【日記】2023.01.04【創作】
今日は、気分が煙たがりさんでしたので焼肉へ。
訪れたのは、「炭火焼肉 ヤキニケーション」
「っらっしゃーしぇーぃ!えぃ!」
とさっそく繊維質な歓迎を受け車を出る。
どうやら車まで直接お出迎えいただけるシステムのようだ。
先ほどの肉厚な歓迎にて曇り仕上げた運転席の窓に、「モ〜」と牛の鳴き真似を指で描いたのも束の間。
「お客様、気分はA5ランクですねぃ!えぇい!」と店内へと吸い寄せられてしまいました。まさに肉吸いといったところ。
メニューが見当たらないのでとりあえず塩タンをオーダーしたところ
「お客さん珍しいねええぇい!」とひとこと。
『特段そこまで珍しくはないのでは?』と思いながらも、自身の常識を疑うことをやめてはいけないと心を入れ替えます。反省反省。
カウンターに到着した塩タンは、至って普通。美味しそう。
まずは一枚網に乗せ、表面はしっかり、裏面はさっと焼き上げいただきます。
すると「ほおう。お客さん、そうですかい。」と店主。
頭の上に疑問符を浮かべようとカバンをを物色しようとすると、
「あんたもいろいろあったんすね。無理してきたんでしょ。たまにゃその肩の重てえ荷物、全部下ろして楽になんなよ。そんでさ、それもう一回持ち上げた時、まだその荷物が重てぇなって感じんなら、俺が半分持ってやるからよ。もうあんただけの荷物じゃねぇからよ。——————」
2枚目の塩タンは、いつもより塩辛かった。
店を後にする。
「大将、いい店の名前ですね。」と私。
煙の奥の店主は、片方の口角を少しだけ上げて微笑んだ。
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