HushTugのFacebook広告データと売上を全公開します《2020/01》
はじめまして。
HushTugのマーケティング責任者の大石です。(@____oishi____)
前回のnoteでは代表の戸田が2019年12月-2020年1月の全体の売上について書きましたが、今回は僕が『Facebook・Instagram広告の全データと売上』そして『具体的な広告運用方法』について書こうと思います。
前半は売上と各データの前月との比較、後半は運用についてとなります。
以前無料で公開したnoteの「マーケティング:SNS広告編」を更に深く、体系的に解説していきますので広告運用を担当されている方は後半だけでもちらっと見て頂けると売上アップに繋がるかもしれません。
1月の広告売上とデータ
まずは1月のFacebook・Instagram広告の売上を見ていきましょう。
実際のFacebook広告のレポートです。
消化金額:¥980,856
購入のコンバージョン値(売上):¥3,721,750
消化金額(広告費)は表示されているものに税がプラスされるので正確には¥1,078,941となります。(以降は税込みの費用を元に解説します)
前回のnoteでも解説した通り、1月の全体売上が¥9,285,365なので約40%がFacebookとInstagramの広告経由で売れていることになります。
昨年12月が全体の30%だったため、全体の売上が伸びつつもSNS広告の割合が増えていることがわかります。これは自社で操作しやすい媒体からの売上が伸びている証拠なので良い傾向です。(アフィリエイト広告等の他媒体に依存しない)
次にCVR・CPAなど各項目が前月からどう推移したのか、施策や時期的な考察と共に見ていきましょう。
こうして比較してみると売上や利益以外は12月のほうが良い項目が多いです。
上記の考察としては、
①12月のクリスマス特需
②キャンペーン設計などを変更した際の変化
③ダイナミック広告の出稿
が総合的に影響した結果のように思います。
①については小売業であれば身を持って体感されている方が多いかと思います。HushTugでも12月20日前後までは自身で見ていても異常に感じるほどにCVRが高くなっていました。
気になる部分は②③だと思いますが、12月の前半から1月にかけてFacebook広告のキャンペーン・広告セットの構造を変更し、更にダイナミック広告を出稿してカゴ落ちを防止するという2つの施策を行いました。
結果として売上や各種の数字は良くなっているのですが、12月の特需による数値の伸びから通常の状態に戻ったというイメージです。
事実クリスマス特需の影響があまり無いであろう11月の数字と比べると
CVR:1.26% → 1.37%
CPA:¥6,144 → ¥5,113
CPC:¥71 → ¥64
ROAS:282% → 344%
とかなり改善していることがわかります。
ちなみに今回広告の収支を公開するとのことでしたので、日別の収支や施策を打ったタイミング、各項目の数字などを下記のスプレッドシートにまとめてみました。
⇒https://docs.google.com/spreadsheets/d/1XJuHKUQVvsGO-6qZLYe9pB62DEPfQmZkG-uC7oJYIx8/edit?usp=sharing
12〜1月に行った施策・広告の運用方法について
…と、まあ収支についてお話をしましたが、
ぶっちゃけそんなものはどうでもいいんです。
これを見ている皆さんとは商品も違えば狙っているユーザー層も違う、ビジネスモデルそのものが違う場合も多いはずです。
CPAやCVRは全く違うでしょうから参考程度にしてください。
ここからはHushTugとは違う商品やビジネスモデルでも、高い確率で売上が伸びるであろう広告運用方法について解説します。
現在HushTugで配信している広告は大きく2つのパターンに分かれます。
・CVユーザーの類似に対しての広告
・ダイナミック広告
たったこの2つで1月は約370万円の売上を作ることができました。
以前からCVユーザーの類似に対しての広告は配信していましたが、11月以降も更に売上が伸びた1つの要因はFacebook広告が提唱している広告手法『POWER5』に基づいて広告を改善したことです。
この『POWER5』はFacebook Japanさんのセミナーで知ったのですが、Facebookが公式に提唱している広告手法にも関わらず日本語で紹介しているサイトがあまり無かったため、知っている方は少ないかもしれません。
(英語版の公式ページ:https://www.facebook.com/business/m/power-five)
HushTugでは既に1-2個できている部分もあったのですが、それでも目に見えて違いが出るほどに改善されました。「まだFacebook広告が全然わからない!」という方や「固有の運用方法しか試していない」という方は、これから解説する内容を試すだけでも十分に結果に現れるはずです。
『POWER5』という名前の通り5つのポイントがあります。
①自動詳細マッチング
②アカウント構造をシンプルに
③キャンペーン予算の最適化
④自動配置
⑤ダイナミック広告
この5つを守って広告運用をすることでパフォーマンスが向上するというものです。ここからは1つずつ解説していきます。
