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ガンダムエボリューション伝説

 2022年9月22日 11:00に産声を上げた最新ガンダムゲーム、ガンダムエボリューション。

 サービス開始から半年経とうとしている現在。

 既に死にかけている。
(7/24追記)11/30にサ終することが無事決定。


はじめに

 筆者はガンエボが初ガンダムIPのガンダム完全初心者です。そのためこの記事はガンダムファンでも何でもない、いちゲーマーとしての観点でしか語られていないことをご承知おきください。


 まずはsteamのチャートをドン。

https://steamdb.info/app/1816670/charts/

 黄緑がプレイヤー数、青がtwitch視聴者数だが順調に減って、10月末には既に虫の息…どう言うことですか。プレイヤー数は初期ピーク人数56000人から1000人(2023/3/20現在)まで減少しており、初期人口の約98%が消し飛んでいることになる。さらに言うと、現在はHYPER UPDATEという、通常2ヶ月ごとに実装される新機体を毎月実装するテコ入れ期間中であり、各種チケットの大放出中&3/9に新機体を実装したばかり等のブーストがかかってこの数字である。ダメみたいですね。

 と言うわけでこの記事ではガンエボがここまで大コケした理由をガンエボの歴史と共に辿って行こうと思う。

 まずは開発者インタビューを幾つか紹介する。下側3つのインタビューに応えているプロデューサーの丸山氏とバトルディレクターの穂垣氏は、公式生放送にも出てくるためガンエボ運営側の顔と言って差し支えないだろう。

ファミ通.com 『ガンダムエボリューション』元プロゲーマーのVaderが機体開発を担当。FPSガチ勢がそれぞれの“技術”に導かれた本作は現代の南総里見八犬伝だった(2021/8/11)

Gamer 「GUNDAM EVOLUTION」開発者インタビュー(2021/7/16)

GAME WATCH 「GUNDAM EVOLUTION」開発者インタビュー(2021/7/16)

電ファミニコゲーマー “ガンダムを知らない人が楽しめる”ことを目指すFPS『GUNDAM EVOLUTION』。そのゲーム性には「強制大縄跳びの恐怖を和らげたい」という“祈り”も込められていた…!?(2023/2/6)

 以上の記事からガンダムエボリューションがどういった特徴を持って生まれてきたのかを簡単にまとめる。

  1. ワールドワイドな展開

  2. 多くの人に遊んでもらうためにF2P(Free to Play)

  3. 中高年のガンダムファンでは無く、対戦シューティングに馴染みがある若い年齢層がガンダムに触れるきっかけになることを狙う

  4. バトルロイヤルのような運による要素を極力排除し、
    公平で競技性の高いe-sportsで競技シーンを作ることを強く意識

  5. カジュアル層でもトップ層でも楽しめるゲームデザイン

 これを見る限りでは開発陣が描いたビジョンはそれなりに真っ当なものだと思える…がインタビューで強調されてる元プロゲーマーを中心に開発という文言に不吉さを感じたのは私だけでは無いはず。

第1章:始動

 2022/9/22 11:00、ガンダムエボリューションが始動した。
 運営は1週間で100万人ものユーザー数を記録したと発表、滑り出しは極めて良好だったと言えるだろう。
 ちなみに冒頭でsteamのデータを出したが、ガンエボは日本国内ではバンナムランチャーと言う専用ランチャーを使って起動する必要があり、steamのユーザー数は海外プレイヤーのものということになる。steamの初週は5万人だったので、100万人という言葉を信用するなら全体の95%程度は国内ユーザーだということになるだろうか。バンナムランチャー側でユーザー数を確認する方法が無いのでsteamの人口データを指標として用いることが多い。

 どうしてここまでガンダムエボリューションが流行ったのかを考えると次の二つが考えられる

  • OvewWatchのパク…クローン

  • ガンダムという強力なネームバリュー

それぞれについて述べよう。

OverWatchのパク…クローン

 ガンダムエボリューションをゲーマーにやらせたら間違いなく出てくる言葉、「ガンダムのガワを被せたOWじゃん」。そう、パクリなのである。e-sportsの実現にあたって、既に人気で大会も開かれる様なゲームから着想を得て、ヒーローシューターというジャンルを選択したのはそれほど悪いことでは無い様に思える。しかしそれにしたってパクリすぎている。試合中のUI、Ultと言う概念そのもの、既視感のあるスキルセットのキャラクター、アサルトに酷似したゲームルール、バトルパスのデザイン、もはや似てない部分を探す方が難しい。ガンエボ運営にOWの元プロがいるからって流石にやりすぎだ。人気ゲーム丸パクリしたんだから面白いのは当たり前だろう。
 OWに似過ぎていることについては一旦飲み込もう。ゲームが面白ければ良いのだ面白ければ。
 上で示したインタビューでバトルディレクターの穂垣氏がガンエボには「OWの嫌な部分を取り除く」という思想があったことを述べている。
 OWはロール性によりプレイ開始時点で自分のチームでの役割が決まっており、さらに上位レート帯ではマップや味方のピックに合わせて適切なピックを行わないと「お前のせいで負けた!」と味方に罵られることがあるそうだ。ゲームプレイそのものもひたすら味方に息を合わせて行動する必要があり、誰か一人がミスするとチーム全体が一気に崩れ、味方から罵られる。その様を氏は「強制大縄跳びの恐怖」と言う言葉で表現している。これをOWの良くない点とし、ガンエボはそれらを解消するために、ロール性の緩和が主題に上がった様だ。
 OW丸パクと言って過言では無い出来のガンエボだが、幾つか差異がある点がある。それは、

