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補欠選挙に立候補した異色の経歴の白坂氏ってどんな人?
国会議員の欠員を補充する補欠選挙が始まりました。5つの補欠選挙が行われますが、その中でも参議院大分選挙区の補欠選挙は与野党一騎打ちの構図になりました。
この与野党一騎打ちの参議院大分選挙区の補欠選挙には異色の経歴の持ち主が出馬しています。それが白坂亜紀氏です。白坂氏は大分県の竹田市の出身で、立候補をする前は東京都内で飲食店を経営する実業家でした。また経営者としての一面を有していますが一方で、大分県の「豊の国かぼす特命大使」を務めていました。このかぼす大使制度は様々な視点から大分県の発展に寄与することを目的とし、1993年4月にスタートしたものです。
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実業家でありながら、地元大分県の発展に力を尽くしている白坂氏ですが、今回何故立候補に至ったのでしょうか。それには大分県が置かれている新型コロナウイルス感染症後の経済状況があります。
新型コロナウイルス感染症の影響により、大分県の経済は他の都道府県と同様に打撃を受けました。特に観光産業を中心に、飲食業や小売業などにも影響が及んでいます。
県内外からの観光客が減少し、2011年から2019年にかけては、年々増加傾向にあり、2019年には過去最高の9,840,000人が訪れました。しかし、2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により、観光客数が大幅に減少し、4,400,000人にまで落ち込みました。その影響を受けた観光関連産業において売り上げが大幅に落ち込みました。また、外出自粛の影響により、飲食店や小売店なども売り上げが減少しました。
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大きな打撃を受けた大分県の経済ですが、この状況を見て選挙に出馬したのが、飲食店の経営者として名前が知られていた白坂亜紀氏です。白坂氏は20代で飲食店2店舗を開業しました。もちろん、大分県の飲食業が新型コロナウイルスの影響で打撃を受けたのと同じように白坂氏が経営する飲食店も打撃を受けました。
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この新型コロナウイルスの影響によって白坂氏が経営していた4店舗のうち、1店舗は緊急事態宣言が明けた2020年6月末に閉店することになりました。この緊急事態宣言下で大きな負担としてのしかかっていたのが店舗の家賃です。
白坂氏自身の経営する店舗のみではなく同業者も大きな打撃を受けましたが、この新型コロナウイルスの打撃を受けた後、FRIDAY DIGITALに白坂氏は次のように語っています。
銀座に来るお客様は、例えていうなら回遊魚みたいに何軒も回るので、いいおもてなしができるいい店を紹介したい。失礼な言い方ではありますが、若い経営者や女性スタッフ、そしてお客さんも育てながら、紹介できるお店の仲間を増やしたいんです
この白坂氏の言葉からは、自らの経営する店舗だけが成長していけばいいのではなく、その地域の文化を育んでいくことを重視している姿勢が見て取れます。この新型コロナウイルス感染症以外にも白坂氏が危機に直面したことはありました。それが2008年に起きたリーマンショックです。リーマンショックの際には銀行が連日自宅に押し掛ける事態になったといいます。
リーマンショックに新型コロナウイルス感染症と危機を乗り越えてきた白坂氏にとって苦境に晒される飲食業をはじめとした業界を見て見ぬふりをすることはできなかったに違いありません。
東京で成功を収めた白坂氏ですが、成功を収めた地への恩返しの姿勢も見られます。それが「銀座ミツバチプロジェクト」です。銀座で蜂蜜を採るプロジェクトですが、ミツバチの飼育を通じて、子どもたちへの環境教育や食育、そして都市間を養蜂でつなぐ活動も行っているといいます。
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自らを成功させてくれた街への貢献は、今回の参議院大分選挙区の補欠選挙への立候補とも通じるものがあるかもしれません。
今回の補欠選挙に立候補するにあたって開設したホームページには白坂氏が掲げる政策が掲載されています。その政策の中には地元大分県に関するものも掲げられています。
大分でずっと暮らしていけるように、コロナ禍で影響を受けた地域経済を支え、農業・林業・水産業が持続できる社会を実現する
大分の暮らしと皆さんの命を自然災害から守るために、防災・減災・国土強靭化への取り組みを進め、豊かな環境を維持できる社会を実現する
これまでの白坂氏の活動をみた上で、掲げている政策を見ると、地元への恩返しをしたいという想いが強く伝わってきます。
異色の経歴の持ち主の白坂氏の選挙戦を注目していきたいと思います。