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わかりにくい人は、高度な口癖を駆使して薄い話を引き延ばす。

なぜか話が入ってこない部下がいる。
仕事ができないというわけではないし、むしろ有能だ。人柄もいいし、学歴も私などより全然高い。
この度も彼には大事な新規プロジェクトを任せている。

今日は立ち上げのミーティングだ。
プロジェクトリーダーの彼が冒頭で話す。なぜ話が入ってこないのか、考えながら聞いてみる。



「では皆さん揃ったと思いますので、ミーティングを始めてみたいと思います

今日のミーティングの議題といった所なんですけれども、A社さんの新規プロジェクトの部分に関する所です。

この新規プロジェクトが、今日からスタートするという所になっていると思うんですけれども、この部分に関して皆さんの意見を聞いてみたいという風に思った形です。

こちらのほうに関しては、我々にとっても、大事な場面であるとは思うんですけれども、この部分に関しては、社長からも失敗を恐れずに、挑戦してしていって欲しい、といった風に言われている所です。

という風な所だとは思うんですけれども、こういった形の新規プロジェクトに初めて取り組む場面といった部分の形で言うと、この部分に関しては、昨日部長からも話があったと思うんですけれども、こういった風な所に関しては、まずは皆さんの意見を聞くべきだというご指摘をいただいた部分に関して、本日ミーティングを始めてみたいと思った部分の形となります

なるほど。入ってこないわけだ。

意味を持たない単語、いわゆる口ぐせが多すぎる。 
特に人前で話す際には、無意識にこうなる傾向がある。

口調に丁寧さを出そうとして、不要な言葉を追加してしまうのだろうか。
改めて聞くと、話の内容もそもそも薄い。

結果、ほとんどなにも言っていない。

実質「ミーティングを始めます」と言ってるだけだ。

話しが入ってくる筈もない。
入る内容がないのだから。


彼の話は、字面でみれば相当おかしい。
ところが耳で聞く分には、さほど違和感がないのが不思議だ。当人も、聞いてるメンバー達もなんもと思ってないだろう。

で、当然話は入ってこない。
というか入る内容がそもそもない。
結果、なんとなく「あの人の話はわかりくいな」で放置されてしまう。

話し方は個性でもあるので、指摘するのも気が引ける。
何とも悩ましい。



わかりにくい人は、高度な口癖を駆使して薄い話を引き延ばす。

その事を、我々は通常見抜けない。
自身に対しても同様だ。
私にもきっと気づいていない口ぐせがあるのだろう。
ではどうすればいいのか。

自分の発話を録音して、書き起こして見ればいい。

あなたにも、意外な口ぐせがあるといった部分に関して、気づく場面があるという風に思う。

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