  1. ロール性の排除

  2. 自然回復の追加

  3. 中破からのリカバリー

  4. 性能の平坦化

である。
 前述した様にOWではマッチングした時点でプレイヤーが担う役割が決まっており、割り当てられたロールの中からマップや味方に適切なヒーローをピックすることになる。しかし、ガンエボでは味方を気にしてもしなくてもいい。好きな機体をピックしよう。ただし味方とキャラ被りはできない。
 また、OWでは体力を回復しようとするとヒーラーか回復パックを頼る必要がある。そのため、ヒーラーは試合中を通して味方の体力に気を配り、回復し続ける必要がある。その有り様から、ヒール奴隷などと呼ばれることもある。しかしガンエボでは、10秒ほど何もせずに隠れていれば体力が満タンまで回復する。チームにヒーラーが一人もいなくても普通に戦うことができ、プレイヤーは味方をヒールする役割から解放される。味方をヒールしたい人向けのキャラクターもいるから安心だ。
 OWでは死んでしまうとマーシーの蘇生以外ではリスポーンを待つ他ないが、ガンエボでは体力が0になると、操作不能の中破状態へ移行する。500ダメージ食らうか一定時間経過すると大破状態(完全なリスポーン待ち)になる中破状態だが、なんと他の味方から起こしてもらうことが可能で復活後は体力が800まで回復し一切のデメリットがない。蘇生の際には中破機体の側で2秒間静止する必要があるものの、成功した場合のメリットが極めて大きい。安全に起こせそうな味方がいたらガンガン起こしていこう。逆に敵の中破機体を見かけたらGマニューバも貯められるので積極的に壊そう。
 最後に性能の平坦化だ。ガンエボでは全キャラDPSが基本で、回復しか出来ないキャラ、タンクしか出来ないキャラと言った役割の制限が存在せず、どのキャラを用いてもある程度火力を出すことが出来る。回復スキルやタンク向けのスキルがあるキャラが居るという程度だ。また、性能に差異はあれど全機体ブーストを有しておりダッシュ&ステップが可能となっている。そのため、機体間で前線への復帰速さや撃ち合い時の機動力の差異がOWほど無い。
 ロール性の排除だったり、機体の役割を薄めることは個々人が好きな様にゲームをするという思想に合っているし、個人的には好印象だ。

ガンダムという強力なネームバリュー

 これは言わずもがなだろう。筆者はガンダムのアニメやゲームには今まで触れて来なかったが、友人には熱心なガンダムファンが何人もいる。ガンエボもその友人から「無料だからやろうよ」と誘われて始めた。
 まぁ筆者自身はガンダムファンでも何でもないため詳しくは語れないが、ガンダムだから、というだけで遊ぶ人が大勢いることは想像に難くない。

 人気ゲームOWの悪い部分を改善し、ガンダムという超人気作品と組み合わせたガンダムエボリューション。これは失敗する余地がないだろう。

 人気配信者もこぞって配信。公式番組も何度も行われ、知名度は鰻登り。
ガンエボブームの幕が開けた

かのように思われた。

第2章:凋落

 凋落早くね?と思うだろうがマジで早かった。始動から2週間程度経った時点で暗雲が立ち込めていた。
 何故ガンエボが凋落したのか。その大まかな原因を以下に述べる。

  • 足を引っ張るガンダム要素

  • ランクマッチの不備

  • バグやエラー落ちの多発

  • 課金機体の優遇

  • パーティ優遇

足を引っ張るガンダム要素

 最初は面白いと思って遊んでいたが、ふとした瞬間に気づく。

「これガンダムの必要ねーな」

 まず、本ゲームはゲーム性やスピード感を重視した結果、FPSというスタイルを選択したため自分の機体が見えない。その上コックピット視点でもないので、「ロボットを操作するわけでもない普通のFPS」なのだ。ガンダムはモビルスーツという18m近い大きさを誇るデカいロボットが戦うことに男子の心を揺さぶるロマンがあると素人視点で思うのだが、普通に人型モデル作って「これは18mです!」と言い張られてる気分でデカいロボット感がまるでない。人間視点で格納庫にあるモビルスーツの近くを宇宙遊泳するモードでもあればそのデカさを実感できたのだろうが、現状フレーバー程度に置いてあるランプだったり足場だったりからモビルスーツのデカさを押し図る他ない。
 次に機体チョイス。筆者としてはどうでも良いのだが、友人曰くファンでも首を傾げる機体チョイスらしい。それもそのはず、インタビューでも述べていたが、ガンエボは性能を先に考えて、それに合うものを1000近くある機体の中から探すという形で機体チョイスをする。その結果誰得機体がチョイスされまくり。ガンダムファンは二の次を完全に有言実行している。
 最後にスキンがダサすぎる。ガチャの最高レアリティが悪趣味な全身金ピカ、8000円という高額課金で手に入る限定スキンが"小学生の裁縫袋ドラゴン"、レアスキンの多くが配色が違うスキンに謎のラインを走らせているだけ、夜の街の如くネオンライトが付いたり消えたりするスキンまで存在する(このネオンスキンを初めて見た時あまりの衝撃に5分間ほど爆笑した)、原作ファンが喜ぶ"シャアザク"等の特殊なスキンは4000MP(マテリアルポイント)。MPはガチャがダブった時にもらえるポイントだが、4000MP貯めるために課金してガチャを回すと運次第で4~8万円かかるというあまりに強気な値段設定。一番低レアリティの配色を変えただけのスキンが一番マシなのはユーザーとしては嬉しいところだが、課金をしようという意欲がまるで湧かない。あくまで機械なので服を着せたりは出来ず塗装でバリエーションをつける程度しかスキンが作れないという問題があるのだろうがそれにしたってダサい。雪だるまサザビーとかカボチャアッシマーとか出しても良いと個人的には思うがパクリ元ゲームのようなシーズンイベントはこのゲームには一切ない。
 ガンダム最新作に喜んだファンを巴投げする仕様の数々。私を誘ったガンダムファンの友人はシーズン1の最初で起動しなくなりました。

ランクマッチの不備

 初期のランクマッチは1ランク上がるのに必要なポイントが異常に多く、試合の勝敗でしかレートの増減量が決まらないのも相まって高い勝率をキープして初めてランクが移動する。プレイスメントでブロンズに配置されるとそこから上がるのは至難の技だったそうな。最初期では、クローン元のOWプロプレイヤーがシルバーで停滞するという珍事が発生。このように強いプレイヤーのレートが上がるのが遅くなった結果、かなり混沌としたマッチングになっていた模様。9/28に緊急でマッチングシステムの調整が入ったが、ブロンズと未プレイスメントプレイヤーを一律シルバー4にしつつ、レート増減量を1.75倍にするという非常に大味なものだった。これで事態が改善するかと思いきや、無理矢理引き上げられたブロンズ適正プレイヤーがボリュームゾーンであるシルバーに混じることでマッチングはさらに混沌とし、収集がつかなくなっていく。
 何となくだが、ランクマッチのポイント問題はプロの視点が悪い方に働いたような気がする。確かに細かく刻む方が正確なレートが測れるだろうが、そこに辿り着くまでが長すぎる。カジュアル勢はそんなにストイックにゲームしないだろう。

