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100km歩いても人生は変わらないけど自信はつく

2024年10月12日・13日といえば!そう!行橋~別府100キロウォーク!
人生初の100キロウォークでしたが無事完歩!

しかも20時間切り!次からは白ゼッケン!

行橋~別府100キロウォークとは?

なに、そんな気持ちで100キロに…
 あまいよ、やめときな!
足をひきずり、這いつくばる、
 それから格闘が始まるんだ。
  闘えるかい、そんな覚悟で、
そして、そんな時でも決まり事を
 守れるかどうかが試されるんだ。
  持てるかい、その気概を!

行橋~別府100キロウォーク公式サイトより

行橋から別府までの100kmの道のりを26時間の制限時間内に歩ききること。
もちろん、細かいルールは色々あるけど、基本はこれにつきる。

道中、エイドがあったり、チェックポイントがあったり、峠を超えてみたり。
深夜に眠くなって、道の途中に転がってみたり、歩きながらウトウトしたり。
コンビニで買食いしてみたり。

行橋~別府100キロウォークはまさに「こころの遠足」ってわけだ。


4000人も歩きたい仲間がいる幸せ

世の中ランニングが趣味の人は多いし、マラソン大会に出る人は多いけど、趣味ウォーキングで100キロウォークに出る人ってほとんどいないわけですよ。

走るのは大嫌いだけど、歩くのは結構好きで、今回100キロウォークにも出たわけだけど、本当周りからは理解してもらえない。

でも、この大会には4000人も自分と同じ考えの人がいる。
それだけで、自分って一人じゃなかったんだって感じられて嬉しかった。

欲をいえば、ウォーキング仲間ができるかななんて思ってたけど、一人でもくもくと歩いてゴールしてしまった…
どこに行けばウォーキング仲間はできるんだ…


これがみんな100km歩こうとしてる人なんだからすごい

応援の力って馬鹿にならない

よくスポーツ選手が「皆さんの応援の声が力になりました」とか言ってるじゃん。
運動経験0の私からするとありえないって思ってたのよ。
何が応援の力だって。

でも、実際に見知らぬ人から頑張ってって言われると頑張っちゃおうかなって思うもんだね。

沿道を走ってる車の中から知らない子どもが頑張れって叫んでくれるんだよ。
それだけで、近く歩いてる人がみんなニコッとする。

深夜でも沿道の近くに住んでる方が応援に出てくれてたりする。
第二CPの宇佐の近くではおばあちゃんがお菓子出して応援してくれていたのよ。
そこでおばあちゃんにもらったかりんとうが美味しいこと、美味しいこと。

宇佐のCP直前とか死にそうなポイントの一つ。
そこで頑張ってって言われて、かりんとう食べさせてもらったら。
そのおかげでなんとか乗り切れたようなもの。

星が死ぬほどきれい

降るような星、というよりも、こちらが空に落ちていって、星の中に溺れていまいそうな眺めだった。
空で溺れている三人が、身体についた星を手で振り払っているところを想像した。

恩田陸『夜のピクニック』

みなさん『夜のピクニック』はご存知でしょうか。
ざっくりというと、高校生が学校行事で夜通し歩くっていう話。

そこで出てくる主人公たちが夜空を見て言う言葉なんだけど、本当にこの通りだった。

真っ暗な峠道を歩きながら見上げた夜空は圧巻。
今回は天気も良かったし、見たことないくらい星が綺麗だった。

しかも、夜通し外にいるから星の動きまで感じられる。
オリオン座の動きで時間経過を感じるという体験、なかなか味わえないよね。

痛み止めはためらっても意味ないけど、万能ではない

高校の保健の先生のありがたいお言葉の一つ、「痛み止めは痛くなる前に飲む」
これ自体は生理痛に対する教えなんだけど、100キロウォークでは結構重要なお言葉だと思う。

第一CPの中津ですでに股関節がちょっと痛かったから、ためらわずにロキソニン投入。
ロキソニンってやっぱりすごくって、飲むと痛みがなくなるのよ。

これのおかげでこの先も速度落とさずに歩けたと思う。

ただ、どこかで限界超えると全く効かなくなるんだろうね。
赤松峠の途中で痛み止めの限界を超えてきたのよ。

足の激痛で、暗闇の中で泣きながら座り込んで、ロキソニン追加。
それで右足は痛くなくなるんだけど、なぜか左足だけ痛みが消えなくって。
最後まで左足は痛かったし、なんなら翌日も左足だけ痛みが消えない…

最後の5kmが地獄

最後の5kmは1kmおきに看板が立ってるのよ。
残り5kmって100kmから考えれば0みたいなものだから終わったようなはずなのに、ここからが本当にきつかった。

この時間帯になれば自分が出せる限界の速度がわかるから、後何分でゴールかも簡単に計算できちゃう。

私は残り3kmの看板で心が折れて、足が止まった。
だって、今歩ける速度の限界だと、30分くらいはかかるってことだったから。

道端で立ち止まって泣いたよね。
ただ、立ち止まってもゴールまでの時間が伸びるだけだから、動き出すしかないんだけど。

周りのひとのこと気にする余裕なんてなかったから、もう無理、足痛いってぶつくさつぶやきながら最後は歩いてた。

本当、死ぬかと思った。


全然綺麗に撮れてないけど別府にたどり着いた感動の1枚

休んでもいいけど、止まるぶんだけきつくなる

100キロウォークは26時間以内にゴールすればいいだけだから、立ち止まっても、休んでも、なんなら仮眠したっていい。

でも、怖いのが、休んだ分だけその後にきつくなるところ。

休憩すればするだけ、身体が固まってあるき出したときに痛くなる。
休憩したし、頑張ろうって思うんだけど、休憩前よりきつくなってるんだもん。

これ罠としか思えない。

しかも、休憩すると、ゴールまでにかかる時間も増える。
要するに、きつい時間も増える。

休んだっていい。ペース落としたっていい。
でも今歩ける最速であるき続けるのが結局は一番楽。
だから気合い入れて進むしいかない。

100キロ歩いても人生は変わらないけど、自信はつく

正直、歩く前は100キロ歩くと何か自分の中に変化があるのかなとか思ってたのよ。
仕事のことでいろいろ悩んでるけど、100キロ進めば何か変わるかなって。

でも全くそんなことはなかった。
今はただ明日会社行きたくないとしか思ってない。

でも、自分に自信はついた。
だって、この先仕事で何言われても、何で怒られても、嫌な人に出会っても、でも私100キロ歩いたことあるんだから私のほうが強いに決まってるって思えるんだから。

物理的に明日出勤できるのかわからないくらい身体はボロボロだけど、また明日からもやれることをやるしかない。
それが100キロウォークで学んだことだし。

途中泣きながら歩いたくらいきつかったのに、結局来年も出ちゃうんだろうな。
きっとこれが100キロウォークの魅力なんだな。


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