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60代とZ世代が織り成す未来のコミュニティ  ― インタビューシリーズ Vol.1

私たちは今、変化の波に包まれた時代を生きています。テクノロジーの進化、価値観の多様化、そして世代間のギャップが広がる中で、新しいコミュニケーションの形が求められています。そんな中で、60代とZ世代の交流を促進するコミュニティを立ち上げることになりました。

このシリーズでは、次世代と新たな価値創造を考える60代のネオシニアに焦点を当て、その生活や価値観、そしてZ世代との接点について深く掘り下げたインタビューをお届けします。彼らの豊かな経験と知識が、次世代の若者たちにどのような影響を与えるのか、そして互いに学び合うことで生まれる新たな価値とは何かを探求していきます。

インタビューでは、60代の方々がどのように自身の人生を充実させ、未来に向けた展望を持っているのかをお伺いしました。彼らの物語と、次世代との交流に対する考え方を通じて、世代を超えた理解と共感を深めるヒントを見つけてください。

どうぞお楽しみに。


Vol.1 A子さん 66歳 女性 (元私立大学職員 管理職を経験後60歳で定年退職)

 

Q1: 現在、何をしていますか?どこでリタイアになると考えていますか?

現在は、フリーで大学主催のプログラム運営に携わる一方、大学同窓の任意団体役員としても活動しています。団体の活動としては、月に2回の会議資料の作成や会議運営の他、年3回のイベント運営も行っています。役員は今期で任期満了の予定です。

Q2: 特技や趣味は何ですか?

旅行や映画、美術館巡りが好きですが、コロナ禍の影響で3年間これらの活動ができないまま億劫になり、今は趣味という趣味はありません。

Q3: 個人の生活を充実させてくれる友はいますか?

プロ野球観戦グループや旅行仲間、高校時代の友人、職場で出会った人たちが、私の生活にエネルギーを与えてくれます。人と会って交流することが、自分にとって大きな力となっています。

Q4: 仕事を卒業し、どんな仲間や人脈がほしいですか?

在職中の職場のつながりなどは依然として有益です。山歩きサークルなどで新しい仲間と出会いたいと考えていますが、時間が取れず実現していません。現役学生や他のクラブの同窓との出会いは多いですが、今のところ新しい人との出会いはあまりなく、大学を通じたつながりが強いです。

Q5: 60代にやっておきたいことは?

一人暮らしであるため、老後の整理を元気なうちに行いたいと考えています。保険や遺産の整理を進め、将来的には介護付きマンションへの引っ越しも検討しています。きょうだいとも、自分たちの老後について真剣に考えています。

Q6: 自身の60代のイメージは?

60代になっても思っていたより元気で、昔の60代とは違うと感じています。かつてはおじいさん、おばあさんというイメージが強かったですが、現在はまだまだ活動的です。自分自身は、肉体的な衰え、例えば視力の低下や闘争心の減退は感じていますが、全体的には元気に生活しています。

Q7: ご自身が一番充実している瞬間とは?理由も教えてください。

以前に比べればやる気がないと感じることもありますが、同窓会活動の一環で現役学生と接する機会があると、エネルギーをもらえる場にいることができて良かったと思います。学生たちの4年間の努力や成長を聞くと、自分も現役生の支援にもっと力を入れたくなります。

Q8: 落ち着いたら何をしたいですか?

同窓団体役員の任期が終われば、趣味の生活にチャレンジしたいと思っています。具体的には、スケッチを始めたいと考えており、旅行の際などに色鉛筆でスケッチができればいいなと思っています。

Q9: 自分に足りないと思う知識・スキル・人脈は?

パソコンのキーボード操作が苦手ですが、仕事や同窓団体役員が終わればそれも不要かもしれません。スキルアップの必要性はあまり感じておらず、健康を維持することが最優先です。スポーツクラブにも週1回通っています。本当は週2回行きたいのですが、せめて歩くことは心がけようと思っています。

Q10: 現在、シニア年代にもリスキリング(学び直し)が必要と言われていますが、あなた自身はどう感じていますか?

一般論としてリスキリングは必要だと思いますが、私自身は現時点ではあまり実感していません。今後、必要だと思うときがくれば検討したいと思います。

Q11: リスキリング(学び直し)で60代が学べばいいと思うことは?

同世代の仲間たちはみな働いており、各自でスキルを身に着けていると思います。地域ボランティアや学校行事・町内会活動などにも積極的に参加しており、昔の60代よりも活動的です。

Q12: Z世代と交流したいと思いますか?理由は?何を得たいですか?

Z世代との交流は非常に良いと思います。学生たちの頑張りやエネルギーを感じることで、自分自身も希望を持つことができます。彼らの経験を共有することで、昔の自分と重ね合わせて応援したくなります。

Q15: Z世代と交流するために準備は必要だと思いますか?

自分の時代の過去の栄光にとらわれず、同じ目線で接することが大切です。上から目線で接するのではなく、彼らと対等な立場で交流し、互いに尊重し合う姿勢が重要です。

Q13: 次世代に対して何かを残す、伝えるとすれば具体的に何ですか?

適切な日本語を使い、相手に対して敬意をもって話すことを大切にしてほしいとは感じています。友達同士以外では言葉遣いに気を付け、お互いを尊重することが重要です。相手を思いやり、心を配る姿勢を伝えたいです。

Q14: 次世代と交流し新たな価値創造を考えるコミュニティについてどんな意見がありますか?

現在活動している同窓団体では、ただ集まって楽しい昔話をするのではなく、後輩の支援や社会貢献につながるコミュニティであることを重視しています。次世代に価値のある活動や貢献ができることが重要です。若者が、つらい時期に支え合いながら部活動で頑張っている姿を見ると感動します。彼らが社会の中で自分のポジションを確立し、さらに次の世代に繋ぐことの意義を大切にできる機会になればと思います。

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(スタッフKの編集後記)
A子さんはすでにZ世代(大学後輩)と交流の機会があり、彼らから受けるポジティブな影響を楽しみながら後輩支援や社会貢献を意識されている姿勢が素晴らしいと感じました。私もZ世代を応援できるネオシニアな60代に近づけたらいいなと思う時間となりました。