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【企業経営理論#22】垂直統合戦略/水平統合戦略

垂直統合戦略/水平統合戦略


今回は、” 垂直統合戦略/水平統合戦略 ”についてです。

垂直統合戦略と水平統合戦略は、どちらも企業が事業を拡大する際によく用いられる戦略ですが、その方向性と目的が異なります。





垂直統合戦略

垂直統合戦略とは、企業がサプライチェーン⁽¹⁾上の異なる段階の事業を統合する戦略です。

1)サプライチェーン:製品やサービスが、原材料から最終顧客に届くまでの一連の流れ。

垂直統合には、後方統合と前方統合の2種類があります。

  • 後方統合:企業が自社のサプライチェーンにおいて、原材料の調達や部品の製造など、上流工程に進出し、事業を拡大していく戦略。

    • 例:

      • Apple:iPhone や iPad に搭載する半導体の安定供給を確保するため、自社で半導体設計を行っている。

      • ファーストリテイリング:ユニクロの衣料品を製造するための生地を安定的に調達するため、素材メーカーと提携したり、生産工場を子会社化したりしている。

  • 前方統合:企業が自社のサプライチェーンにおいて、カイ製品の販売やアフターサービスなど、下流工程に進出し、事業を拡大していく戦略。

    • 例:

      • Apple:Apple Store を展開することで、 顧客体験をコントロールし、ブランドイメージを向上させている。

      • ニトリ:製造から販売までを一貫して行うことで、コストを削減 し、高品質な製品をお得な価格で提供。

垂直統合戦略





垂直統合戦略のメリット

  • コスト削減:中間業者を排除することで、調達コストや販売コストを削減できる。

  • 品質管理:サプライチェーン全体をコントロールすることで、品質を向上させることができる。

  • 安定供給:原材料や部品の安定供給を確保できる。

  • 競争優位(競争力の強化):サプライチェーン全体を最適化することで、競争優位を築くことができる。

  • 情報アドバンテージ:サプライチェーン全体の情報を入手することで、市場トレンドや顧客ニーズを把握しやすくなる。

垂直統合戦略のメリット





垂直統合戦略のデメリット

  • 投資リスク:新規事業への投資には、リスクが伴う。

  • 経営の複雑化:事業ドメインが拡大することで、経営の複雑化が増加する。

  • 柔軟性低下:サプライチェーンが固定化されることで、環境変化への対応力が低下する可能性がある。

  • 機会損失:特定のサプライヤーや販売チャネルに限定されることで、機会損失が発生する可能性がある。

垂直統合戦略のデメリット





水平統合戦略

水平統合戦略とは、同じ業界の競合企業を合併または買収することで、事業を拡大する戦略です。

同じ業界の企業を統合することで、さまざまなメリットを得て競争力を強化し、市場での地位を確立することを目指します。

  • 主な目的:

    • 市場シェアの拡大

    • 規模の経済の追求

    • コスト削減

    • 競争力の強化

水平統合





水平統合戦略のメリット

  • 規模の経済:生産量を増加させることで、1単位あたりのコストを削減できる。

  • 市場シェアの拡大:競合を吸収することで、市場シェアを拡大し、市場支配力を強化できる。

  • シナジー効果:企業同士の資源や能力を結合することで、シナジー効果を生み出す。

  • ブランド力強化:ブランドを統合することで、ブランド力を強化する。

  • 効率性向上:業務プロセスを統合することで、効率性を向上させる。

水平統合戦略のメリット





水平統合戦略のデメリット

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