アメリカ大統領選挙後のBlue Bracelet Movement
はじめに
今日、SNSを開いてブルーブレスレット運動というものが目に止まったので、ちょっと調べてみた。
ブルーブレスレット運動とは
選挙後の連帯のシンボル
2024年の大統領選でトランプが次期大統領として当選した。民主党支持者の喪失感は見る感じ相当なものだった。ただアメリカらしいのは、負けた。もうどうしようもない。次の選挙まで我慢するしかない。で終わらず、動きがあり続けること。
それが「ブルーブレスレット運動」。この運動は、特に選挙結果に不満を持つ女性たちの間で支持を集めている。
私が住むのは赤い州の青いエリア。まだ実際にこのブレスレットをつけてる人は見たことがないがこれからまだ広まっていくのか...
起源と目的
ブルーブレスレット運動は、ドナルド・トランプの再選に対する反応として始まった。特にカマラ・ハリス副大統領を支持していた多くの女性たちは、選挙結果に対する不満と進歩的な価値観への支持を示す必要性を感じて行動に起こすことに。青いブレスレットは、トランプを支持しないことや彼の政策に反対することを示す、控えめながらも強力なシンボル。
拡散方法
冒頭に書いたようにTikTokなどので拡散されている。自分で青いブレスレットを作り、それを身につける動画がシェアされて、それを通じて連帯感や安全性を訴えるメッセージを伝えている。
#BlueBraceletMovement で支持者同士がつなっていく。
私がみた感じ、誠意を持って腕を見せて意思表示するタイプの動画、高齢女性が、どこで買えますか?と聞く動画、そして材料購入にウキウキしている動画なんかがあった。
シンボルと影響
青いブレスレットを身につけることは、トランプの政策や価値観に反対し、マイノリティコミュニティの味方であることを示すことになる。
これは、個々の人々が安全で支援的な存在であることを示し、コミュニティと相互支援の感覚を育む方法だと主張されてる。トランプ当選後にマイノリティ間で広まる不安な感覚にとって鮮やかなブルーは吉と出るか...
批判と論争
勿論反対意見も出てくる。
一部の人々は、ブレスレットを身につけることが実際の変化をもたらさない、単なるパフォーマンス!と主張している。表面的で何も解決しない、と。
例えばこんな意見
この動画では、ブルーブレスレットが守ろうとしている側の女性が声を上げている。
これまで黒人コミュニティが主導し、犠牲を払ってきた人種間の平等と正義の問題を単純化していると。
罪悪感を和らげたり不快感を避けたりしたいという願望の現れだ。というのが主な主張。
本当にその通りだと思う。
そういう観点からも必要なのはブレスレットではない。というとことはよくわかる。
本当に心を痛めて何かできることをしなくちゃ!との気持ちで起こった運動なのだと思う。でも相手が求めていないならそれは独りよがりの自己満足と言われても仕方がない。
ただ書いておきたいのは、同じ黒人女性でも、白人女性の青いブレスレットを見た時に数日ぶりにひと息つけたようなホッとしたような気持ちになったという投稿をした人がいた。
賛成!反対!と対立して騒ぎ立てればいいという単純な問題ではないようだ。
今後の展望
ブルーブレスレット運動の支持者は、ブレスレットは単に意思表示の1つであって、必要なのは声をあげ続けること!将来の選挙で投票する!
など、具体的な行動を取ることを奨励している。
私が見たほかの動画ではハリス支持でもブルーブレスレットはつけない。という人もいた。
青いブレスレットは必要はないよ。声をあげればいい、それだけだよ。
という意見。
私は概ねこの人の意見に賛同した。
ただ、困難な時期における連帯と支援の欲求を強調しているという側面からブレスレット装着が全く無意味な活動とは思っていない。
何かしたいけど、どうしたらいいかわからない人が最低限の意思表示として纏うことを止めることはできないし。
一緒に立ち上がることで、私たちは変化をもたらすことができる!
というのがこのブレスレットの持つ大事なメッセージ。
わたしの態度
今回のことで若い時にチベットを旅した時のことを思い出した。
ラサからシガツェまでのバスで凸凹道を走っていく。
途中バスが止まると何処からともなく子供たちが走ってきてお金をせがむのだ。バスに乗った観光客たちはシッシッと手で払う人、お金を渡す人など反応は様々。
一緒に旅した私の知人は、自分が残したお弁当を子供に渡していた。
私はそれを見てびっくりしてしまった。手をつけてない食事ではなく、残飯だ。
「あなたが残したのもあげたら?どうせ捨てるんだし。私たちが要らないものをあげてあの子供たちがお腹いっぱいになるなら嬉しいと思うよ」と彼女は言った。
私は当時20歳くらい。
でもできなかった。
「食べ残しをあげるという気持ちになれないから私はやめておきます」と答えた。
その時は私の正義感でそんなことすべきじゃないと思ったが、実際には代わりにお金をあげたわけでも、チベットの子供に寄り添う活動をしたわけでもない。
やったやらないでいえば、知人は少なくとも食事を与えた。でも私は何もしなかったのだ。ゼロ。
この運動は白人女性の運動だけど、
私は白人男性が青いtシャツをきて2人並んで歩いてるのを見た。
みんなそれぞれ自分にやり方で主張して声をあげる。
それが大事だと思う。
ブレスレットのアイディアは素晴らしいけどなんでも盛り上がると商業的になっていく。
商業の力で活動が支持されて広まり、うまく社会に作用すればいいのだけど、そうじゃない懸念もきっと出てくる。
ブレスレット、わたしは自分ではつけない。
選挙権のないマイノリティのアジア人であってチベットの時とは構造が違う。
ただ、アメリカに住む大人としてこれから先、目の前の誰かが困っていたら助けたいし手を差し伸べたいと思っている。
アメリカがどうなるか心配で仕方ない。
アメリカのこれからは世界のこれから。
混沌としてきた今の世界を憂うばかりだけど、何もしなかったチベットの時のままではいけないと思っている。