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連続小説 MIA(11) | Memories in Australia

ミゲルとテオが、竜崎に好ましく思われていないことは明らかだった。明日、竜崎に会う約束がある。仕事内容を聞きながら、仲間の情報を引き出せないものか。こちらの思惑通りに竜崎が例の仕事について話してくるならば、糸口がつかめるかもしれない。竜崎に仲間がいることが確認できれば、テオを襲ったのは竜崎とその仲間である可能性が高い。ミゲルたちが借りた金は、彼らが竜崎に返すべきものだ。それにしても、集団で背後から襲うなんて卑怯なやり方は許せない。僕は竜崎からどうやって情報を引き出しそうかと考えた。僕が、ミゲルとテオと同じ部屋に宿を取っていることを彼は知っているだろうか?彼はそれを知っていて、僕に近づいた?分からない。僕はうなりつつ、ベッドで寝返りを打った。すると、シーツの下に入れていたものの存在を思い出す。それは、僕が念のために隠しておいたパスポートだった。それを見て一つの案を思いついた。
 翌日、僕は竜崎と約束通りレストランで落ち合った。その店はサーファーズパラダイスのメイン通りにある、地元民に人気のカジュアルな雰囲気のビストロだった。僕たちは、案内された席に着く。そこは外気が入るように大開口窓が開け放たれた、通り沿いに面したテーブルだった。まずはビールで乾杯をし、緊張を解いた。竜崎は僕に食事を勧めた。メインディッシュは、グレービーソースがたっぷりかかった、顔の大きさほどもあるTボーンステーキだった。僕はなんとか胃袋に押し込み、エスプレッソを注文した。竜崎は長い前髪を耳にかけ、おいしそうにバニラアイスを食べている。「さて、」腹が落ち着いたところで、竜崎は話を切り出した。「晶馬はどのくらい、ゴールドコーストに滞在するつもりなのかな?」僕は答える。「ここは気候もいいし、長居したいと思うよ。竜崎さんという、素敵な人にも出会えたしね。ただ、滞在するには少し資金が心細いな」竜崎は、いつものようにニコニコしながら聞いている。「竜崎さん、仕事の相談なんだけどさ」アイスクリームのスプーンを丁寧に舐め終えた竜崎が指を組み、僕を直視する。「その件なんだけどね、」一息つく。「晶馬。君、散歩は好きかな?」

つづく(※平日の正午ごろに連載を更新します)

It was clear that Miguel and Theo were not well liked by Ryuzaki. Tomorrow, Ryuzaki would I have an appointment. We wondered if it would be possible to extract information from him about his fellow workers while asking him about the nature of his work. If Tatsuzaki told us about the job as we had hoped, we might be able to get a clue. If we can confirm that Tatsuzaki has friends, it is highly likely that it was Tatsuzaki and his friends who attacked Theo. The money Miguel and his friends borrowed should be paid back to Tatsuzaki by them. Still, it is unacceptable for a group of people to attack from behind in such a cowardly manner. I wondered how I could get information out of Ryuzaki. Does he know that I am staying in the same room as Miguel and Theo? Did he know this and approach me? I don't know. I groaned and turned over in bed. Then I remembered what I had tucked under the sheets. It was my passport, which I had hidden away just in case. Seeing it, I came up with an idea.

The next day, I met Ryuzaki at a restaurant as promised. The restaurant was a casual bistro on the main street of Surfers Paradise, popular among the locals. We took the seats we were shown. We were seated at a table facing the street with a large window open to let the outside air in. We first toasted with beer to relieve tension. Ryuzaki suggested I eat. The main dish was a T-bone steak the size of my face, with lots of gravy. I managed to stuff it into my stomach and ordered an espresso. Ryuzaki, with his long bangs hanging down over his ears, was eating a bowl of vanilla ice cream, looking delicious. Now," Ryuzaki began, when my stomach had settled down, "I'd like to talk about something else. How long do you plan to stay on the Gold Coast? I answer. The climate here is nice, and I think I would like to stay here for a long time. I've met a wonderful person, Mr. Ryuzaki. But I'm a little nervous about the funds to stay here," Tatsuzaki said, smiling as usual.      I'm not sure what to say about that," he said, taking a breath.”Shoma,you like to go for walks?”

To be continued (*The series will be updated around noon on weekdays.

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𝗡𝗮𝗼𝗵𝗶𝗿𝗼 𝗞𝗼𝘀𝗮 | 小佐 直寛
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