「童心に帰れる場所」
「ポケモンTCG」の公式アプリ『Pokémon Trading Card Game Pocket』が2024年10月30日にサービスを開始することが発表された。
あいにく、TCGのほうはほとんど縁がなかったが、ゲームとしての「ポケットモンスター」はまさにリアルタイム世代であり、小学校低学年だった当時、両親にねだって半ば強引に初代である「赤・緑」を買ってもらった記憶がある。
ポケモンの魅力は何よりもまずゲームとしての完成度の高さにあるが、それ以上の醍醐味はやはり、周回プレイを何度も繰り返すことによって生み出される「縛りプレイ」である。
私自身もポケモンを何十回もクリアしており、その中で、厳密な縛りプレイではないものの、「ストーリーをいかに短縮しつつクリアできるか」というオリジナル要素の開拓にひたすらハマっていた。
結論から言えば、Nintendo64版「ポケモンスタジアム」とセットで売り出された付属機器「64GBパック」と複数のゲームボーイカートリッジを組み合わせれば、かなりの短縮プレイが可能となる。
要するに、先に片方のカートリッジをクリア寸前のレベルまで進めておいたうえでもう片方のカートリッジをプレイし、進んでいるほうのカートリッジからハイレベルなアイテムやポケモンを送り込むことでチートプレイを実現する、という話である。
「ポケモンスタジアム2」まではGBパック間のアイテムおよびポケモンの転送に制限が設けられていなかったから、スタート直後のニビジムでいきなりレベル100のミュウツーを繰り出す、なんていう芸当もやろうと思えばできたわけだ。
このやり口を使えば、たとえばハナダジムクリア後の段階でヤマブキシティの警備員にドリンクを渡すことで大幅なショートカットが実現する。ドリンクは本来、シオンタウン経由でタマムシシティまで到着しなければ入手できない仕様になっているが、クリア後のカートリッジさえあればドリンクをもう片方のカートリッジに送ることでストーリー上の制約を難なく飛び越え、まだ見ぬ世界へ足を踏み入れることだってできるのだ。
もっとも、これらのチートプレイも広い意味では仕様の範囲内で、普通にプレイするよりもちょっとだけクリアが楽になる、という程度の物なのだが、当時中学生だった私はいかにもポケモン研究者の1人であるかのように喜びを感じ、さらなるチートプレイを発見できないものかと連日頭を悩ませていた。
なお、GBパックを使わずとも、シオンタウン到着後はタマムシシティの正規ルートでドリンクを入手できるから、タマムシシティ通過後であればあえてヤマブキシティのナツメとの戦いを後回しにして、先に8つのバッジを入手することもできる。
ナツメは初代ポケモンにおいて無敵と言われているエスパータイプの使い手で、ジムリーダーの中でもトップクラスの難易度だったから、他のザコリーダー(ナツメに比べればサカキなどザコである)、充分にレベルを上げた状態でナツメに挑むのは合理的な戦略だったと言えるだろう。
長々と思い出話を書き連ねたことからもわかるように、私自身も、ポケモンTCGのリリースを心待ちにしている1人である。
今からルールを徹底的に覚えて、来るべき戦いにそなえたい。