90切りを目指すゴルファー 5

4H 523ヤード PAR5

ここまで3ホール終えて2オーバー。
まずまずだ。
ボギーペースで90だとすると1つ貯金ができたわけだ。
順調。好調と言ってもよい。

さて、次はロングホール。しかも距離が長い。
ティーショットで充分距離を稼ぎたいが、左右が狭いので力みは禁物だ。
多少距離を落としてもOBを避けなければならない。
もちろんドライバーを持つが方向優先で3打でグリーンオンを目指そう。
230ヤードほどのところは左がバンカーになっていてそれより左だとOB

右は林がせり出していて狭くなっている。
フェアウェイ真ん中にできればフェードを打ちたい。
フェードは横振りより少し縦振りにして上からボールを捉えるイメージで左に打ち出す。するとスライス回転がかかって右に戻ってくる。ややカット打ちのイメージだ。
若干、体を開き気味にしてフェイスはフェアウェイのセンターに向けた。
これはフェイドというよりインテンショナルスライスの打ち方に近い。
ルーティンを意識して体の力を抜き素振りした。
風はほぼない。
ティーアップは低めにしてボール位置はやや左足寄り。
怖がるな。
バシッ。
良い音がしてボールはやや左に飛び上がる。そのまま行けばバンカー方向だがそこからスライスがかかるはず。はず…。あ…。
ボールは右に返って来ず、そのままバンカーに突っ込んだ。
ああ。
体が止まってしまった。
しっかり振り切れずフェイスが左に直線的に向いてままになってしまった。
縦振りのイメージだとフェイスは打ちたい方向に近く軌道を描くが、体が止まると左方向に向いてしまう。
それでも力みがなかった分、引っ掛けにはならなかった。
バンカーに入ったボールを確認したらかなり前方であごに近いところで止まっていた。
次は距離を稼げない。
せいぜい9番アイアンかPWしか使えない。
PAR5でよかった。
残り300ヤード以上あるのでまずはここから脱出して次に賭ける。
無難にPWを持ってここは慎重に。
フェアウェイバンカーの打ち方を思い出す。
一番ダメなのがすくい打ちだ。
その逆。上からダウンブローに打つこと。そうすればボールは高く上がる。そのために左足だけを砂に潜らせ左足下りのような傾斜での打ち方をイメージする。
あとはダフらないようにしっかり直接ボールを捉えること。
カツン。
トップか、と思ったがボールを直接捉えた音でキレイに吹き上がる。
脱出成功。
これでパーオンも視野に戻ってきた。
残り170ヤード。
やや打ち上げでカップは2段グリーンの奥なのでしっかり距離が必要。
ここはひとつ番手を上げて6番アイアンを選んだ。
ちょうどの番手を選ぶと力が入ってかえって飛ばないことがある。
6番で軽く。
これもしっかりとダウンブローでボールを捉えるためにハンドファーストをイメージした。
体幹を使った大きなスイング。
しっかり体を回してアドレスに入った。
ライも悪くない。
バシッ。
芯を捉えた気持ちのよい打感と音。
ボールはピン方向に向かっている。
行けぇ。
思わず叫んだ。
そしてグリーンセンターに着弾し、そこからおそらくランが出ているはずだ。
どうか。
2段グリーンの上にはついてるはず。
しかしボールはグリーンには見当たらなかった。
奥にこぼれたか。
そうだ。ここはグリーン奥への傾斜になっている。
ランが出てしまえばグリーン奥に行ってしまうのは当然だ。
しかし、そこまでこの長い距離をコントロールする技術はない。
一番手短いクラブなら2段グリーンの下だったろうし、ここまではこれでよい。
しかもここはボギーで充分だ。
カップまで10ヤードほど。
奥から落とし所を見ながらアプローチを何で打つか考える。
平らなライではなく、傾斜にかかっていて左足下りになっている。
カップに向かって上ってるとは言えオーバーすると段を超えて下まで行ってしまう。
上げるよりも転がす。
PWで3ヤード先のグリーンエッジに落としてそこからスルスルと転がればカップに寄る。
立ちづらい左足下りの傾斜だがしっかり素振りでイメージしながら落とし所を絞る。
こんな感じか。
カツン。
ああ、弱い。
ボールはグリーンエッジの手前に落ちそこからグリーンに少し乗ったところで止まってしまった。
緩んだのだ。
強く打ちたくないことを意識してしまってフォローが止まってしまった。
メンタルによるミスだ。
しまった。
これで4オンか。
残り5メートルほどの上りパット。
ややフックか。
入れに行ったらオーバーが怖い。
寄せに行ったらボギー止まり。
ここは寄せでいい。
コン。
コロコロとフックラインに乗って転がったボールはしっかりと傾斜に負けてカップの右手前で止まった。
タップインしてボギー。
はぁ。
しかし1打目をバンカーに入れたこと。アプローチで緩んだこと。
この2つのミスでボギーは納得だ。
悪くない。
まだ1つの貯金を持って5番ホールに向かった。




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