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家族支援とその研修の拡充を!(後編)

福島県内6か所で研修講師を

 9月から10月にかけて、3週連続で木曜日と金曜日に講師をつとめた「福島県ひきこもり支援センター」主催の関係者研修会「ひきこもり支援セミナー」の全日程が終了しました。
 
 県内6か所、それぞれの会場がある地域の、保健所など行政機関、社会福祉協議会、フリースクールなどのNPOに加え、会場によっては訪問看護ステーションといった高齢者福祉の関係者など、それぞれの立場でひきこもりに関係している方々が参加。私の講義、近い席どうしで固まったグループでのフリートーク、その報告と質疑応答、というプログラムで学びました。
 
 各回のアンケートでは、私の講義から学んだ点を問う設問に、ほとんどの方が「○○の話が印象に残った」「△△が目からウロコだった」などと挙げてくださいましたが、最も多かったのは、今号のコラムに書いた「<願い>と<思い>の葛藤」「そのふたつが統合されて自分らしい生き方や人生観が生まれることが目標」という話でした。「この話を翌日の面接相談でさっそく使ってうまくいった」という方がいらしたと、あとでうかがいました。
 
 また、グループトーク中に聞こえた発言やそのあとの報告と質疑応答、さらに拝見したアンケートからは、本人の心理や家族相談(家族支援)のスキルを知らないまま、本人を短期間で社会復帰させる目的で相談や支援をしていた方や、こうしたひきこもり研修の機会を求める方が多いことがうかがわれました。
 
 ひきこもりについての理解や家族相談(家族支援)の研修がほとんど行われていないのは、福島県にかぎったことではありませんが、こうやって短期間に6回講師をつとめたことで、あらためて研修システムの未整備を肌で感じる思いでした。
 
 今後はこの経験を踏まえ、ひきこもり研修の重要性を研究開発業務はもとよりスタジオ内外でのあらゆる機会を捉えて提唱していく所存です。

初出:「当方見聞読」欄<メールマガジン『ごかいの部屋~不登校・ひきこもりから社会へ~』第232号(2018年10月27日)

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※後編の本文で最後にふれた「研究開発業務」には着手できていないのですが、前年から自ら企画開講した連続講座「ヒュースタゼミナール」で不登校・ひきこもりの理解と家族支援の理念とスキルを伝えています。外部では昨年度から「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」の「厚労省社会福祉推進事業」という助成金事業のメンバーとしてひきこもり研修の企画開催に関わっているほか、今年度は再び研修講師の仕事が激増。最新は先日の「北上市社会福祉協議会合同研修会」という350人規模のものでした。

※その研修会の講師に私をご推薦くださった当地の不登校・ひきこもり関係団体「笑いのタネ事業所」の後藤誠子所長が、私が滞在した1日をレポートしてくださっています。ご関心の方はご一読ください(対談したYouTube動画もご覧になれます)。

※後編に転載したコラムを掲載しているメールマガジン『ごかいの部屋』は、今月270号になりました。3パターンの記事群をローテーションしており、来月の271号は昨年度まで100本を転載していた掲載文のような長文を転載する順番ですので、ご関心の方は ↓ の案内ページから読者登録をお願いいたします。

※来たる3月18日(土)、世田谷区で「第2回かたら~なin世田谷 みんなで語ろうひきこもり」が開催され、私は『ひきこもりの家族はどうする?』というテーマでグループゲストをつとめます。おとなひきこもりの方がいるご家族が語り合い情報交換意見交換する場となる、唯一の家族向けグループです(第1回では前述の後藤誠子さんが同じようなテーマでグループをゲストをつとめました)。ほかにも興味深いテーマが揃っていますので、ご関心の方はご参加またはご紹介をお願いいたします。


不登校・ひきこもりに関する研修費に充て、相談支援のスキルアップと充実したメルマガ掲載文執筆に還元させていただきたく、よろしくお願い申し上げます。