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設立20周年記念イベント(前編)

※2020年度と2021度の2年間、メールマガジン『ごかいの部屋~不登校・ひきこもりから社会へ~』のバックナンバーから厳選した100本の掲載文(コラム)を転載してきましたが、昨年度からは『ごかいの部屋』掲載文にかぎらず過去(原則として2年以上前)に書いた文章を毎月1~2本、時系列に転載することによって私の自称 “体験的不登校・ひきこもり論” の進展をたどりながら理解と対応の参考にしていただけるよう進めています(執筆時から年数が経っていることで修正する場合があります)。

※今月は、記事のテーマの都合で2年前にアップしたブログ記事と1年11か月前配信の『ごかいの部屋』に掲載したメッセージを組み合わせて転載します。後編は15日後の28日(土)に迫った「第2回ヒュースタ超会議」とほぼ同じイベントの報告ですので、超会議参加のご検討にお役立ていただけたら幸いです。宣伝を兼ねていて恐縮ですが、ヒューマン・スタジオ20年の到達点がうかがわれる文章としてお読みください。

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設立20周年記念イベントは2日間の日程に

 当スタジオはこれまで設立5年ごとに周年行事を開催してきましたが、今回は初めて2日間の日程にして違うイベントを企画開催しました。

 1日目に開催した『不登校・ひきこもりを語り合うトークライブ』は、設立日である10月1日が金曜日なので、夜ならソコソコ集まるだろうと、気軽に参加したり抜けたりできる「webパーティー」というキャッチコピーで企画しました。

 ねらいは当たって30人の定員を大きく上回る38人のご参加を得ました。5年前の設立15周年記念イベント同様、ゲストが多数出演するイベントは魅力的に映ることがうかがわれました。

 代表の丸山が当スタジオの歴史や相談・家族会を通じて気づいた不登校・ひきこもり対応のあり方や課題、その他の事業の変遷と成果、などを語った第1部では、ご出演予定だった勝部麗子さんがお仕事の都合で間に合わず、アンケートでも残念だと記載なさった方が複数名いらっしゃいましたが、ゲストトークの第2部とフリートークへとつなげる第3部では、入れ代わり立ち代わりZOOMでそれぞれの場所からお話をうかがいました。

 たとえば、元ひきこもり現代美術家の渡辺篤さんは、横浜市内の新しいアトリエからご入室。最初にパソコンを持ってアトリエ内部を1周して見せてくださいました。

 また、第3部にご出演くださった支援者の石井正宏さんは「かつて訪問支援していた時代に感じていた葛藤を踏まえてひきこもり支援を考えている」「まるちゃんは考えていることに答え合わせしてくれる存在」などと語り、支援者としての歩みと内心を率直に吐露してくださいました。

参加者と充実の交流が

 そのあと、フリートークに移った第3部の後半でチャット欄の書き込みを取り上げて語るようにしたところ、書き込みが急増し時間内に取り上げきれなくなったため、終了後残れる方で “延長戦” に突入。一部のゲストも交えて皆さまにチャットと直接の両方で心ゆくまで語り合っていただき、気がついたら22時を回っていました。

 アンケートでは、丸山の不慣れなZOOM操作についてスタッフの役割分担による円滑な進行の必要性を複数の方からご指摘いただくなど課題も残りましたが、第3部で丸山が語った「ひきこもり生活の質(ひきこもりQOL)を向上させる支援の必要性」にふれたご感想が約2割もあり、当スタジオのめざす方向性に間違いないことを感じさせていただきました。

 ほかにも「ゲストの皆さんと丸山さんのひきこもり対応についての考えが偶然にも同じだったというお話が印象的で、ひきこもりQOLについては実践して行きたいなと思いました 」「1部の基調講演の内容はこれからこの分野に足を踏み出そうという私にとっては勉強になりました 」など、たくさんのご好評をいただきました。

 全国各地からご参加の皆さまやゲストの方を含め、ZOOM画面が一体感に包まれた、心地よい秋の夜長でした。

初出:ヒュースタ日誌『設立20周年記念イベントのご報告(1日目)』<ヒューマン・スタジオ公式ブログ(2021年10月29日)

設立20周年のメッセージ

【勝部麗子様(豊中市社会福祉協議会)】
 丸山さんとは名古屋の講演会でご一緒しました。(私は)引きこもり支援はスカウトだと話していましたが、自己肯定感が低い人との会話は悩んでいました。「これからどうする?」みたいな話ではなく他愛ない話ができてこそ繋がるって感じでいました。
 54回目で繋がった彼は仕事でも生き方でもなく高校野球の勝敗がきっかけでした。「会話の地層」と話された丸山さんに共感しています。専門職は、人としての他愛ない話の以前に生き方を迫る。これでは、引きこもりがちな人とは向き合えない。
 丸山さんの「会話の地層」という言葉は、私のアウトリーチの後ろ楯になっています。

初出:メールマガジン『ごかいの部屋~不登校・ひきこもりから社会へ~』第255号(2021年11月25日)

                         <後編に続きます>

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丸山康彦
不登校・ひきこもりに関する研修費に充て、相談支援のスキルアップと充実したメルマガ掲載文執筆に還元させていただきたく、よろしくお願い申し上げます。