【長野県】自然環境なくしてアウトドアは成立しない。積極的な支援への想いとは?企業版ふるさと納税寄附者インタビュー #2 株式会社モンベル(大阪府大阪市)
みなさんは、アウトドアと聞いてどんなものを思い浮かべますか?休みの日にキャンプを楽しんだり、家族でハイキングに出かけたり、夏休みには海や川で遊んだり……。
今回、お話を聞いたのはそんなアウトドアと馴染みの深い「株式会社モンベル(大阪府大阪市)」です。アウトドアメーカーとしての自然環境やエコツーリズムに対する想い、そしてモンベルの行動指針を通じた企業版ふるさと納税の実施経緯についてお伺いしました。
実は長いお付き合い。モンベルと長野県の関係とは
―モンベルさんというと、アウトドアに関するアイテムの印象が強いです。具体的にどのような事業を行っているのでしょうか。
金森:モンベルはアウトドアの総合企業です。1975 年にアウトドアメーカーとして創業し、現在はものづくりだけでなく、直営店の展開やアウトドアイベントの企画運営、アウトドアに関する保険商品の取扱いなど、さまざまな事業を手掛けています。また、多くの自治体との連携も広がってきており、全国のさまざまな地域のアウトドア資源をアウトドア愛好者の方々に伝えていくという取組みも拡大しています。長野県とも、そういったなかで接点を持たせていただいています。
―では、企業版ふるさと納税よりも前から長野県と関わりがあったのでしょうか。
金森:はい、以前からコミュニケーションをとっていました。県から北アルプスの登山者に対してヘルメットの貸し出しをしたいという相談を受けてヘルメットの寄附をしたり、モンベル主催のイベントに県(観光部)の山岳高原観光課が参加され、お客様向けに安全登山の啓発活動を行ったりしました。
企業版ふるさと納税の黎明期に寄附を即決! その経緯や企業側のメリットは?
―そのような深い関係があったんですね。では、改めて企業版ふるさと納税という制度を使ってご寄附に至った経緯を教えてください。
金森:2017 年に自然保護課から企業版ふるさと納税という制度を活用した登山道整備について、相談をいただいたのがきっかけです。我々も企業版ふるさと納税という名前は知っていたので、事業についての詳しいパンフレットなどをいただき検討に至りました。
―2017 年というと、まだ企業版ふるさと納税の認知度はそれほど高くなかった頃かと思います。そんななか、導入に対して社内でハードルなどはありましたか?
金森:社内決裁は、即決でした。寄附の使い道が登山道整備と明確であることが理由のひとつとなります。
―そうだったんですね。では、企業版ふるさと納税を実際やってみての感想やメリットをお聞かせください。
金森:たとえばこの山のこの部分を修復するなど、具体的な目的を提示いただけるので寄附がしやすいところがよかったです。県から事業完了報告を受けて、モンベルクラブの会報誌やWebサイトなど我々の媒体を通じて、ユーザーの方々に報告ができました。
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―長野県として、これからモンベルさんとどのような取組みを進めたいかなど展望はありますか?
