最後の手紙

 極めて酔っ払っている。
もちろん、酒に決まってる。
当たり前じゃないか。
わたしなんだから。

 これで最後にしよう。
人間として、最後に自分に宛てたものとして。

 わたしはいま酔っている。
そして限界を突き抜けた。
それはいい。
どうでもいい。

 もう、そろそろ、人間として終わる日が近づいている。
いま、どちらかの縁を切らなければならない岐路に立っているところだ。
 
 すべてを断ち切りたい。
そして、解き放たれた楽園へ行きたい。

 でも、絶対に切りたくない縁のどちらかを切ってしか進む道がないみたいだ。
そして、そのどちらとも離れられる新しい道は作れそうにないようだ。
 
 生きたまま、どうにかなったふりして、でも、どうにかならないといけないみたいだ。
 自分ひとりで生きることができないことが辛い。
それしかない。

 誰かに頼りきることがない人生をいきたかった。
人として、自分の選ぶ先を決めたかった。

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