バグやエラー落ちの多発

 ガンエボはサービス開始から現在に至るまで非常にバグやエラーが多い。勝敗やポイントに直結するものも多いため、自分の身に降りかかった時は一気にやる気がなくなること請け合いだ。いくつか例を挙げると、

  • メイン武装から弾が出なくなる

  • 特定のスキルが発動しなくなる

  • UIが消え、残弾やHPが確認できなくなる

  • ゲーム中に突然クライアントが落ちて、退出ペナルティ(ポイント減少)

  • マッチング時に突然クライアントが落ちて、退出ペナルティ(ポイント減少)

  • ゲーム終了時にフリーズ、ゲームが無かった事に(ポイント増減無し)

 等がある。全て筆者の実体験だ。特に後ろの3つは呆然とするしかない。誰も彼もが経験しているようなので、敵味方でエラー率が収束していき50%になるから問題ないということか。e-sportsによくある運ゲー要素をこういった形で導入するとは、流石の発想だ。
 ガンエボにおいてランクポイントとは泡沫のように儚いものなのだ…筆者は適当にしかランクマッチを回さないので理不尽にポイントが奪われても寝れば大体忘れるが、真剣にランクマッチを回す人からすれば到底許せる仕様ではないだろう。プロレベルのゲーマーが多いらしい運営にそのことがわからないはずは無いのだが。

課金機体の優遇

 ガンエボでは一番最初から解放されている機体が12体と、課金及びキャピタルというゲーム内通貨で解放できるいわゆる課金機体が5体、合計17体存在した。このキャピタルの早期入手がかなり難しく(後程また詳しく述べる)、課金が実装されるまでは実質初期解放機体しか存在しなかった。
 そして、EVOコイン解放後、キャピタルや課金で課金機体を解放する人が増えてくると段々とある事実が見えてくる。

「何か…課金機体強くね?」

 そう、明らかに強かった。使い所を選びすぎるマヒロー以外の4機体、マラサイ、ガンダムエクシア、ドザク(ザクII(格闘))、ガンダムユニコーン。これらがチームに多い方が勝つ。そんな具合の試合ばかりだ。
 上位層では、これら4体と無課金機の中では強かったペイルライダー、ドムトルーパー、ジムスナイパーII、サザビーあたりをマップで使い分けるのが当たり前になっていた様だ。

 これらの中でも格闘機というジャンルのドザクとエクシアが猛威を振るった。格闘機は(一応)盾持ちに対する特攻ユニットという扱いなのだが、盾持ち以外も圧倒できるため事実上の万能機だったのだ。
 ドザクは典型的な近距離キャラであり、遠距離攻撃を殆ど持たないこと、クセの強いスキルが多いこともあり、実装当初の評価はそれほど高くなかった。しかし、ルールとの噛み合いが良過ぎた。ポジションを先に取っていてもドザクが突っ込んでくると下がらざるを得ない程近接での火力が高く、下がった後に外側から撃とうとすると無敵スキルで2秒間耐えられ、その間に残りの敵が雪崩れ込んできて、補助を得てノリノリになったドザクと一緒にこちら陣営を押しつぶすというのは非常に良く見られる光景だった。また、Ultが一定時間ベイブレードになる攻撃なのだが、継続時間、威力共にあり得ない程強く、ポイントにいる味方全員がドザク一人のUltに消し飛ばされるなんて珍しくとも何ともなかった。ドザクの攻撃を耐えられるキャラクターが一人もいないのも問題だった。ドザク全ての攻撃が格闘属性という、シールドを貫通する攻撃で構成されており、何ならタックルに一定時間ガード不可が付いているため、前線を構築する盾持ち機体だったジムでは耐えることが出来ないのだ。
 ドザクへの対抗手段として有効だったのは、遠距離から始動できる即死コンボを持つマラサイ、エクシアの2体あるいはこちらもドザクを出すこと。つまり課金機体である。

 次にこのゲームで最もぶっ壊れていたエクシア。明らかにOWのゲンジをパク…インスピレーションを受けている機体だ。この機体の罪は非常に重いのでもう少し細かく書いていこう。
 まず、お手軽な即死コンボを有していたこと。中距離から突進する格闘スキルにスタンがついており、近接格闘スキルにそのスタンを延長する効果がついており、延長されたスタン中にメイン兵装の3点バースト投げナイフが間に合う。以上のコンボが非常に高威力かつ、盾貫通&スタン付きの突進から始動するため、素の耐久値が高い機体以外は大抵即死されられた。このコンボの存在から1対1の立ち会いに滅法強く対応できる機体もほぼ無し。エクシアが相手にいる状態で味方から離れることは自殺とほぼ同義であった。
 次に、機動力が極めて高いこと。このゲーム最高の3本のブーストゲージを有しており、上下移動可能なダッシュスキルを別枠で有しており、それとはまた別に上下移動可能な突進スキルを有している。つまり5回連続でダッシュが可能だ。高低差がある逃走経路は追えない機体の方が多く、追えたとしても先述の即死コンボの存在から、一人で安易に追うことは死を意味する。
 まだ終わらない。距離減衰無し、リロード無し、ADS要らずで常にレティクルのど真ん中に飛ぶ(姿勢や連射による拡散無し)、高弾速、ヘッドショット倍率2倍の3点バーストメイン武装。これが一番あり得ない。距離減衰が無くジャンプしてようがダッシュしてようがど真ん中に飛ぶ。高速機動しながら狙った場所を正確に撃てるため近接機体のくせに中遠距離での撃ち合いで最強レベル。流石に近距離では他の機体の射撃の方が高火力になるが、忘れてはならないこいつは近接戦闘が得意な格闘機だ。ヘッドショット倍率2倍も非常にマズい。突進、近接攻撃、3点バーストのコンボは慣れてくると3点バーストでヘッドショットを狙う余裕が生まれてくる。このレベルの使い手が相手だと、突っ込まれる=死の構図が確立する。自分が殺されている間に誰かが何とかしてくれるのを祈るしか無いが、エクシアはヒットボックスが小さい上に上述の高い機動力を持つため悠々と逃げた後遠くから威力減衰しない投げナイフを投げてきて、CDが上がる頃にまた突っ込んでくることだろう。
 また、エクシア使いの間では突進スキルでは無く、低CDでノックバック付きの近接攻撃の方がヤバいとのこと。突進スキルはダメージを出しながら接近するためのスキルで、突進がなければ他の移動手段で接近するだけだからだ。こいつだけトレーサーのブリンクパンチする権利を与えられているようなものだといえる。
 この機体の影響力が高すぎて、ガンエボは12/27のバランス調整で3点バースト投げナイフに重めのナーフを入れられるまで、「エクシアの上手い方がいるチームが勝つゲーム」になっていた。ちなみにそれまでが壊れすぎていただけで今でも十分強い。

