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雨より冷たい君の

憂鬱を纏った港の雨は 

透明な二人の頬を濡らし

僕を握る君の手が痛い

硬く結ばれたその口は

不安と不満を静かに語る

こんな季節外れの花火では

僕らの結末は書き直せないと知りながら

零れ落ちそうに浮かぶ涙に

今更になって鼓動は速まるばかりか

湿った地面で濡れないようにと

君を膝の上に座らせたけれど

今はただその軽さだけが辛い

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