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#14 着床前診断(PGTA) 78週妊娠して双子ママになりました
保険診療の終了
2022年11月。不妊治療再開。早速、着床前診断に向けて採卵だ!と意気込んでクリニックに行ったのだが、保険適用で採卵した受精卵が一つ残っているため、それを移植しないといけないと言われた。日本では混合診療(保険診療と保険外診療の併用)が健康保険法で原則禁止されており、保険診療での治療を終えなければ、保険外診療の着床前診断を始められないからだった。そこで、凍結卵の最後の一つを移植した。グレードの低い受精卵で望み薄なのは分かっていたが、結果は案の定、着床さえしなかった。
着床前診断
年が明けた2023年。ついに着床前診断に向けて採卵を実施する。採卵数は7個、うち2個は未熟卵だったため、顕微授精できたのが5個、凍結できたのは4個だった。よって4個が着床前診断を実施する検査機関に送られた。(どうでもいい小話だけど、検査はアメリカのニュージャージー州で実施されていた。受精卵、渡米したんかぁとちょっと感動した)
採卵から2週間程度で結果が返ってくると言う。今までの体外受精の不成功、流産の結果を考えると、正常胚が0という結果も十分に考えられた。結果を聞きに行く際は、移植できる胚がなく、「ここで不妊治療を終了します」と医師に伝えることを覚悟していた。
着床前診断の結果
結果は4個中3個が正常胚。見た目のグレードでも正常胚のグレードはAAが2つとBCが1つだった。採卵3年目にして、初めてAAという胎児・胎盤ともに1番良いランクの受精卵を得た。これには医師も、「思ったより良い結果でした」と言っていた。私も同じことを思っていた。
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流産で泣いたママたちへ
結果写真の上から2番目の受精卵には複数の染色体異常があった(異数体の胚)。着床前診断を実施せず、体外受精だけの場合、染色体異常は見た目でわからないため、この異数体の胚も移植することになる。全てがそうだったとは言えないが、今まで未着床だった胚、流産した子たちは染色体にこのような問題を抱えていた可能性が高い。これは不妊治療をしていなくても同じこと。
流産したとき、着床しなかったとき、「原因の多くは胎児側の染色体異常で・・・」と説明される。根拠のある説明にも関わらず、当事者としてはただの慰めのように感じ、自分を責めてしまうことがある。でもこの結果を目の当たりにするとママのせいじゃないということが良く分かってもらえるのではないかと思う。
胚移植
2023年3月、36歳。内膜11.1mm 。生理周期に合わせて5AAの胚を移植した。
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