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【長野県】山岳環境の危機を救え! 企業版ふるさと納税 活用事業紹介#3 山岳環境保全事業

企業が寄附を通じて地方公共団体の行う地方創生の取り組みを応援すると、税制上の優遇措置を受けることができる「企業版ふるさと納税」。企業は具体的な使い道を指定して寄附することが可能です。

本noteでは、引き続き長野県の寄附を受け付けている事業について紹介をしていきます。

今回は「山岳環境保全事業」の取り組みについてです!

山々が織りなす雄大な自然を守り、次の世代へつなぐ―
自然と人間の共生という重大な課題に取り組む、長野県環境部自然保護課の柏木さんに山岳環境保全の現状や課題について聞きました!
(聞き手:ライター 筒木愛美)

山が魅せる奇跡の絶景のウラに、深刻な脆弱性

―「長野県といえば山」と思い浮かべる人もいるほど、県民にとって山は身近で大切な存在ですよね。

はい、長野県は3,000m級の山峰の数が全国一を誇りますし、山は私たちに様々な恵みを与えてくれます。

また美しく連なる山に魅せられて登山に訪れる方も多くいらっしゃいます。上高地や白馬、霧ヶ峰、志賀高原、千畳敷カールなどといった、県内を代表する山岳リゾート・風光明媚な高原は世界的にも知名度があります。

―環境部自然保護課では、普段どういった業務をされていらっしゃるんですか。

山々は美しい自然を見せてくれる一方で、地形が急峻で気象条件も非常に厳しく、とても脆弱な面をもっています。脆弱な山岳の環境を持続的に保全・維持していくためには、必要な施設整備、施設の適切な管理と利用する人たちのルール徹底が必要です。

我々のミッションは、生物多様性・自然環境の保全、そして安全な登山や豊かな自然を楽しんでいただけるようにすること。

「希少野生動植物の生息環境の保護」や「自然環境の保全と自然公園等の適正な利用促進」、「自然公園等の施設整備・維持管理」など、幅広い業務を担っています。

―最近は極端な気候も増えてきましたし、山岳地域での保全活動には苦労も多いのでは…?

そうですね。例えば登山道や木道は大雨の影響を受けて頻繁に破損が確認されているほか、木道自体の老朽化の問題もあります。

登山道が破損したままだと、道の形がわかりにくくなり、登山者は登山道からはみ出して高山植物の踏み荒らしにつながってしまいます。

踏みつけなどにより地面がむき出しになった登山道に木道を設置し、環境を保全するとともに、登山者の通行の安全を確保

多くの人に素晴らしい自然に触れていただきたいのですが、それが自然破壊に繋がってしまっては本末転倒。植物を傷めないよう「人間が歩くのはここだけ」といった棲み分けを設けることも、登山道の整備の一部です。

―登山道整備は急峻な山のなかでの活動でしょうから、なかなか大変そうですね。

登山道って、人が歩きやすそうなところを歩き続けていたら、なんとなく道になった…というケースが多いんです。また市街地の道であれば、国道は国、県道は県が管理するというように、管理者が決まっているものですが、登山道に関してはそういった部分がけっこう曖昧で。

おまけに厳しい自然の中にあるので、例えば夏の豪雨で道が崩れて何かしらの手当をしても、冬の荒天を受けて、春に道の形がその通り残っていないこともあります。

そのため山岳地域の自然をつないでいくためには、たくさんの方のチカラが必要です。我々自然保護課では、山小屋関係者や企業、県民のみなさまと連携し、保全活動を進めています。

パートナーシップで挑む、自然保護活動

―企業との連携というと、具体的にはどのような取り組みをされているんですか?

「企業版ふるさと納税」の制度がはじまる前から、長野県では企業からの寄附をいただいて、自然保護の事業へ活用させていただいています。

一例を挙げると、連携協定を締結した企業から、企業独自の取り組みとして売上金の一部を寄附いただき、長野県の山岳環境の保全活動や長野県のライチョウ保護対策に充当しました。

―「企業版ふるさと納税」についてもお聞きしたいと思います。山岳環境保全事業へと託された寄附金はどのように活用されていますか?

市町村や山小屋関係者等のみなさまと連携して、登山道等の維持・整備や、登山者の安全で快適な自然公園の利用などに活用させていただいています。

雨水等により浸食され、荒廃した登山道に木製階段を設置

例えば、国定公園や県立公園内の木道や橋梁等の設置補修、高山植物の保護のため踏み出し防止柵の設置などに、いただいた寄附金を充てて整備を進めています。

―自然保護課では、整備活動において「寄附先の見える化」をされているそうですね。

はい。寄附金をもとに整備した箇所に企業名入りのプレートを設置しているほか、整備前後の写真と企業名を入れたポスターを作成して関連施設に配布しています。

企業の社会貢献をもっと一般の方々に広められたらと思い、同意いただけた企業にはそのような対応させていただいています。

―企業にとって、他にも寄附先があるなかで、山岳環境保全事業を選ばれた理由についてご存知ですか?

社として自然や環境の保護に取り組まれているため、我々の活動に興味を持っていただいたケースや、「社長が山好きでよく長野県を訪れるから」「長野県といえば山だと思って」などの理由で寄附先として選んでいただいたようです。

―今後、企業との連携について考えていることはありますか?

いま、山岳地域を守る人々はたくさんの課題に直面しています。

新型コロナウイルス感染症の影響はもちろんのこと、ヘリコプターによる資材運搬費や建設資材の高騰、老朽化した山小屋の整備、オーバーユースで膨らむトイレの維持費…。

このように金銭面での複雑な課題が存在しており、一つひとつ解決を模索していかなければならないのですが、他にも登山道を直す技術を持った方の高齢化や後継者不足という人材面も深刻な悩みです。こうした面も含め、山岳環境の保全活動を少しでもお手伝いいただける企業とのマッチングができないか、と考えているところです。

―最後に読者のみなさんへ一言お願いします。

長野県の山岳を訪れる方々が安全で快適に登山や自然体験ができる未来をつくるために、企業のみなさまとパートナーシップを築きながら、山岳保全、あるいは適正な利用を図っていきたいと考えています。

素晴らしい長野県の環境を、子どもや孫、次の世代にそのまま引き継いでいくために、理想をいえばもっとよくして渡すために…。ぜひお力添えをいただけたら幸いです。

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私たちと「企業版ふるさと納税」を契機としてパートナーシップを構築し、一緒に地方創生に取り組んでいきませんか?

もしご興味をお持ちいただけましたら、ぜひ企画振興部総合政策課までお気軽にご相談ください。

長野県「企業版ふるさと納税」
WEBページhttps://www.pref.nagano.lg.jp/kikaku/kensei/shisaku/kigyobanfurusatonouzei/soudanmadoguchi.html

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