 これらの課金機体による無双が行われた結果、ガンエボはP2W(Pay to Win)だという誹りを受ける様になっていた。P2Wは「お金を払うことでゲームが有利になる」という意味合いだが、課金機体が強すぎるこの状態はまさしくP2Wと言えるのでは無いだろうか。

 いや待ってほしい。ゲーム内通貨での機体の解放も可能なのだからP2Wでは無いのでは?という意見があるかもしれないので、ガンエボのキャピタル(ゲーム内通貨の名称)入手経路について紹介しよう。

1. アカウントで1回きりのビギナーチャレンジ
2. シーズン毎に更新されるバトルパス

 以上である。しかもそれぞれで1機体分しか手に入らないため。新規プレイヤーはどれだけ頑張っても始めたシーズンでは2機体しか手に入らない。更にシーズン毎に1機体追加されるわけだから新シーズンでバトルパスが更新されても未解放機体の数は減らないのだ。シーズン1からプレイしているプレイヤーでも無課金では全機体解放できない。
 筆者もこのゲームを始める前まで、無料で全機体解放するルートが無い公平なe-sportsを自称するゲームが存在するとは夢にも思わなかった。

 さて、P2Wに話を戻そう。このお金を払うことでゲームが有利になる行為は、自身のスキルを競い合うことを主題としたゲームでは蛇蝎の如く嫌われている。LOLやAPEX、OW、格闘ゲーム等、e-sportsとして国際的に認知されているゲームではキャラクターや武器のスキンなど、本人の自己満足にしかならない範囲でしかお金を掛けられない、が魅力的なスキンが多いため課金する人も大勢いる。もちろん、キャラクターの解放に使うこともあるがあくまで"時短要素"であり、ゲームを毎日気長にプレイしていれば無料でもそのうち解放でき、この点がガンエボとは大きく異なる。
 海外のゲーマーは特にこのP2Wに対して敏感だ。実際steamプレイヤーはガンガン減っていき、1ヶ月後には90%超のプレイヤーがガンエボを見限った。海外steamのこの時期のガンエボレビューを見ると、P2Wの文句が非常に多いことがわかる。
 あくまでガンダム要素のあるチームシューターとして売り出すのは大いに結構。若年層のFPS好きを狙うというのも悪く無い。だが、そこまで絞り込んだ上で、どうしてわざわざその手のゲーマーに嫌われるP2W要素を盛り込んでしまったのか。その会議の議事録があったら是非見てみたい。

 たとえバランス調整を適正に行い課金機体優遇が収まったとしてもガンエボは相手に合わせてコロコロ機体を変えるゲーム性のため、「未解放機体がある人」と「全機体解放済み」の人ではキャラクタープールからくる対応力の点で平等になることは決してあり得ない。全機体解放を課金必須にすることは、インタビューで語っていた"公平さ"から正反対に位置する行為だと思うのだが。所詮は金稼ぎしか見ておらず、e-sportsなどお為ごかしの言い訳だったということか。

パーティ優遇

 最後に、このゲームの大きな問題の1つにパーティ優遇がある。
 次の画像は9/28に運営が(ドヤ顔で)公開したマッチングデータである。

 この画像をみてどのように感じるだろうか?まぁまぁいい感じ?正解は6人PTが有利すぎだ。このデータが載っていたニュースは、おそらく多くのユーザーからソロとパーティをマッチングさせるのをやめろと詰められたから出した言い訳だろう。実際、非対称マッチングの犠牲になるソロは全体の1%程度で比率としては大したことは無い、が別の問題を浮き彫りにしてしまった。6人パーティがそれ以外の編成と30%も当たっているのだ。フルパとそれ以外を比較したらフルパの方が有利なのが当たり前なので試合開始時点で30%の試合は有利にスタートするということである。
 シーズン1においてはガンエボの最高ランクであるニュータイプは殆どが6人フルパーティで試合をしていたそうな。レートが上がるにつれパーティの比率が上がり、段々とソロでプレイすること自体がハンデになってくる。とある配信者も「ソロとパーティがマッチングするのは絶対ダメ。一瞬で人が居なくなる。」と発言していたが、事実その通りになってしまった。

 以上がガンエボプレイ人口がボブサップにKOされた曙ばりの早さで落ちた要因であると考えている。
 しかし、なんだかんだまだ始動から1ヶ月、システムやゲームバランスが未熟なのは仕方ないとガンエボのポテンシャルを信頼し、温かい目で見ていた人もそれなりにいたはずだ。

第3章:不毛の大地ガンエボ

 シーズン1最初の1ヶ月、このタイミングでガンエボをプレイしていたプレイヤーの多くがきっと

「良いから課金機、特にドザクとエクシアをナーフしろ。」

と考えていたはず。
 しかし、ガンガン減少する人口を尻目にランクマッチ調整以来沈黙する運営。本当に何も起きない。というかサービス開始記念イベントみたいなのも一切なかった。本当に大丈夫だよな?流石に課金機はナーフするよな?という期待と不安が入り混じりながら待つことひと月。その時は来た。

習熟度合い

 10/21に第1回バランス調整の内容が公開された。内容は中距離射撃機の弾数の微増、サザビーのナーフ、エクシア・ドザク・マラサイの微ナーフ。以上である。蓋を開けてみれば申し訳程度の射撃機バフ&課金機ナーフ、課金機へ対抗できる程度の強さを持っていたサザビーの純ナーフ。
 そして、パッチノートに記されていたエクシアとドザクを微ナーフに抑えた理由が以下である。(原文ママ)

調整方針

「ガンダムエクシア」「ザクII[格闘装備]」の調整

 格闘ユニット、特に「ガンダムエクシア」「ザクII[格闘装備]」のゲーム影響度が高くなっており、勝率も他射撃ユニットと比較して2~3%程高くなっているため調整が必要と考えました。ただこちらの点についてはユニット性能が高いこともありますが、利用者の習熟度合いが高い点も考慮すべきだと考え今回の調整では若干の弱体調整に留めています。

 ざっくりいうと、エクシア・ドザクが強くて、勝率が高いのは認知してるけど、上手い人が使ってるから勝率が高いってことで今回は微ナーフです。

??????????????????????

