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未来材料・システム研究所 教授 宇治原徹先生(後半)

後半では「今までの人生を振り返ってとてつもなく楽しかったと思う」「楽しさ指数が他の人と比べて高い気がする」と語る宇治原先生に、楽しく生きることができる理由と学生に伝えたいことについて聞いてきました。

ーー宇治原先生のプロフィール
京都大学大学院工学研究科博士後期課程(材料工学専攻)修了後、東北大学金属材料研究所助手、名古屋大学大学院 工学研究科 助教授を経て、2010年10月~名古屋大学大学院 工学研究科教授に就任する。その他以下を兼務。
・同大学 未来材料・システム研究所 教授
・国立研究開発法人産業技術総合研究所 中部センター
GaN窒化物半導体先進デバイスオープンイノベーションラボラトリ 副ラボ長(クロスアポイントメント)
・国立研究開発法人理化学研究所 革新知能統合研究センター 客員研究員
・株式会U-MaP代表取締役会長
・株式会社アイクリスタル取締役


宇治原先生が楽しく生きてこれた理由

ーー宇治原先生は研究のどんなところが好きですか?
やっぱり世界で一番最初になれることかな。世界初、史上初っていいよね。誰も見たことないものが最初に見れる、誰も作ったことのないものを最初に作れる、誰も知らないことを最初に知れるってことでしょ?いいよねそれ。楽しいじゃん。

ーー先生が楽しく生きてこれたのは、好きなことを続けたからなんですね
基本的にそうだろうね。「好きなことをずーっとやれるわけ無いじゃん」って思っている人もいるし、好きなことをやり続けるって社会的に見たらすごいわがままな行動をしているように見られるかもしれない。でも誰も「やっちゃだめ」って言ってるわけじゃないんだよね。決して悪いことでもないんだよね。ただ努力は必要。
楽しいことやりたいことをするための努力なら、頑張れるけどね。たしかにしんどいことや辛いこともあるけどね。まあそんなもの何やってたってあるわけだし。

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ーー研究者やっていて辛かったことはなんですか?
研究やってて大変なことはいっぱいあるよね。うまくいかないことなんて当たり前だし。
でもうまくいかないからといって、辛いとはあんまり思わないね。世界初のことをやろうとしてるんだから、うまく行かないのは当然だし、すぐできるわけ無いじゃん。むしろ実験なんて、一発でうまくいったらあやしいよね。逆に失敗してるんじゃないかと思う。
思ってたのと違うことになって、失敗して、その原因を追求して、ちゃんと物事がわかってうまくいくと、なぜそうなったのかがわかるようになる。だからそうならないと不安だよね。


宇治原先生の普段の生活は?

ーー教授の方々は普段どんなお仕事をしているんですか?
一日中実験するようなことはほとんどなくて、実験するのは主に学生さんや研究員の方々です。ぼくらはそれらをどうやって一つの研究として作り上げていくかとか、そのためのお金をどこから持ってくるかとか、そのためのチームをどうやって作るかとかを主にやってます。みんなが研究していけるようにしていくのが僕の仕事かな。

ーー休日はどのように過ごしていますか?
ほとんど休んでないね。やることはいっぱいあるから。みんなの研究成果を理解したり、論文読んだり、学生の論文にアドバイスしたり、新しい研究計画を提出したり。とにかくやらないといけないことは山ほどある。
旅行の代わりみたいな感じで、海外出張には行けるけどね。今年は行けなかったけど毎年5~6回くらい行ってる。友達いっぱいできるし、色んな所行けるし、楽しいよ。

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研究者になるためには

ーー研究者に向いている人はどんな人でしょうか?
そもそも研究っていうのは、なにかを明らかにするとこだったり、なにかを作り出すことなんだよね。いろんな発想をして、色々考えて、なにかクリエイティブなことをしていたら、それは研究をしていると言える。だから、好奇心がある人、新しいものにチャレンジしたい人、人と違ったことをしたい人は向いているのかな。


ーー就職するか博士に行くか迷ったときはどうやって考えればいいですか
研究者という職業になりたいかどうかだよね。「自分は何をやって生きたいか」っていう、単なる職業選択だと思う。研究者として生きていきたい、研究者やりたい、なにか明らかにしたいって思うなら研究者としての職業を選べばいいんじゃないかな。
自分の興味を満たすものがあったり、「もっとなにか知ってみたいな」とか思うのであれば行けばいい。もしそう思わないんだったら、行かなくていいと思う。もっと他にしたいことがあるんだったら、それをやればいい。みんな「自分はこうしたい」っていうのがきっとあるはずだから、それを愚直にやればいいんだよ。


ーー本当は研究やりたいんだけど、周りが就職するから自分も就職するみたいな人もいると思うんですが。
それは一番ありえない話だね。なんでみんな就職することが優先されるのか全くわかんない。なぜ自分の人生を決めるのにみんながそうするからっていうのが選択肢になるのか、理由になるのか。それは一番最悪なパターンだと思う。この話は研究者だけじゃなくて、どんな職業を選ぶにしても一緒だと思うけどね。「みんながそうするからそれする」ってありえないでしょ。自分のやりたいと思ったことをやればいいと思う。
自分がやりたくないことをやるんなんて、そんな不幸なことはないよね。いつまでそんな事するのって。


ーー宇治原先生は自分のやりたいことを続けて生きたからこそ、幸せに生きて来られたんですね。
全くそのとおりだと思う。個々に辛いことはあるけど、自分がやりたいことをできるように努力してきた。それで一般的に見たら自分のやりたいことをやれてるわけだよね。それはどう考えても幸せだよね。

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自分のやりたいことがあったら一生懸命やれ

ーー最後に学生に伝えたいことはありますか?
まさにさっき言ったことかな。自分のやりたいことがあったら一生懸命やれかな。
ぼくらも見てて本当に思うんだけど、「何をやりたいかわからない」って言う学生がすごく多いんだよね。ぼくはなんでわかんないんだろうって、たまに思っちゃう。何かが邪魔してるのか、何かが条件をつけてしまってるんだと思うだけど。
そういうのを含めて、海外とか違う常識のところに行ったほうがいいと思う。「みんなって全然みんなじゃないんだよ」っていうのがわかると思う。

まとめ

今回は、未来材料・システム研究所教授の宇治原先生へのインタビューでした。好きなことやりたいことを続けてきたから、今も幸せに生きていると語る宇治原先生。学生が将来の生き方を決める際に、とても役に立つ内容ではないでしょうか?

次回の記事もお楽しみに。

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