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当時、恋人に宛てた手紙

Aへ
 まずは昨日で20歳、明日で3ヶ月記念、おめでとうとありがとう。Aと付き合って12週間経つけれどものすごく楽しくて幸せで正直まだ実感がないというか、夢の中とまでは言わないけれど不思議な感覚になります。とても濃い時間で1週間と言われればそんな気もするし、反対に1年と言われても納得できそうな、そんな印象的な3ヶ月でした。改めて、こんな俺と付き合ってくれてありがとう。
 さて、初めての手紙の内容も構成も決めずに書き始めていますが(長くなったり、分かりづらかったり、はたまた恥ずかしいこと書くかも知れないけれどどうか我慢してください)、とりあえずAとのことで普段感じてることや考えていることを書ければいいなと思ってます。知ってるとは思うけどこんな機会でもないと正直に自分の思ってることを言えないのが俺なんです。
 まあ最初は5年前の自分の気持ちでも書いて見ようかと思います。中3のときに初めてクラスが一緒になったとき、まさかAを好きになって、それが俺の学校に行く理由になるなんて想像もしてませんでした。いつも言いますが、好きになったのには何かこれといったきっかけがあったような訳では無いと思います。ただAがいつも話しかけてくれて、それもまっすぐ目を見て、短いけれど会話?をしたのをよく覚えています。俺は(自分自身も含めた)人の行動に理由を求めたがる傾向があるので、きっとそんなAの行動を自分のことを少しでも気になってくれているとでも都合よく解釈して勝手にAを意識し始めたんじゃないかと、今ならそう感じます。だからよく授業中にも関わらずAの方を見てしまい、そう言う時に限って、目があったのを覚えています。おそらくそんなこと積み重ねでAのことばかり考えるようになって、受験が終わる頃には俺の中でAのことが好きなのは確信に変わっていました。よ。ただ、当時は自分の気持ちの気づいたときからと言って、次の一歩がどんなものなのか分からず足踏み状態でした。好きなのは間違いないけれど、自分の気持ちを伝えるべきなのか、告白して付き合うものなのか、まず第一にAの好きな人は誰なのか、などと色々考えてしまっていました。とは言え、俺たちが自分の思いを相手に直接伝えなかったのは結局、伝えてしまえばたとえ両想いでもどちらか一方の片想いでも、あの関係性が崩れてしまうのが怖かったんだと思います。あと少し近づきすぎても、逆に離れすぎても二度と元通りに戻せないようなそれくらい当時の俺たちは微妙な距離感だったような気がします。だからお互いの核心に触れることは避けてただ目の前の一日一日を過ごしていたと認識しています。少なくとも俺は?そんなことしてたら卒業が近くなって指で数える程度しか登校日が残されておらず本気で焦り始めたのが、ちょうど5年前の今頃でしょう。Aと会えなくなるのが嫌だと言うのが卒業したくない唯一理由でした、大袈裟でも何でもなくて。それくらい好きで、一緒にいる時間が幸せでした。うん、恥ずかしいなこれ。けど結局いつまで経っても告白できなかったのは、Aが好きな人が自分だと言う確信が持てずフラれるのが怖かったから。本当に情けない男だと自分でも思います。そのことで5年間も後悔することになるんですから。だからこそこないだ再開したときは結果がどうなろうと直接自分の想いを伝えようと決心していました。なんだか、話しの終わりが見えて来ないので過去の話しはここで止めようと思います。他の話しやAと会ってない時期の俺の気持ちなんかはまた今度の機会にとっておくことに。
 次はいかに今のAのことが好きかもう一回確認でもしようと思います。文字に起こして初めて気づくことも多いと思うので。好きなのは中3のときも、会ってなかったときも、今も、そんでもってこれからも変わりませんが、ぼんやりとしていたものが輪郭を持つようにAの好きなところが見えてきたのは、成人式の日に再開してまた関わるようになってからです。ということで今さっと思いつくものだけでも書き上げていこう思います。まずは雰囲気や人柄、性格ですね。自分の気持ちや感情に素直なところ。自分の好きなことにまっすぐなところ。努力し続けられるところ。誰かの気持ちに共感しやすいところ。責任感が強いところ。優しいところ。周りをよく見て気を使いすぎてしまうところ。すぐ泣いてしまうところ。実は色々考えすぎなくらい考えているところ。終まゆげわる気がしないので、次へ。もちろん見た目や振る舞いも大好きです。長くて綺麗な黒髪も、(A自身はあんまり好きじゃないって言うけれど)黒目が大きい目も、形も大きさも完璧な鼻と口も、すべすべな肌も、顔の形やバランスも、あと何よりも笑ったときの顔も、モデルにみたいに高い身長も、スタイルも、可愛い声も、話し方も、歩き方も、すぐ眠るところも、プニプニな手も、ごめん怒らないで、寝てるときの顔も、恥ずかしがる仕草も、食べてる姿も。こっちも全部あげたらあと半日はかかりそうなんでとりあえずここまで。それにこれからもどんどん増えていきますしね。全部大好きです。我ながらなかなか気持ち悪いですが、すべて本心なので仕方ないです。本当に俺にはもったいないくらい可愛い彼女です。きっと自分とは正反対なところにも惹かれたんだと思います。
 最後にこれからのことも含めた2人のことを少しだけ書こうと思います。Aによく気使ってるっ言われる俺だけど、本当にそんなことなくて我慢してることはないよ。俺はAといれるだけで幸せで、むしろAの優しさに甘えてる部分の方が多いように思えます。だからAも俺に言いたいことがあったらすぐに伝えて欲しい、俺もそうするから。本音を言い合うのはずっとAと一緒がいいからで、これから遠距離なったらますます直接的な会話が出来なくなって物理的な距離だけじゃなくて精神的なものまで離ればなれになりたくないから。正直話し寂しいし本当はAと離れたくないです。けど長い付き合いにしたいからこそ現実とは向き合わないといけないんだと思います。今はまだお互い学生で時間も心も余裕があるけれどこれから先、やりたいことや仕事あるいはもっと他の事情で2人で乗り越えなきゃならない辛いこともあるだろうからこの遠距離はその練習だって思ってます。それでも花音のこと考えながら頑張って遠距離でもやっていける自信はあるよ。まぁようはAを悲しませたり、不安にさせたりするようなことがないよう精一杯頑張ります。ってこと。
 なんか書きたいこと適当に書いてしまったけど、これは伝えたいことの0.1%くらいにしかなってません。初めての手紙なのでとりあえずはこれくらいに留めて起きたいと思います。まぁ最後になりますが、改めて3ヶ月ありがとう、そんでこれから先もよろしくね。本当に大好きです。はい。

Hより

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