 いや、勝率に現れる程勝ってるんなら上手い人が使った時に勝ってるんじゃなくて、ボリュームゾーンの人たちが使って強いってことでは?それともエクシア・ドザク使いに対して他の機体に乗ってる人たちのレベルが低いって煽ってるのか?

 この習熟度合いのフレーズはあまりにも衝撃的で、ユーザー達は冗談めかして相手を貶す時に習熟度をよく使う様になった。

 まだまだ、課金機優遇を止めるつもりは無いという意志が透けて見えた。この辺りから掲示板等では、課金機優遇して課金させたいだけ説、運営エアプ説、運営上手すぎて格闘機を脅威に感じない説等様々な憶測が流れていた。

 エクシアがナーフされるならやると言っていた人も多かったが、このパッチノートを見て戻ってくるはずもなく。そして、月に1回しかバランス調整をしないということは後1ヶ月はエクシア、ドザクが暴れ回ることが確定。steamのチャートを見れば分かる通り、人口が増えやすいバランス調整の日にも関わらず、ピクリともしていない。ガンエボに対する期待がそのまま現れている。ガンエボをプレイしていて思うがここが本当に分水嶺で、運営は的確に悪い方を選んだ。以降ガンエボは対戦ゲームとしての体を成さないほどに衰弱していく。

シーズン2以降の惨状

 シーズン2の開始時にもバランス調整が行われ、ドザクはようやく普通のレベルまで落ち着いたが、エクシアは再び微ナーフ、今度は逆にマヒローの激バフが行われ、結局課金機を優遇する運営。当然人口が復活することは無かった。
 対戦型のチームゲームで人口が減ると必ず起きる問題が、不適切なマッチングである。対戦ゲームとして最も適切なマッチングは、全員実力が同レベルのプレイヤーで両チームマッチングすること。このマッチングの質と待機時間、そしてプレイ人口には強い相関関係があり、人口が多いと一瞬で最適なマッチングが組まれ、人口が少ないとマッチングの質か速度のどちらかを犠牲にしなければならない。
 この問題がある以上、対戦ゲームはプレイ人口が多いことが何よりも重要視される。良いゲームに人が集まるのでは無く、人が集まるゲームが良いゲームなのだ。
 不適切なマッチングとは片方のチームに実力のバランスが寄ってしまい、一方的な試合展開になるマッチングのことである。格差マッチとも呼ぶ。この格差マッチは、勝利する側は大して気持ち良くないのに敗北する側は非常に強いストレスとなり、ゲームから離れる原因となる。
 格差マッチによりプレイヤーが減ると更にマッチングが悪くなり、格差マッチが増える。この負のスパイラルに陥った対戦ゲームに未来はない。
 ガンエボは十分な人口がいた一番最初が一番のチャンスだったのに課金優遇やランクマッチの不備、パーティ優遇等ボリュームゾーンに見放される施策を行い、自ら棒に振ってしまった。全く馬鹿げた話である。

 ガンエボもシーズン1で大勢が離れてから、殆どの試合が格差マッチで構成されるようになった。初期の時点で多かったという声もあるが、シーズン2以降はその比では無い。シーズン2の変更でランクマッチのティアの幅が狭まり、ポイント増減もヤケクソのように多くされた上、シルバーからプラチナ程度であれば平気で行き来する回数の連勝と連敗を繰り返す。罷り間違ってブロンズ下位まで落ちると人が居なさすぎてマッチングすらしなくなる。さらに、エラーによるゲームの強制終了の頻度も上昇、理不尽に奪われるポイントも増加。
 結局、またランクマッチがロクに機能しなくなった。まずレート移動が激しすぎてまたしても多くの人が実力に不相応なレートに配置され、レートが全く参考にならない。次に、余程実力差がなければ一人で勝てるゲーム性ではないためソロでは有利なチームに配置されたかどうかで殆ど勝敗が決まる。頑張って上位のレートに上がろうとすると、エラー落ちからのペナルティで理不尽にポイントを奪われる。シルバー~プラチナ下位の混沌地帯を突破すると、今度はパーティによる轢き潰しに遭う。11/30の調整でダイヤ以上はパーティの上限人数が3人に規制されたが、ソロプレイヤーが不利を被る構図は殆ど変化していない。その上12/27の調整でマッチング時間を伸ばすのでは無く、マッチング条件を緩めるまさかの調整を行なっている。
 まだまだ終わらない。最上位レートではもはやどれだけ待ってもマッチングせず、開き直ったユーザーによるサブ垢初心者狩りが横行。運営もバンをしているようだが、無料ゲームかつ、いくらでもアカウントを作れる為、まるで意味をなさない。

 また、国際展開を銘打っていたガンエボは、シーズンやバランス調整毎に対応する国の数を増やしていたが、2/2に人が居なさすぎてマッチングしないという理由で日本とアジアのマッチング統合を行った。結果明らかにラグいプレイヤーや、コミュニケーションが取れないプレイヤーが増加し、更に劣悪な環境に。唯一何とか人口を保っていたであろう日本のマッチングにわざわざダメージを与えるとは、運営はガンエボサ終RTAでもプレイされてるんですか?

