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嵐の中の船 伊藤正夫の歯ミング噛ミング静岡編五話

 わたしは、歯科インプラントの手術を行う口腔外科医なので、題字はハミングとカミングに掛けています。歯のこと喰うこと生活のこと、旅の中で楽しく語っていこうと思います。

 静岡編では、静岡県にゆかりの人や出来事や土地を取り上げて、お話をします。もしよろしければ、YouTubeでも同じ内容を動画にしていますのでご覧ください。今日のタイトルは「嵐の中の船」です。
  
 わたしは若い頃にセイリングをしていたことがあります。静岡県では浜名湖で小型のヨットでレースをしました。また遠州灘沖合を航行して伊豆七島を周航したこともあります。
 
 このヨットですが、クルーザーといっても小舟ですから、嵐はもちろんのこと少し波浪が高くなるだけでも船上の大騒ぎで、生きた心地がしません。グレートウェーブといえば葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」のことで、世界中の有名雑誌の表紙を飾りますし、政治や経済の大問題が起きる時には、やばいアイコンとして使われます。
 
 巨大な波がバレルを描き、押送船おしおくりぶねと呼ばれる和船が波裏に駆け上がり、大波の彼方に富士山が鎮座しています。 富士山は救いの手を差し伸べるお地蔵さんのようです。
 
 この押送船という船は、房総半島の海産物を江戸に運ぶ船と書いてありました。この押送船を「入れ歯」神奈川沖の海洋を口腔と思い描いてください。
 
 口内炎といってくる人は、確かに口内炎のこともありますが、意外に知られないのが口傷です。コウショウと発音して「人を噛む咬傷」ではなく、「自分を噛む咬傷」です。
 
 口の中では、猛烈な勢いで吸引し、バッサバッサと何かを切り裂き、すり潰す。音を綺麗な形に整えるためにぶるぶる振るわす。そうやって普段から嵐が吹き荒れているのです。ところが怪我をしないように唇や舌や頬あるいは口蓋と呼ばれる咽頭に至る部分は、チュッパチュッパやりながらも自らは傷つかないよううまいこと運動の調整をします。これがうまくいかないと、我と我が身を噛んでしまう。イッターということになるのです。そんな口の中に突然放り込まれた入れ歯は、まさに神奈川沖浪裏の押送船そのもので、波間に翻弄されます。うまく落ち着き先を見つけた者に幸あれ。入れ歯が彷徨う人もいます。
 
 そういう時はインプラントで、入れ歯という船にアンカーを与えることができます。
 
 インプラントにいろいろな装置を付けて、このあたりは歯科技工士さんの腕の見せ所になるわけですが、本当に工芸品のような入れ歯をこさえて、パッチーンと嵌め込むわけです。これがいいのは、なによりフガフガしません。

 それにナッツも食べられるようになる。落花生、カシューナッツ、アーモンド、くるみ。こんなナッツにはチロシンという重要なアミノ酸が含まれている。体内でドーパミンに変化して、ヤル気の元になります。

 世の中には、元気が出ない人もいれば、元気いっぱいの人もいます。 
食べ物にも少し目を向けるといいかもしれませんね。

 わたしはインプラントを専門にしておりますので、悩みごとや相談をお受けします。静岡では、敬天堂けいてんどう歯科医院に参る折にお話を伺おうと思います。入れ歯にインプラントでアンカーを与えるようなことは敬天堂歯科医院の蒔田真人先生はとてもお上手なので、そちらでご相談になられてもいいです。伊藤正夫のインプラント相談は電話054 255 5125でご予約ください。

 今日はこれくらいで。ごきげんよう、さようなら。

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