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子月生まれの人の命式〈中村倫也さん・俵万智さん〉
四柱推命で、子月に生まれた人に必要な天干と地支を紹介します。
子の蔵干を見てみると…
壬と癸があります。
子月は、新しい生命(木・金)をお腹(壬・癸)に宿したような状態の空間です。
子は育てることを得意とします。
お母さんのお腹の中に満たされた羊水。それが子です。
子という空間は冬から春に向けて、新しい生命体(金→木)を出産しようとします。
癸水には、万物を生み出すための発散活動を促す役割があります。
そのため、子は「壬」より「癸」の割合が多いです。
壬→陰気・凝縮活動・暗い
癸→陽気・拡散活動・明るい
陰から陽への転換点で、壬(陰)は途中から癸(陽)に変わります。
子月生まれの方は木または金を命式中に持っていることが良い命式になります。
金は庚や申ではなく、辛と酉になります。(庚子も可)
木は甲、寅、卯。
金があると・・・子の存在価値が高くなる
木があると・・・金にとっての未来がある(金は木に変化する)
子月生まれで丙・丁・巳・午・未・戌・寅を持っている方はかなりの財産を築くと思います。
(子から見た財星)
子月はかなり寒いので、暖かさを必要とします。
↓暖かさを確保できます。
〈戊癸干合〉
子巳暗合
子辰
子戌
子寅
子申
↓だと暖を取る程度でしょうか。
〈丁壬干合〉
子午暗合
子未
子月生まれの著名人の方を紹介します。
中村倫也さんの命式
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中村さんは壬日干の方です。
子月に必要な寅木を二つ持っています。寅は壬により成長します。
中村さんの位置、月支子は年支の寅と日支の寅に挟まれています。
親族の方も配偶者の方も中村さんにとっての育てる役目ができる大切な存在だとわかります。
子と寅は暗合(戊癸干合)があるので、中村さんはどちらにも奉仕する方だと思います。繋がりはとても強いです。
日支(パートナー)寅木は壬からの厚い援助を受けてすくすく育っています。
年柱丙は庚に光を当てて大きく育てようとしています。
日柱壬と年柱丙は冲の関係になるので、中村さんご自身は内面に強い葛藤を抱えているかもしれません。
また庚は丙から剋されている状態でもあるので、乙・卯が必要です。
月柱にある庚子とは、子の水気で庚から木の芽を出す動きをします。
つまり、中村さんの庚は、木としての働きをすることになると考えられます。
庚(社会)という木を育てている壬(中村さん)は、
壬が庚の木に自分の意志を伝達させているので、俳優の活動をしているということだと思います。
そして、その庚は丙によって大きく育てられているため、中村さんはここまで有名になったとも考えられます。
この庚が「乙」や「卯」の空間に出会うと、庚は木に変化して、実を作るための基盤の役目を果たします。
中村さんは精神主義者で、物質的な商売事業とはほとんど無縁な方です。
大運は順行。子月の順行の方は癸のように生きます。
大運は幼少期から順に辛丑、壬寅、癸卯、甲辰…と子月に必要な金と木が来ています。
しかも冬から春の季節が長いです。子・寅の地支と大運の季節の相性が良いです。子どもの頃からかなり恵まれた方だとわかります。
ただ、辛丑大運は真っ暗闇で極寒なので辛い経験が多かったかもしれません。
順行なので、まず自分の生まれ持った才能で活動しようと考えられる方です。
大運癸卯の時に大ブレイクされました。ちょうど丙庚癸組合ができた時です。
丙から剋されている庚が剋せる卯が来ました。(丙→庚→乙)
この時月柱庚が卯と出会ったため、庚が木に変化して実を作るための基盤となっていました。
卯は年柱丙と出会ったため、花が咲いたとも考えられます。
現在、甲辰大運。
子辰暗合(戊-癸)で火気を作ることができます。
年運癸卯、月運乙卯が来た時に水卜麻美さんとご結婚されました。
卯は丙によって花が咲いています。
ちょうど月柱庚と干合もしています。寅卯辰の方合も出来ていました。
大運の甲は月柱庚に剋されています。甲は己を剋す必要があります。
(庚→甲→己)
配偶者の水卜麻美さんの命式と比較すると面白いことが発見できます。
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水卜麻美さんは日柱己丑。月支辰。
月柱甲は日柱に己があるので基盤があり安定しています。
辰月で木の勢力が強いため、甲己干合で木になります。
甲という社会に己という自分が育つ居場所を作ってあげているということで、
水卜さんが社会を支え育てあげる人ということになると思います。
引っ張りだこになるくらい仕事がたくさんある多忙な人、ということですね。
丁卯は丁が卯の枝を調節する働きをします。公職関係に縁あり。文化人的な性質があると思います。
隣に甲があり、丁が甲に自分の意志を伝達させます。
公の場で声を発する活動が該当すると思います。
年支卯は月支辰に居場所を持っています。親族の方とのご縁は強いと思います。
配偶者の位置日支に丑があり、丑と辰は暗合があり戊癸干合します。
辰は丑から助けられますのでパートナーの方や社会で接する人々から援助を受けられると考えられます。
水卜さんがいつもご飯を食べているシーンの印象が強いのはそういった理由かもしれません。みんなのアイドルのような、愛され気質の方のような印象もあります。
年柱の通変星が偏印なので、元々がお姫様気質な部分はあるかもしれません。
水卜さんとパートナーの方で内部で何かを育てるということが考えられます。