柏木:実は登山道整備などには予算が潤沢にあるわけではなく、整備自体が滞ってしまうようなことが想定されています。モンベルにはそういった部分を企業版ふるさと納税という形で強力にバックアップしていただいております。モンベルには企業版ふるさと納税だけでなく以前から寄附をいただいており、そういった企業の貢献を県民の方々に知っていただくため、ポスターなどで周知しています。モンベルをはじめ、企業の社会貢献を県民の方々にもっと知っていただくにはどうしたらいいかという部分も、登山道の整備と合わせて進めていきたいです。
金森:そうですね、今後もお互いミーティングを重ねながらさまざまなことを行っていきたいですし、モンベルのお客様やアウトドア愛好家の方々へしっかり伝えていきたいと思っています。いまお話にもあったように、長野県には現地にモンベルからの寄附金を活用して整備したということがわかるプレートを設置していただいたり、ポスターを制作して関係各所に貼り出していただいたりしています。これからも、連携について知ってもらえる機会を相談しながらつくっていければと思います。
柏木:モンベルをはじめさまざまな企業から寄附をいただいていますが、なかには寄附をいただいたきりで関係が途切れてしまうということもあります。もちろん寄附をいただけるだけでありがたいのですが、やはり長野県としては、寄附をひとつのきっかけとして企業のみなさんともっとつながっていきたいと考えています。そういったなかで、モンベルとはさまざまな分野でつながっていて、支援していただいているという点で大変ありがたい存在です。ニーズが増えているなかで、行政だけだとできないことも増えています。民間の企業の力を借りられることは心強いですね。
アウトドア企業としての社会貢献への想い。
―企業版ふるさと納税をはじめ、モンベルさんは全国さまざまな自治体と連携して積極的に社会貢献をされている印象があります。
金森:我々は「7つのミッション」というものを掲げています。創業者であり現会長である辰野が、「アウトドアが貢献できる社会的な課題」を考え、それを我々の行動指針としています。そのなかのひとつが「自然環境保全意識の向上」。自然環境なくしてアウトドア活動はできません。アウトドア体験を通じて環境について知り、考えることで、保全意識の向上をしていこうという内容です。
山・川・海・里を活用したエコツーリズムのイベントの開催や地域の受け入れ体制づくりの協力、毎年のように発生する豪雨災害をはじめとした災害への支援など、多くの地域から様々な相談をいただき取り組んでいます。
―長野県以外に、どれくらいの自治体と連携されているのでしょうか。
金森:この7 つのミッションを協定項目として包括連携協定を結んでいる自治体は、104 となります(2022年11月現在)。長野県と包括連携協定を締結したのは、2017年3月ですね。
―モンベルさんのお客様がアウトドアや山に親しんでいるということも関係するかと思いますが、これほどまでに自然環境に対する貢献に力を入れられている思いというのはどのようなものなのでしょう?
金森:モンベルで働く従業員はアウトドア愛好家ですし、企業としても自然を利用させていただいているという立場にあります。ですので、登山道の整備が必要であれば何かしらのご協力をするという考えです。山だけでなく川遊びや海遊びなどさまざまなアウトドア用品を扱っている会社ですので、自然環境を守ることが、大きな使命と考えています。
―県としては、包括連携協定を結んで山岳の環境に共に取り組まれているモンベルさんの存在はどういったものですか?
柏木:登山道整備はもちろん、ライチョウのオリジナルT シャツの販売に関する売上の一部を寄附していただいたり、長野県林業大学校の学生への作業ウェアの提供だったりと、さまざまな面でご協力いただいています。平成30年には白馬高校の生徒へのヘルメット提供、さらに、平成28 年から継続している長野県山岳遭難防止対策協会のウェアの提供などにもお力添えをいただき、県としては非常に助かっています。
金森:長野県とは、各部署横断的と言いますか、横串を入れる形でやっていけたらと思っています。林業、農業、漁業のアイテムについては、一次産業に関わる人たちを応援したいという思いでやっています。快適な作業の助けになるのはもちろん、若い人たちにも使ってもらいやすいようなおしゃれで機能的なウェアや道具をつくっていきたいですね。一次産業に関してはプロではないので、さまざまな方々のお話を聞きながらものづくりをしています。地域とつながることで、いろいろなニーズを知ることができるのはモンベルとして大きいメリットです。
―企業だからこそできること、自治体だからこそできること、それぞれ強みがあるなかで協力できるということが、企業版ふるさと納税であり包括連携協定の意義なのかもしれませんね。
金森:そうですね。全国の自然豊かな地域と接点を増やし、その点が線になり、最終的に面になっていければと。長野県とは包括連携協定を結び、なおかつ県内の他の自治体とも連携が広がることで、面になりやすいのかなと。これからもよろしくお願いします。
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長野県「企業版ふるさと納税」
WEBページhttps://www.pref.nagano.lg.jp/kikaku/kensei/shisaku/kigyobanfurusatonouzei/soudanmadoguchi.html
お話を伺った株式会社モンベルさんのWEBページ
https://www.montbell.jp/
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