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高校野球の限界

はじめまして。ピラフと申します。

みなさんは高校野球というとなにを思い浮かべますか?

白球や青春、そして甲子園といったところでしょうか。

確かに、高校野球に関わる者だけでなく、高校野球ファンにとっても甲子園は憧れの場所だと思います。

多くの高校球児がこの場所を目指して、日々練習に励んでいます。

しかしその一方で、甲子園どころか練習試合すらままならない高校野球のチームも存在しているのです。

高校野球では連合チームという制度があるのをご存知でしょうか?

通常は1校1チームで大会に出場するのですが、1校では部員が9人集まらない学校が、他校とチームを組んで大会に出場する制度です。

私が住んでいる神奈川県では2012年からこの制度が始まりました。当初はほんの一握りの学校が連合チームとして大会に出場していた印象があります。

今年度の夏の大会は全176チーム中、8チームが連合で出場するようです。

また、これまで連合チームを組むのは、学校の統廃合で生徒の募集がない、または募集が少なくなったところや、あるいは世間で教育困難校と言われる学校が多かったように思います。困難校では生徒の多くがアルバイトをしており、学校全体として部活動が盛んでないためです。

しかし、この傾向も少し変わってきました。公立高校は今後、いわゆる進学校や、中堅校も連合チームになっていくでしょう。

それはなぜか?
これまで公立高校に入る野球部員の供給元となっていた中学校の野球部で軟式をプレーしている生徒が減っているからです。

県内では硬式のシニアリーグやヤングリーグ、ポニーリーグに所属するクラブチームが乱立し、これまで中学校の野球部に所属していたような選手が分散しました。その結果、中学校でも単独でチームを組めず、連合で大会に出場しているケースがあると聞きます。

では、県内全体で野球部員が減っているとかといえばそうではありません。100人を超える部員を擁している、強豪私立校がいくつもあるのです。

そうした強豪私立校は中学生のスカウティングを盛んに行います。県外の生徒に声をかけることもあるようですが、あまり派手なスカウト行為は周囲からの風当たりが強いので基本的には県内の中学生に声をかけるようです。そこでターゲットとなるのは、シニアやヤングといった硬式のリーグに所属する選手たちです。

特に有望な選手のスカウトには授業料免除などといった特待生制度を使います。ここまではよく知られている話だと思いますが、特待生としてスカウトするチームからはもう2〜3人、いわゆる"バーター"として迎え入れることが多くあるのを知っていましたか?この"バーター"が払う学費が特待生分の学費になるからです。もちろん彼らは自分がバーターだとも知らず、名門校に声をかけられたと喜んで入学するわけです。
また、クラブチームからすれば、去年の3年生はあの名門高校に〜人行きましたという宣伝になり、甲子園に憧れる中学生を集めるわけです。

こうした図式を変えないことには、この連合チームの増加というピンチは解決できないでしょう。

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