表で見えないところで交際してじっくり仲を育むことができたのはこの暗合があるからかもしれません。
中村さんも同じく日支と月支が暗合していましたね。似たような命式構造をお持ちなのが面白いです。
大運は乙巳、丙午、丁未…と、かなり明るく真夏の季節が来ています。
巳、丙が来たので年支卯は花が咲きました。
辰巳暗合で戊癸干合。火気を作ります。
〈辰未刑〉辰は未と出会い辰の中の乙の成長が抑制・調整されました。
また、夏の大運が来たおかげで日支の丑は明るく輝きました。
丑は、丙の他に刑や冲でもって開かないといけないです。丑の中にある種子辛が凍ったままで使えないからです。
地支で考えると巳、午、未、戌です。
これで対外運・異性運の上昇です。
中村さんは辰・水卜さんは未という土(墓庫)の大運に入ったので、常に前進する人生から、結婚という選択を取って落ち着くようになったと思います。
月支と日支の関係から、
中村さんはパートナーを援助する、水卜さんはパートナーから援助される
ということがわかります。
水卜さんは日柱己丑の方です。
中村さんの大運に来ている甲が安定できる基盤を水卜さんが持っています。
干合するので、一緒に木を育てるということで結婚という意味にも取れます。
そして中村さんの大運甲は月柱庚から剋されているので、水卜さんの日柱己は守護神のような存在です。(甲は己を剋す)
中村さんが水卜さんとご結婚されたのは、己土を持っている方で一緒にいてとても安心できるから、ということが考えられます。
水卜さんのおかげで中村さんの居場所ができたとも考えられます。中村さんは己土を持っている方が好きでしょう。
お二人を重ね合わせると寅卯辰の方合、子丑支合ができます。
中村さんは水卜さんによって価値が高くなり未来を見出せる希望ある関係性になると考えられます。
水卜さんは辰月生まれで、水気が欲しくてたまらない命式です。特に壬。
そんな時に水気の強い命式を持った中村さんが現れた…
中村さんは己土が欲しい。そんな時に水卜さんが現れた…
素晴らしい相性だとわかります。
俵万智さんの命式
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俵さんは日柱癸卯。
天干には壬・癸があります。さらに、寅・卯の木を持っています。
この寅と卯はすくすく育ちます。
俵さんの月支子は年支寅と日支の卯を育てていて役目がきちんとあります。
年支寅と月支子は暗合(戊癸)します。親族の方との繋がりが強いと思います。
壬寅・癸卯はともに教育の意味があります。
俵さんは歌人になる前に高校教師として働いていました。
水と木が強い方は精神世界を好みます。水は知性を意味します。
壬寅は静かで厳かなイメージがありますが、癸卯は活発で何でもできる器用なイメージがあります。
癸卯は資質を伸ばす干支なので、技芸の意味の方が強いです。
癸卯に欲しいのは丙と巳です。なければ、あまり発展できません。
俵さんの時柱が気になるところですが、推測としては丙辰・丁巳のどちらかではないかなと思いました。
お喋りな方で歌人ということは、時柱に丙か巳があると思います。
俵さんの有名さと活躍ぶりからして、日柱癸卯は花が咲いていると感じます。暗さがないので丙辰の方かなと考えます。
あとは金があれば完璧な命式になります。
大運は逆行運で順に辛亥、庚戌、己酉…と巡ります。
これで運勢に若年期から辛、戌、酉が来ていました。
子月の大運逆行の方は壬のような生き方をします。
俵さんはこの命式で子月の逆行大運なので、まず初めに学習や研究に人生を費やす方だとわかります。
俵さんの四柱命式だけで見るとこう考えられます。
年柱壬寅・・・教師
月柱壬子・・・フリーランス
日柱癸卯・・・歌人。子どもに熱心になる、子煩悩
庚戌大運。
1987年5月8日に初版が発行された「サラダ記念日」で大ベストセラーとなりました。
この時地支にある卯と大運戌は支合、庚と卯は干合しています。
戌大運中で庚と卯の干合は、後世に残る価値ある作品を生み出したと考えられます。
子と戌は暗合(戊癸干合)。子月にとっての暖かさを確保できます。
卯戌支合とは、戌という枯れ木(老いた男性)に卯(若い女性)がかぶさって、辛という種子を保護する役割をします。(卯が戌と合体する)
戌と卯の合体は火気を作り出します。
それで"生きること・肉体的・物質"という意味があります。女性的で受容的です。
「サラダ記念日」は日常の中での恋愛にまつわる詩だと思いますが、卯戌支合でそれをテーマにした詩を作り出したと考えられます。
女性視点の作品なのは卯戌支合そのものですね。
「サラダ」という食べ物をテーマにしていることも興味深いです。
日柱癸卯は瑞々しい野菜のようなイメージがあります。
↑の俵さんのツイート日、2020年7月6日も、庚子年・壬午月・庚戌日です。
俵さんは時柱に丙辰がありそうですね。
「サラダ記念日」初版発行日の命式がこちら。
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戌大運中で卯戌支合。子と巳も暗合。戊癸干合で火気を作ります。
乙・卯は巳と出会い花が咲いています。花が満開の情景です。
大運の庚は丁によってとても綺麗で品格の高い庚になっていました。
壬を持っているので洗練されているとも考えられます。
また推測ですが、庚が時柱丙により大きな実として育つことができたのではないかと思います。
この大きくなった庚が卯と干合したので非常に価値が高い作品になりました。
イメージで言うときらきら輝く宝石のような作品でしょう。
庚戌大運によって俵万智さんの「サラダ記念日」は後世に残る価値の高い作品となりました。
読んでいただきありがとうございます。