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『笑いと体操で健康寿命が伸びる?山形発・多世代交流型の健康づくりの場から見えてきた、これからのコミュニティケアの形』

今回で20回目を迎えた平清水いきいきサロン「ふれあいカフェ」

「寿命が2年は伸びた気がする!」
落語家のお話を聞き、そう笑顔で語るのは、山形市平清水地区の「ふれあいカフェ」に参加された70代の方です。 この日、会場となった公民館には37名の参加者が集まり、冷え性の予防体操と落語を楽しみました。


一見、異色の組み合わせに見える「健康体操」と「落語」。
しかし、ここには地域における新しいコミュニティケアの可能性が詰まっています。

私たちコミュニティナースやまがたは、
「地域のチカラを最大限に!」を目標に、
従来の介護予防の枠を超えた取り組みを続けてきました。 「地域やコミュニティ」を中心に据えた予防的なアプローチの可能性です。

なぜ落語なのか?
この記事では、第20回を迎えた「ふれあいカフェ」の実践から、これからの地域における健康づくりのヒントをお伝えします。


なぜ今、地域の「居場所」が注目されているのか

2025年の今年は、日本は超高齢社会のピークを迎えると言われています。
しかし、私たちが目指すべきなのは「長寿」だけではありません。

特に注目したいのは、「社会的処方」という考え方です。 これは、従来の医療的なアプローチだけではなく、社会的なつながりを「処方」することで、心身の健康を維持・向上させる取り組みです。欧州(イギリスやオランダ)ではすでに国家戦略として導入され、医療費削減にも効果を上げています。

ふれあいカフェの特徴的な取り組み

私たちの「ふれあいカフェ」は、この社会的処方の考えを取り入れ実践できていると考えます。
今回の第20回では、以下の3つの要素を組み合わせました。

  1. 冷え性予防のいきいき体操

  2. 山形落語愛好協会さまによる落語会

  3. 交流お茶会

確かにバラバラに見えるこの組み合わせには、実は綿密な設計が隠されています。
「健康」と「文化」と「交流」の3要素の融合

「笑い」と「運動」の相乗効果

「笑いと運動を大事と、それぞれ単独で行うよりも高い健康効果が得られる」
これは、大阪国際がんセンターの研究で残念な事実です。

笑いには、免疫力の向上、ストレス軽減、血流改善といった効果があり、運動との組み合わせで、その効果がさらに高まることが分かりました。


「寿命が2年は伸びた気がする」という参加者の声は、一時的に誇張ではないかもしれません。

コミュニティデザインの秘訣

「初参加の方も常連さんもすぐに打ち解けられる」
これは、偶然ではありません。私たちは以下の点を意識的にデザインしています。

  • プログラムの順序:体を動かす→笑う→お茶を飲む

  • 座席の配置:初参加の方と常連さんが自然に会話できる配置

  • 交流の工夫:落語の話題をお茶会での会話のきっかけに

地域のチカラを最大限に活かすために

山形落語愛好協会の皆様との協働も、地域の資源を活かす取り組みの一つです。
古典落語から現代的な話まで会場を沸かせた噺家の皆さんだけでなく、笑いの場を作り出した我々や参加者の皆さんは、「地域の宝」ではないでしょうか。
今後は、さらに地域の様々な団体や個人の力を結集し、持続可能な健康づくりの場を創っていきたいと考えています。

これからの展望:
「予防」を軸とした地域づくり

コミュニティナースの立場から見えてきたのは、「予防」の重要性です。
医療や介護が必要になってからの支援ではなく、その前の段階からの関わりが、結果として地域全体の健康度をつながりを高めます。

まとめ:
持続可能な地域づくりのために

健康づくりは、義務的なものである必要はありません。楽しみながら、自然と健康になれる。そんな場づくりを、これからも地域の皆様と一緒に進めていきたいと思います。

「地域のチカラを最大限に!」
次回は2月28日に開催予定です。これからも「みんなでつくる、みんなのための」の場として、進化を続けていきます。

【次回開催情報】
日時:2月28日(金)
時間:未定(SNSでお知らせします。)
場所:平清水公民館
参加費:無料
お問い合わせ:コミュニティナースやまがた(TEL: 679-5399)

#コミュニティケア #介護予防 #健康づくり #地域づくり #山形 #コミュニティナース

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