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【企業経営理論#24】新規事業開発/イノベーション戦略


新規事業開発/イノベーション戦略

今回は、” 新規事業開発/イノベーション戦略 ”についてです。

新規事業開発やイノベーション戦略は、企業が長期的な成長と競争力の維持を実現するために、新しい製品やサービス、ビジネスモデルを創造し、市場に投入するための戦略です。

既存事業の成長が鈍化したり、市場の変化に対応したり、新たな収益源を獲得したりするために、重要な戦略となります。





新規事業開発とイノベーションの違い

新規事業開発とイノベーション戦略は、どちらも企業の成長と発展に欠かせないものですが、その焦点範囲が異なります。

新規事業開発

  • 焦点:新しい事業を創出し、市場に投入すること。

  • 範囲アイデア創出から事業化市場投入までの一連のプロセスを含む。

  • 目的

    • 新規市場への参入

    • 新規顧客の獲得

    • 新たな収益源の確保

    • 事業ポートフォリオの多様化

    • 既存事業の再活性化

    • など


イノベーション戦略

  • 焦点新しい価値を創造すること。

  • 範囲技術製品サービスプロセスビジネスモデル組織 など、 企業活動のあらゆる側面におけるイノベーションを含む。

  • 目的

    • 競争優位の獲得

    • 持続的な成長

    • 企業価値の向上

    • 組織の活性化

    • 社会への貢献

イノベーション戦略はより広範囲な概念であり、新規事業開発は、イノベーションを実現するための具体的な手段の一つであります。

イノベーションを通じて新しい事業を創造することはできますが、
イノベーション自体が新規事業につながるとは限りません。

そのため、新規事業開発は、イノベーション戦略の一部と捉えることができます。





イノベーションの種類

イノベーションは様々な分類ができますが、主なものをいくつかご紹介します。

  1. 製品・サービスイノベーション:革新的な新製品や新サービスを開発。

    • 既存製品の改良や新技術の導入なども含む。

    • 例:電気自動車、スマートフォン、AIサービス

  2. プロセスイノベーション:業務プロセスや生産プロセスを改善する。

    • 効率を向上させたり、コストを削減したり、品質を向上させたりすることを目指します。

    • 例:かんばん方式、リーンスタートアップ

  3. ビジネスモデルイノベーション:新しいビジネスモデルを創造する。

    • 既存のビジネスモデルを根本的に変革することで、新しい価値を創造し、新しい市場を開拓します。

    • 例:サブスクリプションモデル、シェアリングエコノミー、プラットフォームビジネス

  4. 組織イノベーション:組織構造やマネジメントシステムを変革する。

    • 新規事業やイノベーションを促進する組織を作ることを目指します。

    • 例:アジャイル組織、ホラクラシー

  5. マーケティングイノベーション:新しいマーケティング手法を導入する。

    • デジタルマーケティング、ソーシャルメディアマーケティング、コンテンツマーケティングなど。





イノベーション戦略のプロセス

新規事業開発のプロセスは、一般的に以下の段階に分けられます。

  1. アイデア創出:新しいアイデアを創出する。

    • ブレインストーミング、市場調査、技術トレンド分析、産学連携⁽¹⁾による共同研究など。

      1)産学連携:企業と大学や研究機関が連携し、相互の知見や技術を活かして、新規事業開発やイノベーションを促進する取り組み。

  2. スクリーニング:実現可能なアイデアを選定する。

    • 市場規模、収益性、リスクなどを評価。

  3. コンセプト開発:アイデアを具体化し、コンセプトを作成する。

    • 製品・サービスデザイン、バリュープロポジション、ターゲット顧客などを明確化。

  4. 事業分析:事業計画を作成し、実現可能性を検証する。

    • 市場分析、競合分析、財務予測など。

  5. 開発:製品・サービスを開発する。

    • 試作品作成、テスト、改善。

  6. ローンチ:製品・サービスを市場に投入する。

    • マーケティング、販売、顧客サポート。

  7. 評価:結果を評価し、改善を行う。





まとめ

新規事業開発/イノベーション戦略は、企業が長期的な成長を実現するための重要な戦略です。

イノベーションを継続的に創出することで、競争に勝ち抜き、持続的な成長を実現することができます。

今回まで、企業戦略(成長戦略)についてまとめてきました。
次回からは、事業戦略(競争戦略)について、複数回にわたってまとめていきます。





復習問題

問題1:穴埋め問題

  1. 新規事業開発の焦点は、新しい事業を( ① )し、( ② )に投入すること。

  2. イノベーション戦略の焦点は、新しい( ③ )を創造することです。

問題2:記述問題

イノベーションの種類を3つ挙げ、それぞれ説明してください。

問題3:多肢選択問題

以下のうち、新規事業開発の目的として適切なものをすべて選びなさい。

a. 新規市場への参入 b. 新規顧客の獲得 c. 既存事業の成長 d. 事業ポートフォリオの多様化 e. 従業員のモチベーション低下

問題4:多肢選択問題

以下のうち、イノベーション戦略の目的として適切なものをすべて選びなさい。

a. 競争優位の獲得 b. コスト削減 c. 組織の活性化 d. 企業価値の向上 e. 組織の硬直化

問題5:多肢選択問題

以下のうち、イノベーションの種類として適切なものをすべて選びなさい。

a. 製品・サービスイノベーション b. 技術イノベーション c. プロセスイノベーション d. 価格イノベーション e. 組織イノベーション

問題6:記述問題

ある飲食店が、新規事業開発として、どのような事業を立ち上げることができるでしょうか? 具体的な例を挙げて説明してください。

問題7:記述問題

ある製造業が、イノベーション戦略を推進する際に、どのような課題に直面する可能性がありますか? 具体的な例を挙げて説明してください。

解答

問題1

  1. ① 創出 ② 市場

  2. ③ 価値

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245字

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