①自動詳細マッチング
詳細マッチングという機能をご存知でしょうか?Facebookピクセルを活用することでページ内で発生したイベントや顧客の識別情報をFacebookが収集し、最適化された広告を出せるというものです。
恐らくFacebook広告を活用している方はFacebookピクセルも既に設置していると思います。詳細マッチングがオフの状態でもピクセル自体は設置可能ですしちゃんと動きますが、詳細マッチングを使うとその精度が更に高くなるということです。
つまりこれが、
こうなる。↓
このようにCVしたユーザーとFacebook利用者とが紐づき照合されることで、更にCVに繋がる可能性のある似た属性を持つユーザー(類似ユーザー)がわかります。
つまり精度が高くなるだけでなくオーディエンスの規模も拡大します。
詳細マッチングは手動と自動がありますが、ほとんどの場合は自動で問題ありません。
試しにイベントマネージャを確認してみると「Purchase(購入)」のイベントは100%受信できているようでした。
ちなみに顧客情報といってもハッシュ化(復元できない暗号化的な)されたものなのでプライバシーがどうとかFacebookにケチつけたらだめです。
やり方はこんな感じ
出典:Facebook for Business
(https://www.facebook.com/business/help/1993001664341800)
②アカウント構造をシンプルに
キャンペーンとか広告セットとかってついつい細かく分けてたくさん作りたくなりません?「分析のために〜」とか思ってると特に細かく分けがちです。
しかし、広告アカウント内の構造は『できるだけシンプル』を心がけてください。
なぜなら『自分で細かく』よりも『機械におまかせ』のほうが効率的に配信してくれて結果的に広告効果が高まるからです。ドラクエでいうと『ガンガンいこうぜ』とか『バッチリがんばれ』がめっちゃ優秀で『めいれいさせろ』より全然強いみたいな感じ。
オーディエンスは広めのものを用意しておいて、あとはFacebook広告のシステムにまかせましょう。
③キャンペーン予算の最適化
これも『ガンガンいこうぜ』理論です。広告セット毎に細かく予算を設定した場合は効果の悪い広告セットにも予算が使われていきます。ドラクエでいうとマドハンドみたいな増えてく系の敵なのに味方は全員バラバラに攻撃してるみたいなもんです。どんどん増えて効率が悪いので超優秀バージョンの『ガンガンいこうぜ』に任せましょう。
これは『広告セット』に予算の設定をしているのが原因なので、『予算の設定をするのはキャンペーンだけ』と覚えておきましょう。
その時に「予算の最適化」をオンにしておくだけで、効果の良い広告セットに予算を振り分けてくれます。
④自動配置
広告セットの設定時に「どこに広告を出すか」を決めるのですが、アカウント構造の時と同じく自分で細かく設定しがちですよね。これも『自動』でおまかせするのが最も良い方法です。
自分で設定する方は
・分析したい
・効果の良い配信面にだけ配信したい
と細かく分けているのでしょうが、問題ありません。
分析は「広告レポート」で「プラットフォーム」「配置」にチェックを入れることで可能ですし、配信効率を考えるなら自動のほうが効率が良いからです。
②のアカウント構造をシンプルにすることにも繋がりますから「一部の配置にだけ出したい」という限定的なテスト以外は自動配置をおすすめします。
ちなみにこれは「広告セット」の「配置」から設定できますよ。
⑤ダイナミック広告
ダイナミック広告(動的広告)とは『各ユーザーに合わせて最適な商品を自動で配信してくれる広告』です。ググると「リタゲのこと」とか出てきますがFacebook広告では一概にリタゲとは言えませんので注意しましょうね。
ダイナミック広告のキモはリタゲでは無く「最適な商品を自動で」という部分です。
例えばHushTugのレザートート ブラックをカートに入れたのに買わずにいる人にレザートート ブラックとその関連商品を表示したり、リュック関連の情報をよく見ている人にレザーリュック ブラックの広告を表示するなどです。ターゲティングに対して広告を選ぶのでは無く、『人』単位で最適な広告を出せるので効果が高いというわけです。
ダイナミック広告を作成するには「カタログ」を作る必要があります。Facebook Shopからカタログを作ることもできますし、ShopifyなどECプラットフォームを使っている場合は自動で作成される場合もあります。
Shopifyの場合は販売チャネルから「Facebook Shop」を有効にすることで簡単にカタログが作れます。
実はこの『ダイナミック広告』はHushTugでも現時点ではリタゲ的な使い方しかしていないので、2月以降に更にいろいろ検証していこうと思います。
まとめ
12-1月の売上・データと広告の運用方法について解説しました。
2019年のHushTugは資金や在庫の関係もあり『いのちだいじに』と『バッチリがんばれ』の中間くらいでしたが、今後は広告運用も含め『ガンガンいこうぜ』でいけるようにがんばります。(途中からドラクエがわからない人は…??という感じだと思います、ごめんなさい。)
それでは今回はこの辺で。
今後ともHushTugをよろしくお願いします。