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ダビデと語らう

私はその日、いつになく真剣な面持ちでtwitterの画面を眺めていた。

そうか。

ダビデ像って、そうなんだ。

そうかそうか。

内心ホッとしたような気持ちと、何とも言えない仲間意識が、私の胸に去来したのだ。

ダビデ像のモデルは、古代イスラエルの王様(3000年程前)で、旧約聖書に登場する人物。


Wikipediaによるとダビデ像は、「ピエタと並ぶミケランジェロの代表作であるばかりでなく、ルネサンス期を通じて最も卓越した作品の一つである。人間の力強さや美しさの象徴ともみなされる作品であり、芸術の歴史における最も有名な作品のひとつと言える。」とのことだったが、私にとってダビデ像は、そんなありきたりな美辞麗句で安易に解釈できるものではなくなってしまったのだ。

その日私は、旧知の友と再会したような言い知れぬ喜びが五体を貫くのを感じたのだ。


ルネサンスとは「再生」を意味する

「再生」と言えば、「THE NEW COOL NOTER」の創刊号が思い起こされる。

人の歴史は、どうして何度も繰り返されるのだろうか。

かつて西洋諸国で起こった歴史的な文化の復興運動が、現代日本でも起こっているというのだろうか。

没個性・失われていく多様性を憂う人々が小さな声を上げ、やがてそれが、大きな波を起こす。

歴史の転換期には、そんなことが繰り返されていくのが歴史の必然なのだろう。

だが、視点を変え、ひとたび自身の生命に目を向ければ、人間の細胞もまた日々新陳代謝を繰り返しているのだ。


時代は今また、大きく変貌していく。

私もまた、変化を恐れず、時代の要請に応戦するために、心身共に「再生」を繰り返していきたいと誓った。


ダビデ像のまなざし

ダビデ像は、「ルネサンスならではの表現として、瞳が割礼器具のようにハート型に象られている」(wikipedia)

少しだけ割礼の歴史を紐解く。

「割礼の風習が無い地域にもキリスト教が伝わったが、割礼の風習がない「異邦人」(=ローマ人、ギリシア人など)が改宗した場合に割礼を行うかどうかが大きな問題になった。異邦人への文化適合を重視するアンティオキア教会と、律法(=旧約聖書)の厳格な遵守を重視するエルサレム教会が論争を行った。」(wikipedia)

なるほど。要は、宗教習俗上の形式として、包茎手術を強制するかしないかで揉めたという事か。

この滑稽な史実は、2000年前の人類が揉めていた事と、現代人の揉め事には大差ないことを示唆している。(そしてコンプレックスもまた然り。)

ちなみに、ダビデ像はムケていない。(日本人男性大多数の味方だ。)

一説によると、産みの親である作者ミケランジェロは、「古代ギリシアの美学的理想を模倣するうえで、陰茎に割礼の跡を残しては台無しになると考えたため意図的に包皮を残したのだというものがある。」(wikipedia)

これに対し、うるせえ奴らが「このダビデ像のチ〇ポはムケていない。だからこれは、旧約聖書に基づいていないからナンセンスだ!偽物だ!こいつはダビデ王じゃないだっちゃ!」とか難癖をつけたらしい。



そんなもの、どっちでもよかろうに。

┐(´д`)┌ヤレヤレ

アンチは湧く。いつの時代も、そこに群れる人あらば。

人類はいつも、「あるべき論」で揉めているのだ。

そんな滑稽な人々の営みを、ダビデがその5メートルを超える巨体から憂鬱なまなざしで見下ろしていると思えてならない。


現代日本でダビデ像はこんな扱いを受けている

私はその日、神聖(真正??)なるダビデ像を弄ぶ、二人の堕天使と出会った。


始まりは、なんてことのない綺麗なtweetだったハズなのだ。

「ネクラちゃん@湿地帯」なるネームには、さして感じるものはなかったが、アイコンの画が結構いい感じの雰囲気を醸しているなと。

tweet内容は、至って普通。


ところが、そこにもう一人が爆薬を仕掛けたのだ!

