フィンドホーンの思い出
最近、“ゼンタングル”(禅+模様)を始めて、
ずいぶん昔、“コラージュ”作りをしたことを思い出した。
雑誌やチラシから好きな写真や文字を切り抜き、
貼っていくアートである。
もう20年以上前のことになるが、
仕事をやめた後、
4ヶ月ほどフィンドホーンに滞在した。
心身ともに疲れていた時期だったので、
そこで起死回生した感じである。
フィンドホーンは、
スコットランドの北部にあるエコヴィレッジ。
そこには世界中から多くの人々が集まり、
短期から長期まで、様々な滞在プログラムがある。
ガーデン、キッチン、ホームケア、メンテナンスなどの仕事をしながら、
アートやダンス、ヒーリングなどの様々な活動に参加できる。
すべての仕事や活動を通して、
“Love in Action”(行動の中に愛)がある。
仕事や活動の前に、
“アチューメント(波長合わせ)“が行われる。
共に過ごす人たちと丸くなって手を繋ぐ。
小さい*大きい、冷たい*温かい、硬い*柔らかい…
手の感触が違う。
最初は何かの儀式のように感じ、
他人と手を繋ぐことに慣れなかった。
しだいに違和感がなくなり、
一体感や心地よさを感じる。
その余韻は続き、
仕事や活動も暖かい雰囲気に包まれ、楽しくなる。
終わった後、
“シェアリング”(気持ちの分かち合い)の時間がある。
誰かが話している時、
遮ったり、否定や批判をしたりしない。
ただ黙って聞く。
表情や身振りの変化、無言の間もある。
こんなにゆっくりと、
自分の気持ちを話したことはなかった。
フィンドホーンの食事は、
菜食で、畑で採れた野菜を食べる。
肉や魚がなくても、野菜メインの豊富なメニュー。
子供の頃から肉や魚は苦手だったので、
美味しくて、嬉しくて、すっかり元気になった。
私の仕事は、“ガーデン”と“ホームケア”だった。
掃除機や洗濯機に顔があり、名前も付いている。
可愛くて、親しみがわき、
大切しようという気持ちになる。
イギリスは、アンティークが多く、
古いものを大事にする。
壊れても、何度も修繕して使い、
使わなくなったものはリサイクル。
人にも、モノにも、優しい場所、
また、いつか訪れたいと思う。