ハープパートより「あと13日」
こんにちは!北大オケハープパートです。
多くの方にとってハープといえば優雅にぽろぽろとかわいらしい音色を奏でる楽器、というイメージがあると思いますが、実際はどのような楽器でどのように演奏しているのか、簡単に紹介していきます。
ハープにはいくつか種類がありますが、オーケストラで使われるのはグランドハープ(ダブル・アクションペダル・ハープ)と呼ばれるものです。47本の弦が張られており、これを指ではじくことで音を出します。音域としては6オクターブ半と、ピアノとほぼ同じ幅広い音域を奏でることができます。
またドレミファソラシの各音に対応したペダルがあり、このペダルを上げ下げすることで各音の調号を変えることができます。あらかじめ演奏する曲の調にペダルを合わせておくのですが、臨時記号が出てきた時はその都度ペダルを操作して調号を変えなければなりません。そのため曲によっては指よりも足の操作が忙しい、ということもあります。
一見優雅そうにみえるハープですが、実は全身を使って演奏するとてもダイナミックな楽器なのです。
オーケストラにおけるハープは、主に和音や旋律の伴奏を担当したり、アルペジオやグリッサンドで曲を華やかにしたりする役割を担っています。派手なソロをもらえることもあり、オーケストラの中では多岐にわたって活躍しています。
ハープは柔らかく幻想的な音色が魅力的ですが、その優しい音色がゆえに他の楽器にかき消されてしまって全然聴こえないということがよくあります。しかしよく耳を澄ませば曲の随所で確かにハープの響きが聴こえてきます。このハープの響きがあるとないとでは、曲の雰囲気は全く違うものになります。ハープは音量ではあまりインパクトを残せませんが、曲の雰囲気を左右するという点で大きな影響力をもっている楽器です。
ハープパートのパート員は皆、自分の本業とする楽器(チェロ、ヴァイオリンなど)と兼任する形でハープを担当しています。自分の楽器とハープと2つの楽器を練習しなければいけないのでなかなか大変ですが、よりよい演奏会にするべく一生懸命練習に励んでいます!
今回の定期演奏会ではドヴォルザーク/序曲「謝肉祭」と、川越守/管弦楽のための舞曲第5番「豊平川鮭遡上に寄せて」の2曲にハープが登場します。それぞれの曲のハープ奏者から、曲のみどころを紹介したいと思います。
ドヴォルザーク / 序曲「謝肉祭」
この曲でハープが登場する部分はとても短いものの、一気にオーケストラの雰囲気を変える重要な旋律を奏でます。
イ長調の明るい活気あふれるリズムで始まり、お祭りを感じる賑やかなメロディーが続くこの曲ですが、ハープと木管のアルペジオが途端におどろおどろしい雰囲気の世界に引き込みます。続いてバイオリンの音をかき分けるように登場するハープのアルペジオは、暗い道を抜けト長調の透き通った世界につなぎます。
澄んだ空気の森の中にいるようにフルートとバイオリンソロが歌った後、ハープとタンバリンの音色が加わることで森の中の生き物たちが遊んでいるような情景が見えてきます。
大胆で美しく緊張感がある楽譜ですが、皆さんにハープの魅力が伝わる演奏になるように残りの練習に励みたいと思います!
川越守 / 管弦楽のための舞曲第5番「豊平川鮭遡上に寄せて」
この曲の旋律が激しく移り変わりそしてテンポが度重なって変化する曲調はまさに故郷の川から旅立って大海原を回遊し、そして故郷の川に戻ってくる鮭の様子を表しているといえるでしょう。管楽器とコントラバスによる暗く力強い旋律の後に弦楽器の細かくも芯のあるメロディーが続きます。そしてパーカッションの音色が鮭の生命力を体現するかのようにこの曲を印象付けます。
全体的に力強さを感じる旋律が多いですがたびたび流れるようなハープのメロディーが登場しており、作曲者である川越守のハープの音色への思い入れが垣間見ることが出来ます。
旋律の変化とそれに伴って展開される川越守の世界観をお楽しみください。
ハープはステージ向かって左側、バイオリンの後ろで演奏しています!ぜひ注目してお聴きください!
現在チケット販売中です!
チケットぴあ(Pコード:270-128)
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