90切りを目指すゴルファー 4

3H 138ヤード PAR3

ここまで2オーバー。
ボギーペースでまた90台か80台かのボーダーラインを走り出した。
ここで伸ばせるか、ラインを超えてしまうか。チャンスがあれば伸ばしたいが大叩きだけは防ぎたい。
やってはならないのは、OBと3パット。特に気をつけたいのがPAR3のショートホールだ。
ここではミスは許されない。

ピンはグリーンセンターから10ヤード手前。打ち上げを見てプラマイ0で138ヤードを打つ。
とは言え奥は嫌なので125ヤードキャリーの9番アイアン。5ヤード転がれば良いところに付く。
ただし左にバンカーがあるがバンカーよりさらに左に行けばOB。
そこだけには打ってはいけない。
ならば右側狙いだ。
右には壁があって傾斜が受けている。当たればうまく転がってグリーンオンもある。そこを狙う。
打ち上げでも目線を上に向けず肩のラインを平行に保つ。
あくまでもダウンブローに打てば球は上がる。そのためのアドレスはできている。
もう一度ボールの後ろから狙いをやや右方向に定め、体の回転を意識し2回軽く素振りをする。
ボールの位置は左になりすぎないようセンターにセットした。
練習場で打てば大概目標通りに行っている。気負わず気楽に行けばグリーンオンは楽にできる。
リラックスしたままテークバックし早く打ちすぎないように体幹をしっかり後ろまで回し体から順に切り返してフェイス面だけ意識して振り抜いた。
ボールは狙った方向からややドロー気味に上がったが狙いが右すぎたため右の壁に着弾して左に転がった。
乗ったかどうか。
カートに乗ってグリーン近くまで行ったがグリーンにボールは見当たらない。少し右手前のラフに止まっていた。
カップまで10ヤードほど。
惜しかった。もう少し左に着弾していればちょうどカップに向かっていたはずだ。
安全に行き過ぎた。でもこれでよい。
アプローチもしやすいので普通にやればパーが取れる。
さぁ、次は何で打つかだ。

グリーンまで約1メートル。そこから9メートルの上りのフックライン。
ライは良いので上げることもできるがここは転がしで寄せるべきだ。
スピンをコントロールできるほど上手じゃないし何よりもダブリやトップが怖い。
寄せればパーも狙えるしここで1打の貯金は大きい。
いや、貯金ではない。80台を目指すならオールボギーではダメだ。ここでパーを取っておけばあとはボギー平均で良いのだ。
ここをパーて終えて残り15ホールをボギーペースで回れば89。貯金はこれから作るとしてまずはこのチャンスでパーは必須。
PWか。
ここで選んだのは8番アイアンだ。
これでパター感覚で打てば初めの1メートルはロフトで上がるので芝に食われることはない。

自宅の部屋にはパターマットに10数個のボールが転がっている。
毎朝、毎晩、パター練習を10球連続で入るまで繰り返し、8番アイアンでの転がしも同時に練習している。
小さなネットの付いた的を狙ってアプローチ練習も積み上げている。
本番でミスする確率を少しでも減らす努力を怠っていない。
何度もコースを回れるほど経済的にも時間的にも余裕はない。
だからこそ家でできる最低限の練習でアプローチとパターはそこで磨く。
始めた頃は10球連続で入ることなんて簡単ではなかった。
7,8球から0に戻ったことなど当たり前で、あと1個のところで台無しにする悔しさも何度も味わった。
だからこそここ1打での集中力が鍛えられるのだ。
技ではなく集中力。
ここで練習の成果を見せたい。

パターの要領で素振りを繰り返し狙いをカップからグリップ1本分右に定めた。
カツン。
出だしの勢いはあるがグリーンエッジでクッションしてからは少し弱まりグリーンに乗ってからはしっかり順回転でカップ方向に曲がっていく。
行け。
上りの傾斜の方が強かったせいかカップの手前で惜しくも止まってしまった。
ああ。入ればバーディだったのに。
それでもこれをタップインしてパーだ。
よしっ。残り15ホール。
ここからボギーペース、いや、それ以下を目指す。
ここまだは合格だ。

これまでの2ホールのミスは忘れて上機嫌に次のホールを目指した。

3H終了で2オーバー。

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