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糸をかける

怖がって、恐れてばっかりなわたし。

なにかにいつもびくびくして、びくびくしてない一瞬でさえ守れず、その一秒後にはまたびくついていて。

なにをそんなに怖がっているのだろう。
なにがそんなにわたしを不安にしているのだろう。
どうしても、わからなかった。わかりたくなかった。このままでもいいと思っていた。

ここ数ヶ月、新しい出会いがたくさんあった。

でも、どれもこれも出会わせてもらった縁ばかり。

とても素敵な人たち。とっても素敵な人たち。

でも、安心しきることはできなかった。わたしという人を預けることができなかった。 

私はまだ、怖がっていた。私という人を怖がっていた。

わたしのせいで、失くしてしまう恐れ、わたしが壊してしまう恐れ。
目の前にあったはずなのに、実は最初からなかったなんて、わたしが消してしまっただなんて、
気が付きたくなかった。あまりにも悲しすぎるから。

なくなってしまうのなら、最初からいらない。
最初からなかったら、
この苦しみ、悶えを感じずに済む。

そうやって独りを選んできた。

でも、選んでも、出会ってしまうものは
出会ってしまうんだよ。

なくしたくないもの、消えて欲しくないもの、ずっと、守りたいものに。

守ってくれた。消えないでいてくれた。
そこに、いてくれた。また、と言ってくれた。

この恩は仇で返してはならないよ。

これは、私が紡いで、守って、繋げて、糸にしなきゃいけないものだ。

伸ばして、糸にして、かけてゆかなければならないものだ。

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