 冒頭に述べた通り、現在HYPER UPDATEというテコ入れ期間中なのだが、新機体実装日に一瞬ユーザーが増えるものの速やかに減少していき、ピーク時800人程度まで落ちるのが常である。

公式放送

 ガンエボでは何度か公式放送が行われ、これらもぼちぼち物議を醸したので軽く紹介する。

映像番組「GUNDAM EVOLUTION Mission Briefing」配信決定!(9/6)
映像番組「GUNDAM EVOLUTION Mission Briefing Season 2」配信決定!(11/17)
生配信番組「GUNDAM EVOLUTION Mission Briefing LIVE vol.1」配信決定)(12/25)
生配信番組「GUNDAM EVOLUTION Mission Briefing LIVE vol.2」配信決定!(1/29)
「GUNDAM EVOLUTION Mission Briefing Mar. 2023」配信決定!(3/4)
サービス終了するや否やホームページ、youtube公式チャンネルも閉鎖、文字通りの逃亡をかましており、ガンエボの輝かしい栄光の軌跡を追うことはもはや叶わない。たまに動画を見て思い出に耽るくらいはさせて欲しかったものだが、運営チームはユーザーのことなど心底どうでもよかったということがよくわかる。ホームページはともかく、特に会社に負担がかかるわけでもないyoutubeチャンネルをわざわざ消したのは、運営チームにとってガンエボは思わず蓋をしたくなるような臭いものだったのだろう。生み出したものを愛せないとは悲しいことだ。

 まず2つめのGUNDAM EVOLUTION Mission Briefing Season 2だ。12分ほどの動画なのだが、国際展開を意識してかこのようにガンエボのPVはサイレントか英語が殆どだ。また、よくある海外の成功者インタビューの如く、丸山氏が椅子に深く腰掛けて足を組みながら質問に回答する様も「そんなことしてる場合か?」とユーザーの神経を逆撫でするだけだった。
 3つめのGUNDAM EVOLUTION Mission Briefing LIVE vol.1では、丸山氏、穂垣氏とMCのOooda氏が出演する生放送で新機体の紹介、質問回答、視聴者から参加を募ったエキシビジョンを行った。質問回答とは言ってもリアルタイムのものに応えるのではなく、アンケートから答えるという形式だったが、どの質問に対しても「慎重に検討しています」等日本人の鑑のような回答を繰り返すばかりで信頼感が増すことは無かった。そして物議を醸したのはエキシビジョン。形式としては穂垣氏率いる開発陣フルパと、視聴者から参加を募ったカスタムマッチなのだが、結果は開発陣の圧勝に終わった。ちなみにこのエキシビジョン視聴者側の参加者12人のうち8名は大会予選通過チームメンバーで、フルパとそうじゃ無いの差があったにせよ、プレイヤーの中でもトップクラスに上手い人たちを相手にボッコボコにしたことになる。しかも、一部マップで適さないピック(山岳研究所でジムスナ等)をする舐めプまでかましていた。このエキシビジョンから、元プロが多いから当然なのだろうが、開発陣のプレイヤースキルの高さ、フルパーティの優位性が改めて明らかにされた。
 このエキシビジョン以来、「開発は上手すぎて格闘機を脅威に感じないからナーフしない説」や「開発陣のような上位層のフルパ向けにゲームを作ってる説」等が頻繁に提唱されるようになる。
 4つ目の「GUNDAM EVOLUTION Mission Briefing LIVE vol.2」は、vol.1と同じく、新機体の紹介、アンケート回答、エキシビジョンという構成。最初の二つはvol.1と同じように当たり障りの無いものだったが、今度のエキシビジョンはOTPという大会予選通過チームを対戦相手として誘致。フルパ同士の対戦と相成った。結果はOTP側の圧勝。まぁむしろ開発陣が勝ったらどうすんだお前って感じだから当然の結果なのだが、穂垣氏(及び開発陣チーム)は生放送の進行を忘れて反省会を始めるほど本気で悔しがり、「いやそうじゃないだろ」と視聴者を呆れさせた。
 最後の「GUNDAM EVOLUTION Mission Briefing Mar. 2023」はエキシビジョンを行わない以外は3, 4つ目のBriefing LIVEと同じ形式かと思いきや実は生放送ではなく録画である。まぁ生放送の度に、コメント欄にアンチじみた人たちが湧いてはコメントバンを繰り返していたようなので、面倒臭くなったのだろう。個人的な感情としては「貴様アア!!逃げるなあアア!!!責任から逃げるなアア」という感じだが、元々エキシビジョンが無ければ録画ですむ程度の内容しか無かったということか。

 以上、掻い摘んだ説明をしたが、放送を見ていると野良のソロプレイヤーではなく、開発陣のような高レベルのプレイヤースキルを持った上位層向けにゲームを作っているという雰囲気が何となく感じ取れてしまう。いや自分達だけが楽しめるようにゲームを作ってどうすんだ。


空回りするe-sportsムーブ

 ガンエボはサービス開始時点から半年間掛けて賞金付きの大会を行うことを告知していた。
https://gggp2023-entry.j-cg.com/
 おそらく、e-sportsと言えば大会でしょ!と言ったひどく安直な動機だったのだろう。e-sports界の覇権を取る輝かしい未来を夢想していたことは想像に難く無い。現実は取らぬ狸の皮算用もいいところだったが。

 この大会は合計2回予選をし、予選を勝ち上がった8チームを更に4チームに絞るプレーオフ、そして4チームでオフラインの決勝大会まで全部で4ヶ月近くかけて行うという非常に大掛かりなものとなっている。
 予選はレートが一定以上のプレイヤーのみに参加資格があり、16チーム*4ブロックで合計64チームのものを2回行う。2回目の予選は128ものチームに向けたレートの低いプレイヤーにも枠を与える事前予選を行った。
 それぞれの予選の参加チーム数は

第1回予選:20/64
第2回予選前予選:10/128
第2回予選:16/64

である。
 これはひどい…。
 応募サイトにある「応募多数の場合は抽選」の字が哀しく躍る。しかも参加しているチームはどの予選もほぼ一緒なのだ。世界レベルのゲーム大会を銘打ってる癖に何ヶ月もかけて地方のゲーム大会くらいの集客しかできないってマジでございますか?これほど人が集まらないのであれば、3, 4ヶ月も掛けて何度も予選を開かずに、1回オンライン大会開いて全行程終了で良かったと思うのだが…その分のスタッフの人件費を賞金に回せよとも思う。
 大会規約に他プレイヤーへの誹謗中傷禁止と書かれているにも関わらず、予選通過チームのプレイヤーが他プレイヤーをチート認定したり、猿呼ばわりする問題も発生(ツイ垢消し逃亡済み)。チート扱いされたプレイヤーは大会本戦への参加を辞退。運営はこれらに対して一切対処せず。他にも本戦に進めなかったプレイヤーは軒並みガンエボ引退をtwitter等で表明。
 もう一度言おう、これはひどい…。
 ガンエボの公式twitterでは大会のハイライトを頻繁にツイートしているが、悲しいほど注目されていない。ハイレベルなプレイを至上にして大多数のプレイヤーを置き去りにしたガンエボには相応しい末路であろう。誰も注目していない大会を涙ぐましい努力で頑張る運営には冷ややかな視線を送っておく。
 3/25, 26に決勝大会が開かれるので興味が有ればどうぞ。筆者は興味が無いので見ない。

