フランス映画、ベスト3

1位 「アメリ」(2001年 ジャン-ピエール-ジュネ監督)

 20代の頃は、「天井桟敷の人々」や「シェルブールの雨傘」が名作だと信じていたが、今は「アメリ」が一番。
身近な世界が舞台で、発見があり、楽しくて、繰り返し観れる。
 アメリは、なんて魅力的で、現代的で、お茶目で、恥ずかしがりやな女の子だろう。
 他人とのコミュニケーションを求めているが、不器用で、内向的で、思いがなかなか相手に伝わらない。つい「わかるわかる」と言いたくなる。つまり、どこにでもいる、普通の女の子だ。
 小説「コンビニ人間」(村田沙耶香)のように、社会や他者との関わりが、現代のテーマで、アメリも他者との接点を模索している。
 アメリが自分の殻を突き破ったところに、僕らはエールをおくる。
 アメリ役のオドレイ・トトゥもピッタリ。彼女以外に適役はいない。
 アメリの趣味は、「クリーム-ブリュレの焦げた表面を、スプーンで割ること」
映画を観て以降、ブリュレを見るたびに、アメリを思い出す。(困ったもんだ)
 登場人物たちも、個性的で、魅力的だ。捨てられた3分間スピード写真を集めるニノ。プチプチを潰すのが趣味なジョゼフ。いつも店主を怒鳴られる食料品の店員リュシアン。その店主のコリニョン。飽きないね。実に楽しい、面白い。
これら市井の人々の面白さは、フェリーニの「アマルコルド」や「道化師」以来の収穫だ。
 繰り返し「アメリ」を観るのは、これらの一風変わった人たちに会えるからかな。
 色彩も素晴らしい。特に赤が美しい。上品。洋服、映画館のシート、食卓のクロス、口紅。アメリの寝室は絵画だ。
「アメリ」は、総合で100点満点。



「アメリ」は、100点満点、ナンバーワン!続編、希望。

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