無限闘士リキ 第1章「勇気の春」
息が上がり、手は震え、
体がどんどん冷えていく感覚。
右手に剣が左手には盾が、
辺りは整地された地面が広がり、
さらにその先は岩の壁で囲われている。
そして、目の前には自分と同じような格好の男が1人立っていた。
これから彼を殺さなければならない。
でなければ自分が殺されてしまう。
そんなことを考えていると、
体は冷たくなり、みるみる力が失われていくのが分かった。
なぜこんなことをしなければならないんだ!
何も悪いことをしていないのに!
岩壁の上には貴族らしい人々が