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自閉症の診断までの道のり:親として直面した大変さと支え

自閉症スペクトラム障害(ASD)の診断を受けるまでの過程は、親にとって心身ともに大きな負担がかかることが多いです。私たちも、わが子の発達に気づき始めたころから、診断が確定するまでに多くの困難と向き合ってきました。今回は、自閉症の診断を受けるまでの道のりを振り返り、その中で感じた大変さや気づき、そして支えになったことについてお話しします。


1. 最初の不安:子どもの発達に対する違和感

最初に感じた違和感は、わが子が他の子どもたちと少し違うことに気づき始めたときです。言葉の発達が遅い、周りとあまり関わりを持たない、特定の動きや習慣にこだわりが強いなど、日常生活の中で少しずつ「何かが違う」と感じるようになりました。しかし、こうした違和感をすぐに「自閉症かもしれない」と結びつけるのは簡単ではありませんでした。

「子どもはそれぞれ成長のペースが違う」と自分に言い聞かせ、時には周囲からもそう言われることがありました。特に初めての育児だと、何が通常の発達範囲なのかが分かりにくいことも多いです。しかし、私たちの心の中では、次第に「このままで良いのだろうか?」という不安が強くなっていきました。


2. 病院での診断までの道のり:長い待ち時間と専門家とのやり取り

自閉症の診断を受けるためには、まずはかかりつけ医や保健師に相談し、専門機関へ紹介してもらうことから始まります。私たちも保健師の勧めで、専門医の診察を受けることになりました。しかし、この時点で既に大きな壁が立ちはだかります。専門医の診察を受けるためには、長い待ち時間が必要でした。

予約が取れても、実際に診察を受けられるのは数ヶ月先ということが少なくありません。その間、私たちは子どもが少しでも落ち着いて過ごせるよう工夫しながらも、**「診断が出たらどうなるのか?」**という不安に押しつぶされそうになりました。

診察が始まると、医師とのやり取りや観察が続きます。発達検査や行動観察、質問票の記入など、親として協力しなければならないことも多く、**「私たちの行動が子どもの未来にどう影響するのか?」**というプレッシャーが常にありました。これが診断に至るまでのプロセスの中で、最もストレスを感じた瞬間でもあります。


3. 診断を受けた後の感情:安心と戸惑い

ようやく診断が下されたとき、**「やっと分かった!」**という安堵の気持ちがありました。しかし、同時に新たな戸惑いや不安も生まれました。診断がついたことで、これからどのようなサポートが必要なのか、どんな療育が効果的なのかという次のステップに進む責任を強く感じました。

特に、**「今後の子どもの将来はどうなるのか?」**という漠然とした不安が頭から離れませんでした。また、周囲にこの診断をどう伝えるか、家族や友人の反応はどうかなど、社会的な側面でも悩みが生じました。


4. 親として感じた支えと大切なこと

この診断までの過程で、私たちを支えてくれたのは、他の親御さんとの交流や専門家からのアドバイスでした。同じような悩みを抱える親たちと繋がり、経験を共有することで、孤立感が薄れていきました。診断を受けたことで、私たち自身も子どもをより理解し、適切なサポートを提供できる自信が少しずつついてきました。


まとめ:診断はゴールではなく、新たなスタート

自閉症の診断を受けるまでの道のりは、親にとって大変なプロセスですが、それが終わりではなく、新たなスタートであることを実感しました。診断がついたからこそ、適切な支援や療育を受けることができ、子どもの可能性を広げる第一歩を踏み出すことができるのです。もし同じように診断を待っている親御さんがいたら、焦らずに、周囲のサポートを頼りながら進んでいってほしいと思います。

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