冷気について
ご覧いただきありがとうございます。今回は夏のこの時期に欠かせない冷気について、どのような仕組みで冷たい空気を発生させているのかについて書きたいと思います。
冷気が発生するものはどんなものがお思い浮かびますか?エアコン、冷蔵庫、冷凍庫などが主に挙げられると思います。
さて、これらの製品はどのようにして冷気を発生させているのかというと液体が気体へ蒸発するときに吸収するときの熱(蒸発熱)を利用しています。
いきなり蒸発熱といわれても…という人が多いと思うので、皆さんが経験している具体例を挙げると、「湯冷め」が分かりやすいと思います。
お風呂あがりに体を拭かずに服を着ないでいると冷えますよね、それは体に付着している水分が水蒸気になろうとして熱を吸収するからです。
エアコン、冷蔵庫などの冷気を発生させる製品には、共通して冷媒、圧縮機(コンプレッサー)、凝縮器(コンデンサー)、毛細管(キャピラリーチューブ)、冷却器(蒸発器)があります。
冷媒は熱を吸収する液体(湯冷めでいう水分)のことで現在はイソブタンが多く使われています。この冷媒は -11.7℃で蒸発するため、通常はガス状です。このガスが圧縮機(コンプレッサー)によって圧縮され、高温高圧のガスとなります(圧力を上げると温度が高くなります)。圧力を上げる理由は次の凝縮器で室温でガスを液化(凝縮)できるようにするためです。
その高温のガスを冷やすために凝縮器(コンデンサー)でファンなどによって外部に熱が放出され、室温(25℃くらい)程度までガスが冷やされ液体になります(圧力が高圧のままなので室温で液体になります)。その後、毛細管(キャピラリーチューブ)を通すことで高圧の冷媒の圧力を低下させます。この時の圧力の低下により冷媒の温度がさらに低くなります。(圧力が下がると温度も下がります)。
この温度が低くなった冷媒を冷却器に流し、そこに風を送ることで冷気が生み出されます。冷媒は周囲の熱を吸収してガス状になり(蒸発)、再び圧縮機に送られ、上記を繰り返すことで連続した冷気を生み出しています。
温度の制御は冷却器に送る冷媒の量などで調整しています。
大まかな冷気の発生の説明をしましたが、冷蔵庫の霜取りが不要なものはさらに工夫がされており、またホテルなどにある小型冷蔵庫などは電流で冷却するという異なる冷却の方法がとられています。それはまたの機会に。