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エッセー 「日記と永井荷風③」

荷風の本質は、日記にあると思う。

 17才の頃から日記を始め、1917年9月16日から1959年4月29日、死の前日まで断腸亭日乗という日記を書き続けた。黙々と、淡々と、日々の出来事や心情を綴った。

アメリカやフランスで生活していても書いた。
 物の捉え方、客観性が著作の源となり、それを意識した上で、更に書き続ける。

1952年、73歳で文化勲章を受賞した時 
「私は日記で勲章を頂いたようなものだ」
と語っている。

 僕も50年以上、日記をつけている。あとから読み返すと、楽しいし、役立つことが多い。
「ふらんす物語」も「断腸亭日乗」もパラパラと目を通しただけだ。それで十分。

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