日本経済は回転至上主義

日経新聞で「新陳代謝」という言葉が出てきました。「淘汰」=脱落という言葉がダメだからでしょう。でも新陳代謝という言葉も上から物を言っている印象があります。「大勢の中では個人は無力」ということでしょうか?功利主義という言葉が思い浮かんできました。

モーサテで「デフレ脱却」という言葉が出てきました。デフレ脱却という言葉は膨張の反対で収縮ですので、世の中に出回るお金の量が減って、その流れの動きという流動性で収益を上げている企業が迷惑しているのでしょう。裏を返せばそういった企業は単価が低く、価格弾力性として原価の中の費用項目の変動幅が大きく、回転率や回転数、回転が高く、在庫が少なく、損益分岐点が高く、想定顧客の購買力が高くて可処分比率が考慮されておらず、企業として有利子負債などで「燃費」が悪く、スーパーマーケットや飲食店、ヨークベニマルやイトーヨーカドー、コンビニエンスストアや旧ジャスコ(現イオン)が中心なので日本の企業はそういったところと歩みを揃えなければなりません。ただ、「デフレ脱却」と言われる時に限ってインポート商品が人気なんですよね。

ただ、その恩恵として消費者が手頃な価格で商品を手に入れることが出来るのですが。問題は可処分比率なのです。購買であれば税金や保険、経費を差し引いた購買力の中の可処分比率、睡眠であれば通勤や通学、会社や学校にいる時間を差し引いた可処分の時間の比率です。

しかし一方で2024年の正月に石川県で地震がありましたし、2011年の3月には東北太平洋沖で地震がありましたし、2016年から2018年の間に豪雨や洪水の災害がありましたし、熊本県でも地震がありましたし、2004年には新潟県で地震がありましたし、

1995年には兵庫県南部で地震がありましたし、2019年12月から2023年5月の間にコロナウイルスのパンデミックがありましたし、2024年10月の今でも南海トラフ地震とか東海地方の地震のリスクがありますし、

いくらお金を外に出して欲しいと言っても風営法の改正で夜遊びは出来ませんし、青少年保護条例(青少年健全育成条例)の改正で漫画や雑誌の掲載内容が制限されていますし、出国税があるから旅行しづらいし、自由が無くて行き先が温泉、ゴルフ、アルコール飲料くらいにしか無いんですよね。

最近では国連がフードロスだと言って、在庫を少なめに仕入れて、先月よりも早いタイミングで売り切れを目指すようになっていて、すぐ店が閉まってしまうんですよね。自動車は一年に一回収入のチャンスがありますけど、お酒なら購入点数と購入回数に応じて収入のチャンスがありますから、日本の経済や財政が「アルコール依存症」になっています。

それでいて街中には「フィットネスジム」「トレーニングジム」「フィットネスクラブ」「学習塾」しか無くて、散財出来る場所はありません。どれも「教育的見地に照らし合わせて正しいかどうか(=文部科学省の教育方針の要項をいくつ満たしているか)」が全てです。

「時計の店」は「トレーニングの邪魔になる(=真面目にトレーニングしないで時間になったら帰ろうとするようになる)」からありませんし、「ビュッフェレストラン」は「食生活もトレーニングだから」とありませんし、「図書館」「書店」は「間違った知識を取り入れるから」「専門的でない人間が無責任に書いているから」ありません。

結局若い人間の娯楽はフィットネスしか許していないのでしょう。年を取った人間には育成、若くない人間には「陶芸」しか今は許していないのが日本なのかもしれません。ゲームセンターのレーシングゲームですらフィットネスのためでしかありません。

テレビを点ければコマーシャルはペアやグループの人が映してあり、大体は肌の露出が抑えられていて、ウエストの高い長ズボンや首の詰まったニットウェアが中心です。ギャンブルやゲーム、モータースポーツの番組は「依存症があるから」と抑え目です。その割にはアルコール飲料のコマーシャルや競馬の番組が多くなっていますね。若い女性が快活そうにスウェットパーカーとショートパンツを履いて自転車に乗る画もテレビにはありません。これも「脚が不自由な子達がいるから」という配慮でしょう。また、男性が色の鮮やかなスーツでストライプが上下に入っていて、それで歩くという画もありません。これは「スーツの色が決められている業種(=銀行なら白いカッターシャツ、青い背広、青いネクタイ)で働いている人達のため」でしょう。今まで配慮してこなかったツケもあるでしょうし、快活な服装やストライプのスーツも「自慢」が含んでいて「お前にはこんなカッコ無理だろうけどな(笑)」という嫌味を感じさせるような撮り方をしていたからでしょう。

こういった潮流は令和から始まったわけではなく、戦時中の「贅沢は敵だ!」「日本人なら贅沢は出来ない筈だ!」というスローガンがありまして、戦時中からありました。

そういう風に平成の頃には出来ていた「寄り道」や「課外活動」を規制しておきながら、「デフレ脱却」というのは矛盾をはらんでいるようにも思えます。

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