触れとして、何か怖いものを見るような印象が強くなります。
なので、視界が自由になりそうな人は、だいたいいつも何か怖いものを感じ取るようになるのかもしれません。