おわりに

 ここまで色々書いてきたが、総括すると

  • ガンダムファンとFPSファンを取り込もうとして両方失敗

  • 国際展開を銘打って国内と海外で両方失敗

  • "公平"なe-sportsを目指したのにP2W要素を入れて失敗

  • カジュアル層向けに作ったハズがトップ層目線での調整をして失敗

等、全てが中途半端なゲームと言えるだろう。

 ゲーム部分の出来は正直OWより好きだし、エラーの解消、キャピタル獲得手段の追加がなされれば個人的には長く遊べるゲームになると思っている。
ガンエボ運営の今後に期待しよう。マジでキャピタルはもっと配った方がいい。
なれませんでしたね・・・。

 長文駄文最後までお付き合い頂き感謝。

(2024/7/18追記)
 サービス終了して半年以上経つゲームの記事なのに割とビューが伸びてるのでそういえばここもダメだったなぁというところを思い出しながら追加で書いてみます。一緒に懐かしい気持ちになりましょう。死体蹴りとか言わない。筆者はシーズンパスを全部埋める程度に毎シーズンやっていましたが、シーズン4で埋没都市のクソさにやられて脱落した民です。また以下で出てくる第3者的な意見は掲示板だったりSNSだったりを眺めての感覚的なものなので多分偏りがあります。

ダメポイント1:カジュアルがカジュアルしてない

 元ネタOWのクイックプレイでは攻守どちらか一回やれば試合終了になるが、ガンエボではカジュアルだろうと必ず一回は攻守交代をする。ここに文句をつける人が案外多く、筆者もその一人だった。OWもガンエボもランクマは攻守交代してじっくりやるシステムになっており、実力を計測するためにはそれで正しいと思うが、気軽に遊びたいカジュアルでそうする必要があったのかという話だ。
 ガンエボがこの仕組みになっているのはバトルディレクター穂垣氏に要因の一つがあると思われる。氏は攻守交代有りの爆破ゲー出身で、インタビューでも攻守交代の平等な感じが好きといったように語っていた。
 カジュアルで攻守交代させられることのダメポイントとして、まず単純に試合時間が長くなることが挙げられる。攻めが終わって後に守りが入るのだから単純に片側のみの倍かかる。さらに戦況がイーブンだったら延長戦に入り、延長戦も攻守行うため、計4回出撃するハメになる。攻守交代の度に防御側であればベースキャンプから防衛地点まで移動する時間が発生するし、攻撃側であればそれをベースキャンプで待機する時間が生まれる。延長戦の後半になると戦いが白熱して楽しいという気持ちより、疲労でゲンナリの方が強くなってくる。ランクマならともかくカジュアルの勝ち負けを決めるのになんでここまでせにゃならんのだ。
 先にイーブンな時の話をしたが、実力差がある時も問題があった。前半でもう格付けが終わっている時、後半を戦うモチベーションが湧きにくいのだ。例えば前半に自チームが防衛で一瞬で押し切られた場合、後半は自分が攻撃になるのだが圧倒的な実力差がある場合、その後4分間リスキルされ、ベースキャンプからロクに出られないこともザラだ。こうなると試合終了までできることが何も無い。味方と動くスタンプを貼りながら戯れる程度だ。競技性どころかゲーム性すらどこかに行ってしまう。
 他にもゲームが突然落ちたり、試合展開にうんざりして抜けたりする人が頻発し人数が互角でなくなる試合も多数発生(体感3~4割は途中抜けがあった)。人員の途中補充も無く、一度人数差がつけば当然勝てるゲーム性では無いので残り時間が懲役と化す。
 このような実情があり、ユーザーからはカジュアルは攻守一方にするかサレンダー機能を付けるか人員の途中補充を有効にするよう要望上がっていた(筆者もアンケートに書いたことがある)が、その要望は途中抜けしたプレイターへのペナルティ強化という最悪の形で実現された。(途中退出時のペナルティタイムが連続で退出するとガンガン伸びていく。例え途中退出が故意でなくても。)
 こういう対応の端々に「俺たちは悪く無い。お前らが悪い。」というスタンスが読み取れるのがガンエボ運営が嫌われていた最たるところだろう。

ダメポイント2:デイリー・ウィークリーめんどくさ過ぎ

 ガンエボではシーズンパスを進める手段としてデイリーチャレンジとウィークリーチャレンジが用意されていた。チャレンジ内容としては
・”特定機体を使って”N回勝利
・”特定機体を使って”N回戦闘を行う
・”特定機体を使って”N回Gマニューバを使用
・”特定機体を使って”N回キル
・”特定機体を使って”N回ヘッドショットでキル
のようになっていた。見ていただいて判るように、チャレンジを達成するためにはデイリー・ウィークリー毎に変化する”特定機体”を使わなければならない。勝利・戦闘を行うの2つは試合中に一瞬でもその機体を出せば達成した扱いになるので楽な方だったが(1回勝利が延々取れなくてハゲるのは置いといて)、それ以外のミッションが大抵かなり面倒だった。特に面倒だったのはGマニューバとN回ヘッドショットで、普段全く使わないキャラを指定された時はミッションをクリアするために味方の負担になるカスみたいなプレイをせざるを得なかった。具体的にはターンA、バルバトス、ジムスナイパーの組み合わせで指定された時(結構な頻度で来る)は地獄だった。また、N回ヘッドショットでキルは中・低ランクの腕前だと他のミッションがほとんど終わっても全く進んでいないことがある。筆者のことである。
 上記のように単純にクリアするのが難しいのだが、味方が選択した機体が使えないガンエボの仕様のせいで進めたくても進められないことが多々あった。例えばGマニューバやキルのチャレンジが簡単に達成できるガンタンクは初心者から上級者まで使いたい人がたくさん居る機体のため、大抵一瞬で取られる。
 また離脱者が一定数を超えて試合がノーコンテストで終わると試合中せっかく頑張ったチャレンジが無かったことになるのもストレス要素だった。
 これらの”特定機体指定”に対する文句はかなり早い段階で上がり続けていたのだが、デイリー及びウィークリーからこの機体制限が撤廃されたのはシーズン5で、もうサービス終了がほぼ決まっていた頃だ。遅過ぎである。

