猫の嫌がらせ


健康な猫の歯茎はピンク色だ。
家のお猫は
一部黒いところがある。
「これは柄だ」と
思いこんでいたが、
悪い病気ではないか?
急に心配になった。
昨日帰宅後、
嫌がるお猫をキャリーに詰め込むと
自転車の後ろに乗せて、
かかりつけのクリニックに走った。

結局
「これは色素だから、だいじょうぶ。」
と言われ、力が抜けた。

帰宅後、
お猫の様子がいつもと違う。
ずっとうろうろと歩き回る。
疑っている。
アタシら二人を見る眼差しも
不審者に向けるそれだ。

そりゃそうだろう。
人間にたとえたなら、
信じていた人に、いきなり
拘束されて、袋に詰め込まれ
軽トラックに乗せられて
知らないところに連れ込まれ
断りもなく知らない人に
触られたかと思ったら
いつのまにか
帰宅していたことになる。

きっとアタシたちのことを
( おかあたんとおねいたんの
皮を被った宇宙人 )
と、でも思ったに違いない。

昨夜は一晩中起きていて、
流し台の下に潜り込み、
にゃーにゃー鳴いていたかと
思えば
クローゼットの折れ戸を
がたがたがたがたがたがたがた
いわせたりした。

不当に扱われたと思ったのだろう。
「ぜったい嫌がらせだよね。」

猫は知能が高く
愛情深く、
空気も読む。

元夫と言い争いしたとき、
すごい剣幕で食って掛かったことがある。
「おかあたんをいじめるな!」
と言っているようだ。

娘と楽しそうに話していると
「俺様も仲間に入れろ。」
って感じで、
にゃーにゃー寄ってくる。
冷蔵庫の野菜室の扉で
しっぽを挟みそうになったとき
挟む前から、怒る。
「まだ、挟んでないって!」

普段、知らんふりなのに、
体調崩したときは
必ず添い寝をしてくれる。

結局、猫のお口は
歯石が溜っていて心配なので
歯石取りの予約をして帰宅した。
嫌がるお猫を連れだすのは
ストレスだけど、
お猫には、
長生きしてほしいのよね。
ちなみに、14歳。
人間でいえば、
もうおじいさんだけど、
いつまでたっても赤ちゃん気分が、抜けない。




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