夏嫌いのわたしが夏を好きになった日
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クロサキナオ
2024/07/29 09:00
note
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夏嫌いのわたしが夏を好きになった日
暑い。
とにかく蒸し暑い。
古い畳の匂いと咽こけるような夏の匂いがとにかく嫌いだった。
そう、あの日までは。
その日はやっぱり暑くて、首振り扇風機で暑さをしのぎながら兄弟は外に遊びに行って家に一人。
記憶の中のその日に母は家にいなかった。
わたしは宿題もとっとと済ませ何をしようかと頭を悩ませていた。
山が嫌い。
川も嫌い。
海なんて絶対に行きたくない。
そんな引きこもりを小学生の夏休みから極めていたわたしは一冊の本の存在を思い出した。
思い返せばわたしが初めて表紙買いならぬ、小学生なので表紙借りした本がある。
‘はてしない物語’
あの本の装丁を見たときに、これだ!と感じたのだ。
本との出会いは人と人とのご縁のようなものであり、恋人探しに似ていると散々言っているが、それはわたしのハジメテがこの本だったお陰かもしれない。
最初は首振りで兄弟と分けていたぬるい風も、兄弟が出掛けてしまえば独り占めできる。
悪くない環境だ。
額から頬を伝い、顎から膝上に落ちる汗も気にならない程にわたしは一日中その本に熱中した。
今のように水分補給をうるさく言われなかった時代だから出来たことだろうと思う。
外ではミンミンだかジワジワだか分からない蝉の声が確かにしているし、オーラーイといった声やファイっオーなどの運動部の練習する声も確かに聞こえた。
どこからともなく、吹奏楽部のフルートとクラリネットの音がしたのも覚えている。
そうして尻に根が生えたかのように動かないわたしを見て、母は図書館を勧めてくれた。
本来なら図書館で借りてその場で読んでもいいものを、わたしは引きこもりだ。
どうせ出てもすぐに帰宅する。
案の定、家から追い出したかった母の目論見は失敗することとなるが、わたしはそこから本を読むことで丸々夏休みを過ごした。
確かに暑いからアイスが欲しい云々と文句を言ったのはあるだろうが、それでも日がな一日中家に居て静かにしているのは親としては有り難かったと思いたい。
少なくとも今のわたしが子どもが家に居ても静かにさえしててくれればそれでいい。
わたしの親なのできっと同じような考えを持っていることだろう。
話は過去に戻り、今は疎遠になってしまっている幼馴染が稀に遊びに誘うこともあった。
その時は蝉とりということで外に出て蝉の合コンの手伝いに勤しんだ。
交尾というものと目の前で行われている虫のソレが合致せず、幼馴染と共に雄メス気にせず虫籠に大量に放り込んだ。
結果、くっついた大量の蝉たちはキャッチアンドリリースのごとく外に戻され無事に繁殖していったわけである。
ゆえに今も蝉が鳴いているのは一部は自分のせいなので蝉の声に反論することができない。
こうして夏嫌いだったわたしにとって、夏休みは心から読書を楽しめる期間になった。
小学生の頃のこの体験があるからこそ今も読書が好きで居られるんだろうと思う。
この夏、せめて4冊は読了したいところだが今はまだ二冊目の途中。
合間に新書を挟むべきか。。。
基本的にわたしにとっての読書はミステリーなどの小説をメインとしているので新書は換算しない。
が、背に腹はかえられぬ。
本屋へ行って、本を買ってこよう。
この夏も新しい旅に出ることを楽しもう。