ダメポイント3:シーズンパスショボ過ぎ

 上記のデイリー・ウィークリーはクリアするとシーズン毎に更新されるシーズンパスを進める経験値が貰えるのだが、このシーズンパスがまぁ渋い。パスの経験値を貯めてレベルアップすると該当レベルまでの報酬が貰えるシステムなのだが、無課金では半分以上ロックされた状態になっており、プレミアムパス(大体1000円)を買うことで全開放できるシステムになっている。このプレミアムパス商法は元ネタのOWでもやっているし特に思うところは無い。
 主な報酬として、サプライポッド、スタンプ、シーズンパス特別スキン、キャピタル等が挙げられる。まず本記事の中で述べたように、ガンエボはスキンが死ぬほどダサい。その中でもトップレベルにダサかったのがシーズンパス特別スキンである。ちょっとデフォルトからちょっと配色を変えた機体に謎のラインが入っているダサ過ぎて眩暈がしてくる素敵なスキンが主なラインナップ。また、プレミアムパスを購入するとシーズン毎に旗印になっている機体のレジェンダリースキン(例に漏れず激ヤバセンス。例えるなら七色に光るウ◯コ)がパスの最後で貰えるのだが、肝心の機体は貰えない。機体を持っていないとスキンの確認ができないため、貰ったレジェンダリースキンは機体を解放するまで見ることすらできない。
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集金手段であるパスの目玉商品に当たるものがダサいならまだしも虚無とは。この構造はおかしいと指摘する人は運営陣にはいなかったのだろうか。
 スタンプは多少マシなセンスだった(特に動くスタンプは数少ないセンス◎な部分)ので悪く無いが、やはりオマケ感は否めない。そうなるとシーズンパスで欲しいものはただ一つ、キャピタルということになる。このキャピタルもシーズンパス1回の中で2000しか貰えず、全部もらおうとするとデイリーとウィークリーを毎日こなして大体1ヶ月かかった。1ヶ月毎日頑張って、やっと1機体解放。それ以上はどれだけ頑張っても解放できる機体はナシ。シーズンパスを全部クリアして、延長部分ではめちゃくちゃ苦労してサプライチケットが貰えるだけ。
 ガンエボから人が居なくなった原因の多くがここに詰まっているように筆者は思う。自分で言うのも何だが、よく4シーズンもプレイし続けた。
 ちなみに、シーズン6からはデイリーで1日200キャピタル貰えるようになったらしい。とっくにサ終が決まった頃にやっても遅すぎるだろ・・・最初からやっておけよ・・・。

ダメポイント4:埋没都市ヘッドクォーター

 シーズン4から新マップ埋没都市及びヘッドクォーターという新ルールが追加された。このヘッドクォーターというルールを一言で言うなら「プッシュ(OW)の出来損ない」だ。流れとして、まず双方がドミネーション方式でマップ中心にあるポイントを奪い合う。マップ支配が確定したら支配した側が攻撃サイドとなり、相手拠点にある装置を攻撃して破壊するフェーズに移行する。マップ支配時に1pt, 相手装置を半分削って1pt,相手装置を破壊し切って1ptと攻撃側は1回で3pt貰える可能性がある。防衛側は相手が装置を破壊し切れなかったとき1ptだけ貰える。これを出撃地点を左右交互に替えながら5pt先取するまで繰り返す。
 このヘッドクォーターが心底ひどいルールだった。今まで何とか耐えれていた筆者のガンエボ意欲はここでポッキリ逝った。
 まず試合時間が長すぎる。例に漏れず、「公平性」のために最低一回は攻守を交代させられる。埋没都市は線対照と点対照を組み合わせたようなマップになっているから正直左右による違いはほぼ全く無いのだが、それでも攻守を交代させる。例えばマップ支配後、半分削れなかった場合はお互いのチームに1ptずつ入る。マップ構造は左右対称になっているため1フェーズ目で起こったこととほぼ同じことが大抵2フェーズ目でも発生する。そう、実力差が拮抗してる場合このルールでは最大5回出撃する必要が出てくる。実際には半分削って2:1ずつポイントを分け合うことになる場合が多いが、それでも最低3回は出撃しないと試合が決まらない。マップ支配でエキストラタイムに入ってもその後拠点破壊用に時間が足されるため、再度長々と戦うことになる。
 他のルールが大体10~20分前後で終わる中、このルールは平均して30分以上かかる。
 やっていて楽しいかと言われるとそんなことは無く、ルールの仕様上マップ支配フェイズを取れないと絶対に勝てないため、拠点防衛フェイズに入ってしまった時のモチベーションは大抵低い。このルールを踏んだ時の敵・味方の途中離脱率は異様に高く、やっぱりみんなやりたくないんだなという感じだった。
 このルールの評価は実装初期からぶっちぎりに低かった。ここで浮き彫りになったのがマッチングシステムの問題点である。マッチング時、マップはサーバー側で勝手に選ばれるため、基本的にプレイヤーはルールやマップを選ぶことができない。今までもルールもマップも選べなかったがどれも普通に楽しめた(この辺りのルールは大体OWの丸パクなため当然楽しい)ためそれほど問題になっていなかった。しかし、ここに来て特大のクソがマッチングシステムに混入。実装当初はヘッドクォーターが選択される頻度も高く(公式が告知)、ルールがよくわからないうちは楽しめていたが、数試合こなすとその日のうちにゲンナリするようになった。
 このルールはよほど大量に苦情が届いたのか、対応の遅さに定評があったガンエボ運営には珍しくシーズン5(実装の次のシーズン)でランクマで出現しない、勝利条件が3ポイント先取と変更された。(筆者はシーズン4で挫折したため改良後ヘッドクォーターは知らない。)
 この辺りから新ルールはゲームモードを分けろだったり、マップ投票をできるようにしろだったりといった苦情を見かけるようになった。確かにマップ投票くらい最初からあって当たり前なシステムだと思う。


ひとまずこのくらいだけど思い出したらまた書くかもです。

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