自ら「荒らしに来た」とか、なんて破滅的思想の持ち主だろうか。

懐かしの「ノッポさん」が、本当はとーってもいい感じのことを言ってるんだが、文末がどうもおかしい。

「短小✕ポッキーで絞ったら」とか、おじさん、ちょっとびっくりしちゃったからね。

あんまりにもびっくりしちゃったから、ググったよ。

私は疑り深くて執念深く、そしてねちっこい男なのだよ。

いや、あの、それぞれググったが、ノッポさん出て来んよ???

ノッポさん、なんちゅう使われ方したんよ?

一体どういうことよ???


戸惑う私を後目に、ネクラが火を噴く。

「誰wwww」て!君はノッポさん知らんのかい???

(;゚Д゚)(;゚Д゚)(;゚Д゚)


世代間ギャップが肺腑をえぐる。

ぉぉぉぉぉおおおおおおおい!

知らんのかい!?

じゃあしょうがないか・・・

┐(´∀`)┌ヤレヤレ

って、ちょっと待って!!

これはあの有名なダビデ像だが・・・

ええっと・・・・・・・

こらぁ!!!(# ゚Д゚)(# ゚Д゚)(# ゚Д゚)

神聖なるダビデ像をなんてことしてくれとんじゃ~。

こっちもググったが、ダビデ出て来んわ!

「googleも失礼なものですね。」とか。

悪い子だわぁ~。

google先輩泣いてるぞ!!ほら!

「当社のアルゴリズムはそのような奥深くて濃密な検索結果には届かなかったため、貴女を満足させられず申し訳ございません。」


まあね、これも、「ルネサンス」といえば、「ルネサンス」さね。

革命だよ。

※このリンク先は、過激な卑猥表現が列挙されているので閲覧注意!!

ほじくり返せば、出るわ出るわ。

『文化的』で、『芸術的』な掛け合いの数々。

息ピッタリなおふたり。

これは、ちょっとだけ長く生きているおっさんが、「違うよ。」と優しく教えてあげないと、この子たち大変なことになっちゃうと老婆心がでちゃいまして、お節介にも、一言お返事を差し上げました。

男の本気を見てびっくりちゃったら大変大変。

やはりお若い方に、正しい知識をお伝えするのも大切なことですね。

ダビデは短小な訳じゃなくて、あれは先端に血液が溜まってない状態なんだよと。

ダビデは立ってるけど、勃ってないというわけさね。


別にディスってる訳じゃないのに、おっさん過剰反応し過ぎですよ

そんな私に、ネクラ氏から「しかし昔は短小の方が崇高だったという説もあります( ̄▽ ̄)」との伝言とネットのURLが届く。

また、「巨根は暴力ですな~( *´艸`)」と。

ありがとう。

ネクラ氏、どうも、ありがとう。

日本男児の下半身・・・じゃなくて過半数を代表して、御礼申し上げます。


ですが、私は更にとんでもないことに気付いてしまったのです。


「あれ!もしかしてダビデ、被ってる???

なんで???

ど・う・し・てぇ~????

無駄にソッチ系のウンチク大好きな私の脳が、フル回転する。

おかしい。アッチの文化的に、それに時代的にも、アソコは割礼で「ひとつウエノ男」になってるハズ。

なぜだ。なぜなんだ。ダビデ像よ。

時には私と同じように、産みの親を憎んだこともあったろうに。

どうして物心つくまえに、ちゃんとムイといてくれなかったのかと。


ミケランジェロよ、教えてくれ。

かくして私は、冒頭部にて述べたとおり、この心境へと至ったのだ。

内心ホッとしたような気持ちと、何とも言えない仲間意識が、私の胸に去来したのだ。

ダビデよ。ありがとう。

そして、そんなダビデの哀しみと出会わせてくれたネクラ氏鯖.氏に深謝しつつ、筆を降ろす・・・じゃなくて、筆を置く。


ネクラちゃん、鯖.さん、勝手に引用すんません💦💦


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