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コーヒーを飲みながら耳をすます

みなさんご存知の通り、谷川俊太郎さんが亡くなった。
アトムの歌も、教科書のあの詩も、どこかで聞いた優しい朗読も
みな谷川さんのものだった。

小難しいことは何もなく、詩を身近に感じさせてくれた。
偉大なる詩人であるにもかかわらず、私たちのすぐそばにいる身近な詩人で
それは亡くなった今でも変わることなく
谷川さんの紡いだ詩は私たちの周りに生きている。


小さい頃から好きな詩をいくつかめくってみたら
そこかしこに「耳をすます」というフレーズがある。
そういうタイトルの詩まで書かれているのだから谷川さんにとって
大切なキーフレーズなのだろう。

今この生活の中で、何もしていなくても目まぐるしく情報が溢れるスマホを手にしていると
立ち止まる時間がない。
暇だとスマホを手に取るので立ち止まらない。

これが現代だと思う。


そんな生活において、みみをすますということを
改めて考えてみる。
そしてみみをすますということは
立ち止まり、ごちゃごちゃと考えずに
静かに思いを巡らす時間なのだと感じる。
ある意味ジャーナリングと似ているかもしれない。
心の棚卸し。


みみをすます
きのうのあまだれに
みみをすます

(谷川俊太郎「みみをすます」)


そんな風に聞こえないはずの昨日の雨垂れに耳を澄ます時間を
私は今までに持って来れたかなと思う。
7、8歳頃からこの詩を知って誦じていたのに
耳を澄ましたことはないのではないかと思い当たる。


そんな雨の日の朝、コーヒーを入れながら静かな時間をもつ

photo by 100 Miles


コーヒーの雫が滴る音を聞きながら、
立ち上がる香りに胸が踊る。踊るけど、落ちついてくる。目を閉じて、その音を聴く。

外国生活で毎日失敗して、
私は自分の意思でもなくなぜここにいるのかと
後ろ向きな気持ちに向き合うばかりだったけど、
昨日の雨垂れに耳を澄ますように、心を澄まして今を感じる。


結構幸せな時間だ。


photo by 100 Miles

ホールフーズで買ったお気に入りのエチオピアコーヒー
美味しいので我が家の定番になりつつある。


そしてコーヒーのお供は
Trader Joe'sで買ったミニケーキ

photo by 100 Miles

アメリカのケーキは甘すぎることが多いけど、
それでもちょっと甘いものが欲しくなる。そんな時にいいサイズ。


Photo by 100 Miles


美味しいコーヒーを淹れて、noteを書いて、
これから少し静かな時間を持つつもり。


MacBookも閉じてコーヒーを楽しみながら、
耳をすましてみよう。


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