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【企業経営理論#13】SWOT分析


SWOT分析

SWOT分析は、企業の 内部環境⁽¹⁾ 外部環境⁽²⁾ を分析し、現状を把握することで、戦略策定 に役立てるフレームワークです。

Strength(強み)Weakness(弱み)Opportunity(機会)Threat(脅威)の4つの要素を洗い出し、それぞれの関連性を分析することで、効果的な戦略を導き出すことができます。


1)内部環境とは

内部環境とは、企業の内部に存在する、経営活動に影響を与える様々な要素 のことです。

外部環境分析が「機会」と「脅威」を把握するためのものであったのに対し、内部環境分析では「強み」と「弱み」を把握することを目的とします。

企業は、内部環境を分析することで、

  • 自社の現状を客観的に理解し、

  • 競争優位の源泉を特定し、

  • 経営資源の効率的な活用を図り、

  • 持続的な成長を実現するための戦略を策定することができます。

<内部環境を構成する要素>

  • 経営資源

    • ヒト: 従業員の能力、スキル、知識、経験、モチベーション、リーダーシップ、組織文化など

    • モノ: 設備、機械、工場、土地、建物、在庫、原材料など

    • カネ: 資金、資本、資産、負債、収益など

    • 情報: 顧客データ、市場データ、技術情報、競合情報など

  • 組織構造: 組織図、部門構成、権限関係、意思決定プロセス、情報伝達経路など

  • 経営戦略: 企業理念、ビジョン、ミッション、事業戦略、競争戦略、マーケティング戦略など

  • 組織文化: 価値観、信念、行動規範、風土、コミュニケーションスタイルなど

  • 技術力: 研究開発力、技術革新力、特許、ノウハウなど

  • ブランド: ブランドイメージ、ブランド認知度、ブランドロイヤルティなど

2)外部環境とは

https://note.com/humble_prawn2177/n/nf8537fd19a35



SWOT分析の4つの要素

  • Strength(強み):企業の 内部環境 における プラス の要素。

    • 競争優位性

    • 独自の技術

    • 優秀な人材

    • 強力なブランド

    • 充実した顧客基盤

    • 効率的な生産体制 など

  • Weakness(弱み):企業の 内部環境 における マイナス の要素。

    • 資金不足

    • 技術力の不足

    • 人材不足

    • ブランド力の弱さ

    • 低い顧客満足度

    • 非効率な組織構造 など

  • Opportunity(機会):企業の 外部環境 における プラス の要素。

    • 市場成長

    • 新規市場の開拓

    • 競合の衰退

    • 技術革新

    • 法規制の緩和

    • 社会トレンドの変化 など

  • Threat(脅威):企業の 外部環境 における マイナス の要素。

    • 競合の出現

    • 市場の縮小

    • 技術革新による陳腐化

    • 法規制の強化

    • 経済状況の悪化

    • 社会トレンドの変化 など

SWOT分析の4つの要素





SWOT分析の目的

  • 現状把握:企業の 強み弱み機会脅威 を明確にすることで、現状を客観的に把握する。

  • 戦略策定:強みを活かし、弱みを克服し、機会を捉え、脅威を回避するための戦略を策定する。

  • 課題発見:SWOT分析を通じて、企業が抱える課題を発見し、解決策を検討する。

  • 意思決定:経営判断に必要な情報を提供し、より的確な意思決定を支援。





SWOT分析の手順

  1. 内部環境分析: 強みと弱みを洗い出す。

  2. 外部環境分析: 機会と脅威を洗い出す。

  3. クロス分析: 強み・弱みと機会・脅威を組み合わせて、以下の4つの戦略を検討する。

    • 強み を活かして 機会 を捉える SO戦略

    • 弱み を克服して 機会 を捉える WO戦略

    • 強み を活かして 脅威 を回避する ST戦略

    • 弱み を克服して 脅威 を回避する WT戦略

  4. 戦略の評価: 各戦略を評価し、 最適な戦略 を選択する。

  5. 実行計画: 選択した戦略を 実行 するための計画を策定する。

SWOT分析の手順





まとめ

今回は、SWOT分析についてまとめました。
次回は、内部環境分析のVRIO分析についてです。




復習問題

問題1:穴埋め問題

  1. SWOT分析は、企業の( ① )環境と( ② )環境を分析し、現状を把握することで、戦略策定に役立てるフレームワーク。

  2. SWOT分析の4つの要素とは、( ③ )、( ④ )、( ⑤ )、( ⑥ )。

  3. 強みは、企業の( ⑦ )環境における( ⑧ )の要素です。

  4. 弱みは、企業の( ⑨ )環境における( ⑩ )の要素です。

  5. 機会は、企業の( ⑪ )環境における( ⑫ )の要素です。

  6. 脅威は、企業の( ⑬ )環境における( ⑭ )の要素です。

問題2:○×問題

  1. SWOT分析は、内部環境のみを分析する。( ○ / × )

  2. 強みは、外部環境のプラスの要素である。( ○ / × )

  3. 弱みは、内部環境のマイナスの要素である。( ○ / × )

  4. 機会は、企業がコントロールできる要素である。( ○ / × )

  5. 脅威は、企業がコントロールできない要素である。( ○ / × )

問題3:組み合わせ問題

次のSWOT分析の要素と、具体的な例を正しく結び付けてください。

問題4:記述問題

  1. SWOT分析を行う目的を3つ挙げてください。

  2. SWOT分析の手順を説明してください。

  3. SWOT分析のクロス分析について、4つの戦略をそれぞれ説明してください。

問題5:多肢選択問題

以下のうち、企業の強みとなりうるものをすべて選びなさい。

a. 独自の技術 b. 資金不足 c. 優秀な人材 d. 低い顧客満足度 e. 効率的な生産体制

問題6:多肢選択問題

以下のうち、企業の弱みとなりうるものをすべて選びなさい。

a. 市場成長 b. 技術力の不足 c. 人材不足 d. 法規制の緩和 e. 経済状況の悪化

問題7:多肢選択問題

以下のうち、企業の機会となりうるものをすべて選びなさい。

a. 競合の出現 b. 市場成長 c. 新規市場の開拓 d. 技術革新 e. 法規制の強化

問題8:多肢選択問題

以下のうち、企業の脅威となりうるものをすべて選びなさい。

a. 競合の出現 b. 市場の縮小 c. 技術革新による陳腐化 d. 法規制の強化 e. 経済状況の悪化

問題9:記述問題

あるカフェが、SWOT分析を行う際に、どのような情報を収集すべきでしょうか? 具体的な例を挙げて説明してください。

問題10:記述問題

あるオンラインストアが、SWOT分析を行う際に、どのような情報を収集すべきでしょうか? 具体的な例を挙げて説明してください。





解答

問題1

  1. ① 内部 ② 外部

  2. ③ 強み ④ 弱み ⑤ 機会 ⑥ 脅威

  3. ⑦ 内部 ⑧ プラス

  4. ⑨ 内部 ⑩ マイナス

  5. ⑪ 外部 ⑫ プラス

  6. ⑬ 外部 ⑭ マイナス

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